庭月野議啓 (にわつきの のりひろ)
紹介:
映像ディレクター・映画監督。
北九州出身。九州芸術工科大学・九州大学芸術工学府卒。
映画『仁光の受難』監督
GReeeeN・GRe4N BOYZライブツアー映像監督など
作者:新井田美海さん(千葉県)
<審査員コメント>
芸術性という観点からの選出ですが、芸術性とは単に美しければ良いというわけではありません。いかにテーマを表現しきれているかという点も重要です。
こちらの作品は、「夢の水中ロボット」というテーマを最も強く表現していました。ここでいう「夢の」とは「理想の・実現したら素敵な」という意味ですが、そこに「夢のような美しい光景」という解釈も加え、「夢」という言葉の意味を最大限に引き出して表現しています。
そして、ロボットを「海を漂う美しいクラゲ型」にする理由も理にかなっています。役割に対する適切な形・機能美があり、それを備えたロボットが愛されるための造形美があり、それが存在する美しい光景・海中の世界があり、それらが目指す目的・綺麗な海を望む美しい精神があり、その全てが絵の中に表現されています。
とても芸術性に秀でた作品です
吉永 弘子(よしなが ひろこ)
紹介:
アクリル絵の具で絵を描いています(^-^)
●第73回山口県美術展覧会 佳作入賞
●第75回山口県美術展覧会 佳作入賞
●第76回山口県美術展覧会 入選
https://www.instagram.com/__hiroko__.__/
作者:藤川澪さん(山口県岩国市)
<審査員コメント>
芸術的なデザインという観点からの審査をさせていただきました。すばらしい作品ばかりで、1点のみを選出するのは困難な作業でしたが、タコ型ロボット「冷えタココ」を特別賞に選出いたしました。ただ水中ではたらくだけでなく、環境問題にも取り組みつつ、「海の生き物を元気にする」といった素晴らしいコンセプトを掲げ、そのコンセプトが作品の中に見事に描かれています。薄塗りで描いた足の色が透けて見え、きれいな色に仕上がっていますし、対角線構図と画面に収まっていない足にダイナミックな動きが感じられます。「冷えタタコ」の下に描かれた、水や酸素、ウイルス、微生物のようなものなど、細部にまでこだわり抜いた作品です。魚たちの幸せそうな表情も上手く表現されており、暖かい気持ちにさせられます。画面右上に濃いブルーを入れた事により、海の深さ、奥行きを想像させられます。自身のコンセプトを確かな技術で作り上げたすばらしい作品であると感じました。
園田 誠(そのだ まこと)
紹介:
2002年より東映アニメーション作品のアニメーター
アニメーション演出に従事
2018年よりイラストレーターとして活動。
作者:大林葵さん(奈良県)
<審査員コメント>
一目で水中とわかる表現が随所に見られ、またロボットだけでなく海中の様子も丁寧に描かれています。水中ロボットだけでなく周りの景色を描くのは大変ですが、それだけ表現したい世界観があるという思いを感じます。水面からの光の差し込みは水中ならではの描写ですし、水中から見上げる水面の表現がダイナミックです。建物まであることで、そこを拠点にしてシステマチックに水中ロボットが運用されていることを想像させます。建物のハッチ入口から出入りできることもわかります。そこで有人ロボットが水中探査やゴミの回収をしている。また小さな無人ロボットも描いてあるので、広範囲に探索できることも伺えます。このように絵全体から読み取れるものがたくさんある構成になっていて楽しめますね。今の時代では全て無人のロボットでも良いところですが、あえて水中ロボットに乗って操作したいというロマンを感じます。操作している人物も満面の笑みで楽しそうであり、作者が楽しい想像を働かせて絵を描いた様子が全体から伝わってくる絵になっています。