協力隊の鈴木です。
2025年5月の活動報告になります。
先月の記事で紹介していた通り、今月からいつもお世話になっている秋田県公文書館へ通い、古文書解読力を身につけるための勉強をしています。
普段から村に残っている菅原家文書を扱っているため、くずし字自体に大きな抵抗はありませんが、辞書の正しい使い方から頻出する文字などについてはほぼ独学状態だったため、不安要素の一つではありました。今回、県公文書館にて初心者用講座が開催されると聞き、真っ先に参加したい旨を伝え、このような機会を得ることができました。
くずし字の習得については、英語や中国語などの第二言語を学ぶ事とまったく一緒と考えてもいいくらいなので、講座を受けてから更に脳が刺激される感覚になっています。夏までの集中講座になるので、この数ヶ月間の取り組みを村の歴史を紐解くための力になればと強く思っています。
さて、今月のトピックスは下記3件になります。
岩井川神社の別当、祭典などの行事へ参加、仙人太鼓の演奏、古文書解読講座へ参加など、古文書と神社などのお祭り関係で埋め尽くされた1ヶ月でした。
桜色に染まった村内からあっという間に新緑の風が吹き渡る季節に変わりました。
あちこちで田植えが始まり、東成瀬村にも初夏を感じさせる風景が広がってきています。
秋田の村の短い夏を楽しむ準備をしながら、来月も楽しんでいきます!
岩井川地区に住み始めて3年目、数十年に一回のペースで回ってくる岩井川神社別当の当番がまさか今年になるとは思いもしていませんでした。さらには、造立300周年の年でもあるため記念式典も行われるとのことで、偶然なのか必然なのか、はたまた運が良かったのか。協力隊の任期期間中に得ることができたこの機会に感謝をしながら、さっそく様々な取り組みを行っていますので、紹介していきたいと思います。
まず始めに上写真では神社のしめ縄に使用する稲藁へ「ワラ叩き」を行っています。横槌とよばれる器具を使って湿らせた稲藁を満遍なく叩き、繊維の機密性と弾力性を増加させるために行うとのことで、いきなり体力勝負の作業となりました。ちなみにしめ縄はこの後紹介する岩井川神社春の祭典以降から1年間飾り付けられるものになります。
次に、ワラ叩きが終わった稲藁を束にして編み込みを行っていきますが、大きなしめ縄作りの前に縄をなうやり方についてレクチャーが始まりました。なんと別当のほとんどが未経験で、御年90歳を越える大先生の縄ないを見ながらやってみましたが、これが実に難しいんです!!!ねじりの方向でも違いがあり、それらには右縄と左縄があり(左は神聖、右は俗世)、しめ縄は左縄となるため左巻で編み上げますが、ついつい右巻になってしまったりなど苦戦の連続でした。また、単純に編んでいくだけにしてしまうと綺麗なねじりにはならないというこれもまた厄介でして・・・。全員が四苦八苦しながら縄ないを覚えたところで、いよいよしめ縄作りに取りかかります。
大きな3本の束を使って仕上げていきますが、まずは藁を束ねて太くしていきます。太さもお尻部分は細く、紙垂が付く部分は太くするなど3本束ねた後の太さをイメージしながら調整していく必要があります。これらをやりやすくするために昨年使用していたしめ縄を外して横に並べておいてありますね。
先に2本の束を使って縄ないをしていきます。5、6人で藁を持ちながら左巻でねじっていきますが、しっかりとねじりをいれないと太さはもちろんのこと完成後の強度にも繋がってくるため、かなり力のいる作業になりました。
2本の束を完了させ、3本目の束を編み込んでいきます。ここが最大の山場であり、まず第一にかなり力がいる作業であること、そして3本目の束が加わったあとの太さやねじりの感覚がうまい具合に揃わないことです。
何度も稲藁を足したり抜いたりして調整を行ったり、編みの途中で不揃いになったため最初からやり直したりなど。
しめ縄づくりの大変さを最も痛感した時間になりました。
なんとか3本の束での縄ないが終わり、はみ出した藁をカットして見栄えを整えていきます。3本の束は作っている段階でビニールで覆ってあります。雨風対策のための準備は万端です。
