令和4年度文化庁委託事業「芸術家等実務研修会」

舞台芸術の現場に、適正な契約関係はありますか?


コロナ禍を契機とし、舞台芸術界ではさまざまな課題が改めて浮き彫りになりました。

たとえば、コロナ禍において公的な支援を受けるうえで、過去に関わった仕事に関する契約書などがないために報酬額や活動機会の減少を証明できず、支障が生じるケースがありました。あるいは、コロナ禍の影響で公演が中止になった場合にも、補償やキャンセル料が定められていなかったために支払いが行なわれなかったケースも多くありました。


いずれも「何もおきない」ことを前提に仕事の受発注が行われてきたがゆえに生じた問題です。

 

舞台芸術の担い手は小規模団体やフリーランス等が多いという特徴から立場が弱くなりがちです。このような、舞台芸術だけでなく芸術文化全般に関わる現状を背景に、文化庁では令和3年9月から「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」を開催し、令和4年7月に契約書のひな型や解説等を含んだ「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン(検討のまとめ)」(以下「ガイドライン」)を公表しました。そして「ガイドライン」の実効性確保のため、「令和4年度芸術家等の活動基盤強化及び持続可能な活動機会の創出 芸術等実務研修会」が実施されることになりました。 


NPO法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(通称 ON-PAM)では、文化庁からの委託を受け、舞台芸術制作者・プロデューサー向けの研修会「関係づくりを学ぶ!現場で使える契約講座」として契約実務をオンラインで学べるeラーニングの配信と対面型のワークショップを行います。


本研修会の大きな目的は、舞台芸術の現場に携わる方々が、創作の過程において関係者とコミュニケーションを十分に行い、健全で持続可能な創作環境をつくっていくことです。


適正な契約関係を結ぶために、知っておくべき背景や基礎知識、そして具体的な契約書の内容について、ともに学んでいきましょう。