第二回ジオラマ行動力学・散乱透視学
合同ワークショップ
開催趣旨
ジオラマ行動力学は、細胞レベルの適応能力を力学モデルで書き下し、自然環境中での能力発揮を実問題解決に繋げようするもので、ジオラマ行動班、ジオラマ製作班、徹底力学化班、アルゴリズム評価班の4つの班で目的達成を目指している。一方、散乱透視学は、現実世界に遍く存在する光の散乱・揺らぎ現象を包括的に理解し、散乱・揺らぎ媒質そのもの、およびその向こうを透視することで、生命科学や天文学などの自然科学、情報通信工学などの工学の諸分野に革新をもたらすことを目標に、物理基礎班、数理基礎班、実問題班(生物・天文・通信)の3班体制で研究を進めている。一見すると、生物領域を含む異分野融合だけが共通項に見えるが、両領域の目的達成のためのアプローチやベクトルには共通項がある。①異分野の理論・技術を活用して、②様々なスケールで、③実験室内に留まらずリアル世界の問題(実問題)の解決に取り組み、本質的理解に挑む点が挙げられる。そこで、両領域の研究者が互いに議論する機会があれば相互刺激となり新しいケミストリーが生れる土壌がありそうである。
今回、両領域に属し、互いに面識のある生物系若手研究者がたまたま領域について紹介し合って、上記の共通するベクトルを感じ、何か面白い企画ができないかと議論した。その結果、それぞれの領域の特徴を紹介し合い、議論する機会があれば、更なる異分野融合と新しいケミストリーを生むかもしれないと考え、領域横断的な企画を提案することとなった。
基本的には両領域から数名が、研究内容を紹介しつつも、具体的な壁や問題を示し、それに対して「別の視点」からのコメントをもらうことで、これまでに「気づかなかった」ことに「気づく」ことで、新しい発想や共同研究に繋げる。そこから突破口が見えれば最高である。これを相互に行う事で両領域の研究にプラスにできればと考えている。
開催概要
日時: 2024年10月25日(金)10時~17時
場所: 電気通信大学創立80周記念会館 フォーラム(3階)アクセス
共同主催: 学術変革領域研究(A)「ジオラマ行動力学」、学術変革領域研究(A)「散乱透視学」
対象: ジオラマ行動力学・散乱透視学の領域メンバー
世話人
【WS代表】
西上幸範(北海道大学電子科学研究所・ジオラマ)
坂本丞(自然科学研究機構生命創成探究センター・散乱)
【WS世話人】
渡邉恵理子(電気通信大学・散乱)
亀井保博(基礎生物学研究所・散乱)
参加申込
プログラム
【領域紹介】
10:00-10:05 ジオラマ行動力学紹介 西上幸範(北海道大学電子科学研究所)
10:05-10:10: 散乱透視学紹介 坂本丞(生命創成探究センター/ 生理学研究所)
【講演】
10:10-10:40 丸山 真一朗(東京大学)「サンゴ共生系における藻類細胞壁を介した物質移動 」
10:40-11:10 亀井保博(基礎生物学研究所)「赤外線照射顕微鏡システムによる生体内遺伝子発現と温度生物学への応用」
11:10-11:40 末松 信彦 (明治大学総合数理学部)「光合成微生物の光応答性に誘起される生物対流 」
11:40-12:10 渡部匡己(生命創成探究センター/基礎生物学研究所)「光は細胞内の不均一構造をどのようにして伝搬するのか?」
12:10-13:10 休憩
13:10-13:40 野村真未 (山形大学理学部)「有殻アメーバの被殻構築に伴う細胞外珪酸質構造の挙動解析」
13:40-14:10 桂木洋光(大阪大学)「巨視的粒子系の複雑物性解明と生物生態理解への応用」
14:10-14:40 篠原 恭介 (東京農工大学大学院工学府)「マウス気道繊毛細胞における細胞骨格関連タンパク質の可視化と機能解析」
14:40-15:10 渡邉恵理子(電気通信大学)「光導波路照明素子による水中3次元顕微イメージング」
15:10-15:30 写真撮影・休憩
15:30-17:00 渡邉研究室訪問
17:00–20:00 総合討論 & 研究交流会