最後に前垂れを3本作成して、最も垂れ下がる真ん中に飾り付けます。ちなみに前垂れには神聖な空間であることの強調と邪鬼を祓い清めたり五穀豊穣を願う意味などが込められています。
この日は無事にしめ縄の作成が終わり、春の祭典当日(本宮)に紙垂を飾り付けて完成となります。
春の祭典前日(宵宮)、朝一番で集合し神社の旗立て作業が行われました。雨降りという悪天候での作業となりましたが、氏子総代や合居区長さんも応援してくれたおかげで、なんとか終えることができたので写真を通して紹介していきます。
上2枚の写真は、旗を立てるための土台を設置している場面になります。
旗を棒にくくりつけている場面になります。神社入り口に3本、境内に2本の合計5本分を作ります。
力を合わせて旗を揚げて、土台へ立てかけていきます。
神社入り口分の3本も立てていきます。
ここでも同じように土台を組み、旗を立てていきましたが、雨が強まり旗が濡れて重みが増したせいか、立てかける時が一番大変でしたね。途中、旗をくくりつけるときに破れてしまったりなどハプニングなどもありましたがなんとか綺麗に3本の旗が揚がりました。
鳥居にしめ縄を取り付けていきます。鳥居額(扁額)とぴったり並ぶように位置を慎重に決めていきます。
ちなみに岩井川神社の鳥居は令和3年10月9日に新しく建設されたもので、明神鳥居(上部の笠木が反っていてその下に島木がある)です。笠木が直線のものは神明鳥居に分けられます。もっと細かく言うと、明神鳥居で台輪鳥居(柱と島木の間に座がはめてある)で両部鳥居(柱に袖柱がある)に分けられると思います。
また、宵宮での御祈祷前に紙垂(御幣)を祢宜さんからいただき、しめ縄へ飾り付けを行っていきます。
拝殿入口にもしめ縄と紙垂(御幣)の飾り付けを行っていきます。
本殿内でも室内を囲むようにしめ縄を設置し、祭壇の準備も同時に整えていきます。
その後、宵宮が執り行われ、直会として御神酒をいただきました。
岩井川地区及び岩井川神社を大切に守っていこうとする熱い気持ちが感じ取れた祭典前日でした。
宵宮が無事に終わり、いよいよ春の祭典当日(本宮)がやってきました。
午前中に御祈祷が執り行われ、その後は岩井川の各地区親子会・青年会の御神輿への対応を行いました。
岩井川神社春の祭典では各地区で御神輿(恵比寿俵など)を背負って地域をねぶり歩き、家内安全や村中安全を祈りながら奉納先である岩井川神社を目指していきます。
一番最初に奉納された御神輿は合居地区で、納める際に唄われる「納め唄」を唄いながら奉納します。この際、別当や氏子達が御神輿を入れさせないように邪魔をして、3回目でようやく奉納できるという形になります。
子供達が一致団結して大人達の壁を打ち破るという姿は賑やかしにはぴったりなもので、神事全体を通して一番の見所だと私は思います。
次に到着したのは上野地区で、最後は東村地区となりました。
東村地区ではかなり立派な御神輿を作成しており、親御さん達が全力で担いでいたのが印象的でした。
御神輿奉納の大トリは青年会となり、こちらは全力で奉納してくると事前に聞いていたので少し緊張が走りましたね。
ただ、あちこちで御神酒などをいただいていたせいか、全員顔が赤くなっていたのが印象的でした。これもまた青年会の宿命なのでしょう!
力にありふれた青年達が全力でぶつかってくる様は、まるで喧嘩神輿のようで凄まじかったです。
私も始めて別当側として参戦させてもらいましたが、見事にパワー負けしてしまいました。
今でこそ3回目では奉納という形をとっていますが、数十年前は怪我人がたくさん出るほど本気でぶつかりあうこともあったらしく...全身全霊で祭りに臨む姿は美しくもかっこいいと思うので、これからも続けていって欲しい伝統文化の一つですね。
無事に全ての御神輿が神社に奉納され、御神酒などの振る舞いが一通りできたタイミングで岩井川神社春の祭典が終わりを告げました。
今年は別当という立場で参加させていただきましたが、神事の運営側でしか経験することのできない事ばかりで本当に勉強になりました。
春の祭典以降も月1回の神社の清掃や年末年始での神事なども控えているため、年間を通してまだまだ勉強することが多いので楽しみです!
