チョッパ回路の設計・製作
3年後期(6S)のゼミナール1では,パワーエレクトロニクスの基礎となるチョッパ回路の設計・製作を実施しています。学生ひとりひとりが,理論的な回路解析を用いた回路設計からオシロスコープを用いた実験検証までを行います。
ゼミナール1を通して,実際の電気回路の設計・開発と同様の流れである
理論的な回路解析を用いた電気設計
シミュレーションによる検証
部品選定・発注
構造設計
実装(部品のはんだ付け)
実験検証
を一通り経験します。1~6の内容の詳細は,次の通りです。
1. 理論的な回路解析を用いた電気設計
「電気回路及び演習1・2」,「電子回路及び演習1」および「電子デバイス2」の講義で習得した内容を駆使して,降圧チョッパ回路と昇圧チョッパ回路の回路解析を行います。回路解析の結果より仕様を満たす電気設計を行います。
また,講義では扱わない熱設計やゲート駆動回路の設計についても学習します。
2. シミュレーションによる検証
理論的な解析による電気設計の結果を回路シミュレーションを用いて検証します。回路シミュレーションソフトは,自動車メーカなどでも採用されているPLECSを使用しています。
3. 部品選定・発注
設計した通りの値を持つ部品が実際に存在するとは限りません。実際の部品の寸法や値段,納期などを考えながら選定することで「現物・現実」の感覚を養います。
4. 構造設計
部品の寸法や電気的なつながりを考慮しながら構造設計を行います。
5. 実装(はんだ付け)
構造設計の結果を基に,基板に部品を実装(はんだ付け)します。
6. 実験検証
チョッパ回路が完成したら動作検証を実施します。教員指導の下,安全第一で実験します。実験検証を通して,電源装置やオシロスコープなど,パワーエレクトロニクスの研究で使用する機器の使用方法を習得します。
最終報告
これまでの設計や実験結果を報告書および発表資料にまとめます。実験にて得られたデータと設計値の比較・考察や,実際に製作して得られた気付きを振り返ります。また,まとめた発表資料は研究室内で発表し,教員・学生同士で議論を行います。