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I.B. 新薬市場の動向
大手10社: 主要なグローバル製薬企業30社が2024年中に発表した新薬開発に関する情報を、「承認」、「申請」、ブレークスルー治療指定や迅速審査指定などの「その他の薬事」、「臨床試験」、およびライセンス契約や提携などの「事業開発」に分類し、企業別、治療分野別、および薬効クラス別に整理して集計しました。
トップ10 グローバル製薬企業を医療医用医薬品売上高の順に、1位 ファイザー (2024年 636億ドル)、2位 メルク (574億ドル)、3位 ジョンソン エンド ジョンソン(569億ドル)、4位アッヴィ (563億ドル)、5位アストラゼネカ(541億ドル)、6位 ロシュ (508億ドル)、7位 ノバルティス(503億ドル)、8位 ブリストルマイヤーズ スクイブ(483億ドル)、9位 リリー (450億ドル)、10位 サノフィ (443億ドル)。これらの10社をグローバルトップ10として分類しました。続いて、11位から 20位の10社をグローバル準大手、さらにバイオテクノロジーおよびその他の企業10社を加え、合計30社を3つのグループに分けました。
準大手10社: 準大手の10社は売上高順位11位のノボノルディスク(422億ドル)から、12位グラクソスミスクライン(401億ドル)、13位アムジェン(320億ドル)、14位武田薬品(301億ドル)、15位ギリアド(269億ドル)、17位バイエル(169億ドル)、19位リジェネロン(142億ドル)、20位アステラス製薬(121億ドル)、21位第一三共(117億ドル)、23位大塚ホールディングス(107億ドル)です。株式非公開の 16位ベーリンガー・インゲルハイムは情報が限られているため、「バイオテク、その他」のグループに含めました。18位のテバは後発品が中心であるため除外し、代わりに第一三共と大塚ホールディングスを加えました。
バイオテック、その他: 「バイオテック、その他」のグループは準大手グループに含まれなかった売上順位16位のベーリンガー・インゲルハイム(234億ドル)、22位バーテックス(110億ドル)、24位バイオジェン(97億ドル)、25位独逸メルク(90億ドル)、 26位中外(77億ドル)、 27位ユーシービー(60億ドル)、28位エーザイ(53億ドル)、29位インサイト(36億ドル)、30位ルンドベック(32億ドル)、および34位アルナイラム(22億ドル)を加えました。 31位モデルナ、32位バイオマリンおよび 33位サレプタは遺伝子関連の限られた品目による収入が大きいため省き、多くのRNA干渉薬を開発して大手製薬企業との関係が深いアルナイラムを10番目としました。
また、30社が売上高を開示している医療用医薬品全体を「グローバル新薬市場」と定義し、薬効クラス別および治療分野別に分析しました。2024年の合計は6,915億ドル(約100兆円)となり、前年比537億ドル(8%)の増加となりました。薬効クラス別では、GLP-1作動薬が前年比163億ドル(44%)増加して528億ドルとなり、PD-1阻害薬(507億ドル、13%増)を上回り、1位となりました。
治療分野別では最大のオンコロジー(がん)が1800億ドル(27兆円)で全体の26%を占めていますが、2位の循環代謝・腎臓領域は前年比20%増加し、1500億ドル(23兆円)を超えました。増加額では、循環代謝・腎臓が260億ドル増加し、オンコロジーの増加額(180億ドル)を上回り、 1位となりました。それぞれの、領域ごとの全体ランキングと詳細については、後編の調査資料をご覧ください。