FX.25プロジェクト概要
FX.25について
パケット通信に誤り訂正機能を導入することで、ビットエラーが生じる環境下で通信の効率と信頼性を高めることを目的としています。
これを実現するため、誤り訂正可能なプロトコルFX.25を実装したTNCを開発しました。
FX.25 TNC相互の通信では誤り訂正による高信頼の通信が可能となります。
またFX.25パケットは通常のAX.25対応のTNCでも受信可能です。FX.25 KISS TNCはAX.25パケットの受信も可能です。
これらの特徴により、現在行われているパケット通信との互換性を保ちつつ、FX.25 TNCに置き換えた局から順次誤り訂正のメリットを受けることができるようになります。
Fig.1 FX.25とAX.25の互換性
FX.25 KISS TNC
今回開発したFX.25 KISS TNCの特徴は以下のとおりです。
KISSモードのみサポート(ターミナルモードは無し)
PCとの接続はUSBシリアル
電源はUSBから供給(5V, 50mA程度)
プロセッサはESP-WROOM-32
モデムチップはTCM3105またはソフトウエアモデム
基板サイズは5cm×5cm(ソフトウエアタイプは別寸法)
Fig.2 FX.25 KISS TNCを使用したノードの構成例
センサノードへの応用
応用として、簡単なアプリケーションもTNCのCPUで実行させることで独立したセンサノードとして動作させる実験も行いました。
Fig.3 センサノードの例
FX.25対応TNC付き無線機
TNCとトランシーバを一体化しました。
ワンチップトランシーバIC BK4802Pを使用
単体でセンサーノードとして動作可能
29MHz, 51MHz, 145MHz, 433MHz帯いずれか1バンドの送受信が可能
Fig.4 TNC付き無線機の構成
4バンドQRP無線機
BK4802Pを使用したシンプルなFMトランシーバです。
29MHz, 51MHz, 145MHz, 433MHz帯の4バンド送受信が可能
LCD表示器付き
Fig.5 4バンドQRP無線機の構成
2023年ハムフェアでの基板頒布
基板CADデータと組み立てに関する資料は下記で公開しています。
BK4802Pを使ったAFSKトランシーバ HW (FX.25対応TNC付き無線機)
https://github.com/jk1mly/pcb-qrp-tnc/tree/v2023
BK4802Pを使った4バンドトランシーバ HW (4バンドQRP無線機)
組立てやソフトウエアに関する質問、サポートはプロジェクト管理ツールTrelloにあるPRUGワークスペース内「試作サポート」ボードで行います。(ゲストとして参加)
ゲスト参加を希望される方は下記まで連絡をお願いします
prug_pwb_support@googlegroups.com
FX.25プロトコルの拡張提案
FX.25の適用範囲を広げるためプロトコルを拡張する提案を作成しています。