仙人太鼓の夏が始まりました。
今月は演奏機会が3回もあり、スタートダッシュに恵まれたのかもしれません。
また、今月から新メンバー(外国出身!)が2人加わり、いつの間にか私が先輩という立場になってしまいましたね。
村内は下田地区のお祭りでの演奏場面(道中)になります。
新メンバーの初舞台となりましたが、堂々たる演奏で頼もしかったですね。
また、今年で2回目となるフレッシュなお祭りで、これからも続けていってほしい行事でした!
昨年に引き続き秋田市で行われた「食と芸能大祭典2025」での演奏場面(仙龍翔舞)になります。
あいにくの雨模様の中での演奏でしたが、地元での演奏にはやはり気合いが入りました!
曲間でのMCや演奏後のインタビューも任されましたが、喋って場を繋ぐ技術はまだまだ足りないなと少し反省点もありましたが、新メンバーに助けられたのでチームプレーが大切なのかもしれません。
ちなみに今年は長信田太鼓(三種町)、太平山三吉神社 三吉梵天祭(秋田市)、西馬音盆踊り(羽後町)の方々と同グループでパフォーマンスをさせていただきましたが、長信田太鼓の皆さんの演奏は迫力満点で素晴らしかったです!
仙人太鼓とはまた違う動きのある演奏でとても刺激になりました。
道中の演奏場面になります。こちらの曲はみなさんおなじみ飛び入り参加型の曲であり、今回はとっても小さなお客様と2年連続で参加してくれた相場詩織さんが盛り上げてくれました!
最後に演者目線での写真を一枚。
冒頭でもお話した通り、雨降りだったためお客様の数は昨年に比べると寂しい感じではありましたが、雨にも負けない熱い演奏を届けられるように頑張りたいとも思えた1日でした!
今月から秋田県公文書館にて古文書解読講座を受講することになりました。
講師はいつもお世話になっている畑中先生で、第1、2回の教材は「鼠小僧次郎吉尋問書写」になり、江戸時代に存在したとされる大泥棒で、大名屋敷のみを狙って盗みに入ったり、人に傷を負わせていないことなどから後世には義賊として伝えられた有名な人物になります。
※実際には女子供のいる場所ばかりを狙っていることから、本当に義賊だったかどうかは怪しいところです...
最終的には幕府に捕らえられ、引き回し(死刑囚を馬に乗せて罪状などが記された捨て札などと共に刑場まで連行されていく制度)と獄門(斬首刑の後、さらし首にされる刑)によってその生涯を閉じることになりますが、本教材は鼠小僧がいつどこでだれの屋敷に忍び込み、何を盗んだのかが詳細に記された古文書になります。
手始めに古文書でよく出てくる文末と文中での言い回しを確認しました。
おそらく皆様もご存じであろう「~候(そうろう」はこちらは現代で言う「です。ます。」を意味します。
次に、江戸時代の時刻と三貨制度について畑中先生のおもしろおかしいトークを聞きながら当時の制度について学びを深めました。この2点については、今回の教材を読み解く上で欠かせない知識になるため、時間をかけて説明していただきました。
実際に本文を読み解いている最中に写真になります。
決まった形式で書かれた文が多いため、完全な初心者であってもパターンをつかむことさえ出来れば、意外にもスラスラと読んでいくことができる古文書でした。
しかし、江戸時代の人々もそう簡単に伝わってほしくなかったのか、辞書で引こうとしても本当にわからないくずしで書かれた文字も存在します...。こればっかしは畑中先生ですら「筆者の気持ちを体で感じ取るしかない」とおっしゃるくらい判別に苦労する文字が出てきます。確かに菅原家文書ではそんな文字だらけだよなぁと共感を覚えられたことが自分がくずし字の道に足を踏み入れてきてる証拠にもなっている気がして、なんだか嬉しく感じた場面もありました。
来月からは古文書解読では外せない「変体かな文字」について徹底的に取り組む予定とのことで、かなり苦手な部類の所になるので全力で学びたいと思っています!
例のおばあちゃん家で巨人vs阪神を観戦しながらご飯を食べていた時、いきなり食卓をドン!と叩いて一言。
本当にプロ野球を愛していないと出ない言葉ですよこれは。
ちなみに私の場合、ドン!と叩いて「ブロックバイデイビス」です。どこかにNBAを一緒に観てくれる村人はいませんかねぇ。
最後に一言、ワラビの酢味噌和えがうまいです。
これはガチです。