虚血性心疾患

狭心症や心筋梗塞(冠動脈硬化症,急性心筋梗塞,陳急性心筋梗塞)を合わせて,虚血性心疾患といいます.

体全体の血管がメタボなどで弱る血管不全が心臓に及んだものです.

どんな症状?

胸が苦しく痛くなり,1分から3分で戻る狭心発作(胸が狭くなる感じでこの名があります).

この症状が5分以上続き,亡くなることがある急性心筋梗塞発作などが主です.他に心臓の働きが悪くなり,血のめぐりも悪くなる心不全症状,胸が苦しいことから気持ちが滅入るうつ症状など様々です.

無症状が一番怖い

狭発作が起こるまでは無症状で,胸が苦しくなった時には冠動脈硬化症が進み,血管や心臓の筋肉がかなり傷んでいます.初めての発作で急性心筋梗塞となり,そのまま亡くなることもあります.

●何で気がつくの?

メタボ診療や健康診断での心電図で偶然見つかることが多いです.

●放っておくと?

メタボ⇒血管不全⇒狭心症⇒冠動脈硬化症⇒急性心筋梗塞⇒陳旧性心筋梗塞⇒心筋梗塞とあっという間に病状が進んでいきます.

どんな検査?

心電図の検査が決め手です.

●血液や尿の検査

メタボの検査

貧血・肝・腎機能などの一般的なチェック

●画像検査

院内画像検査

エコー検査,レントゲン

院外画像検査

CT・MRI

●他の検査

重症の場合はカテーテル検査

●他の病気と副作用をチェック

検査は安心して診療できるようにするためのおまもりです.他の悪い病気がないか,副作用が出ていないかをチェックするのが第一の目的です.

どんな治療?

●一般的な生活改善

メタボ対策が一番です.

運動中心の生活リズムと食事などのバランス.

その他は急性心筋梗塞に準じます.

診療のながれ

●しらべる

メタボの病歴と心電図で虚血性心疾患を確定します.

必要に応じて,画像検査を加えます.

●ととのえる

2~4週ごと:血液や尿の検査と心電図検査などから,

1~2週ごと:症状や生活の様子から,生活改善の仕方やお薬を調整します.

●おちついたら

2~4週ごと:生活改善の確認とお薬.

2~4か月ごと:血液や尿の検査.

半年~毎年:院内画像検査と心電図検査/1~2年ごと:院外画像検査

他には?

虚血性心疾患と虚血性脳血管障害は同時に起こることがあります.メタボを放っておくと,心臓や脳だけでなく体全体の血管が老化してしまいます.

ほどほど,コツコツでだいじょうぶ

日々の生活をととのえ,コツコツと診療を続けていけばだいじょうぶです.