教師のためのICT用語解説

GIGAスクール構想

 1人1台端末、高速配信ネットワーク環境を整えるための文科省の政策。予測困難なSociety5.0時代を生きる子供たちのために、一人一人に「個別最適化され、創造性を育む教育」の実現を目指している。1人1台端末は「マストアイテム」であり、令和の時代における「ニュースタンダード」と考え、これからの学校教育が劇的に変化していくことが期待されている。

ICT(Information and Communication Technology)

 情報通信技術。ITとほぼ同義であるが、IT(情報技術)に対して、SNSやメールなど、デジタル化された情報をやりとりする(通信)技術を表す。人とインターネット、人と人がつながる技術を意味し、現在は「IT」に代わって使われている言葉である。

対面授業とオンライン授業・同期型授業と非同期型授業

・対面授業
 いわゆる教室での授業

・オンライン授業
 インターネットを介して教師と子供が異なる場所で行われる授業

・同期型授業
 同時双方向授業であり、リアルタイムで教師と子供、子供同士がやりとりしながら進める授業。TeamsやZoomなどを使った授業が主流であり、対面授業も同期型に類する。

・非同期型授業
 オンデマンド学習のこと。Youtubeなどの動画を視聴するだけでなく、レポートをインターネット上で提出したり、デジタルドリルで提出することも含まれる。
 

遠隔教育

 離れた場所同士で映像や音声などを行うシステム(遠隔教育システム)を活用した同時双方向型で行う教育のこと。児童生徒同士だけでなく、ALT、不登校児童生徒、病弱児童生徒とつながるなど既に様々な実践が報告されており、可能性を持っている。

 

CBT【シー・ビー・ティー】

 Computer Based Testing(コンピュータ・ベースド・テスティング)の略。試験における行程を全てコンピュータ上で行うことやサービスのこと。動画や音声を使った問題など、試験の幅が広がるだけでなく、問題の漏洩やカンニングを回避できる。タイピングによるテストであり、これまで以上にタイピングの技術が重要視されている。1990年から日本でも導入され、近年様々な試験に採用されてきている。


BYOD(ビー・ワイ・オー・ディー)

 Bring Your Own Device (ブリング・ユア・オウン・デバイス)の略。自分のデバイスを会社等に持ち込む意味。社員が企業などに自分のスマホやノートパソコン、タブレットなどの端末を持ち込み、業務に活用する仕組み。大学や高校などでも取り入れられている。

IoT(アイ・オー・ティー)

 Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)の略。「モノのインターネット」と訳されている。従来インターネットに接続されていなかった身の回りの様々なモノ(住宅・建物、車、家電等)がインターネットにつながる仕組み。

Society5.0(ソサエティ5.0)

 日本社会が提唱する未来社会のコンセプト。サイバー空間(仮想現実)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、これから訪れる人間中心の未来の社会。
1.0(狩猟採集社会)2.0(農耕社会)3.0(工業社会)そして、私達が現在暮らしている社会がSociety4.0(情報化社会)となります。

ビッグデータ

 「様々な形、様々な形を持った、様々な種類のデータ」のこと。従来のデータベース管理システムでは、記録や保管、解析が難しいような巨大データ群を指す。

AI(エー・アイ)

 Artificial Intelligence の略。人工知能。ディープラーニングをはじめとした機械学習が発達し、コンピュータが学ぶことができるようになった。AI技術が翻訳、自動運転、医療など人間の知的活動における活躍が期待されている。

DX(ディー・エックス)

Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)の略。※英語圏では、「trans-」の略に「X」を使います。
進化したICT技術が浸透することで、人々の生活をよりよいものへと変革させるという概念。教育現場でDXが進むと教育の質や幅が大きく向上し、一人一人の能力に応じた専門技術を学ぶ機会が増えると予測されている。教員の負担を減らすことも期待されている。

サブスクリプション

 サブスクとも言われている。料金を支払うことで、製品やサービスを一定期間利用することができる形式のビジネスモデル。英語では「予約購読」や「定期購読」という意味。

[引用・参考文献]
 『アフターデジタル』(藤井保文/日経BP社)
 『アフターデジタル2UXと自由』(
藤井保文/日経BP社
 『教室ツーウェイNEXTVol15』(学芸みらい社)
 『GIGAスクールの校内研修』(学芸みらい社)
 『文部科学省HP』