協力隊の鈴木です。
2024年9月の活動報告になります。
全国各地で厳しい残暑が続いている中、東成瀬村は着実に秋の気配を早めています。
綺麗に晴れた日でも30℃には届かず過ごしやすい気温ではありますが、朝晩は最低気温が20℃を下回るなど昼夜の温度差が夏の終わりを告げているように感じられます。
そして、数年続いている猛暑の影響のためお米の収穫量が少なく、いわゆる「米不足」が発生し、私自身も生まれて初めてお米が置かれていないお店を目の当たりにしました。10月からは待望の新米が届けられますが、なかなかの高値で取引されるなど、まだまだ余波は続きそうです。
村では立派に実った稲穂達が順調に刈り取られている最中で、新米にありつけることに感謝をしながら見守っていきたいものです。
さて、今月のトピックスは下記3件になります。
仙北道踏査、仙人太鼓、東成瀬村アーカイブズ・ギャラリー説明会などが行われました。
古代からの道、伝統芸能そして貴重な資料との対面など、芸術文化の秋をしっかりと堪能することができました。
村での2年目の秋をゆっくりと楽しんでいきます。
仙北道現地踏査へ写真撮影係を兼任しながら今年も参加させていただきました。
昨年は秋田~岩手「大寒沢」林道終点までの踏査コースでしたが、今回は諸事情により「柏峠」から一つ進んだ「山神」で折り返すコースとなりました。
午前中は天気に恵まれ、絶景スポットである「丈の倉」からの景色がとても綺麗でした。最高標高1,018mの「柏峠」を過ぎたあたりから霧が出始め、山の天気は変わりやすいという洗礼を受けました。
仙北道を歩き始めて1年以上となりましたが、ようやく道の起伏や木々の姿形が頭に入ってきた感覚になりました。
何度も歩く事でしか得られない知識や経験が仙北道には存在し、それらには自然環境はもちろんのこと、江戸時代の人々の軌跡や古道を残すために活動している現代の人々の活動が挙げられます。移住する前までは何の変哲もないただの山道を歩くという感覚が通常でしたが、歴史などを考えながら歩く感覚が通常になり、行く先々で見える風景を別の角度で捉えて考えられるようになったことが大きな成長なのかもしれません。
古道を歩くと己の精神が試されているようで、自分にとって足りない物事が理解できる不思議な時間でした。
今月は仙人太鼓の演奏機会がたくさんある月となりました。
東成瀬村の近隣地区を中心に数カ所を訪問、演奏を行う形になり、4曲ほどを披露させていただきました。
仙人太鼓に参加してから1年少しですが、一丁前に舞台慣れをしたのか緊張も少なくなってきました。
譜面通りに叩く意識から、打音のアクセントや振り付けなどの意識が高まり、よりよいパフォーマンスを身につけられた1ヶ月でした。
最終曲目に入れている「道中ばやし」ではお客様と一緒に太鼓を叩く時間があります。比較的簡単なリズムであるため小さなお子様からお年寄りの皆様からでも叩ける曲であり、最も賑わいが見られる時間でもあります。どの会場でも興味を持って参加していただけたお客様が多く、太鼓を叩いたという機会が何か良いきっかけになれば嬉しいなという気持ちでいっぱいになりました。
まだ習得していない曲もあるので、日々の練習に精力的に取り組んでいきます。
秋田県公文書館と東成瀬村教育委員会による連携展『東成瀬村アーカイブズ・ギャラリー』が8月より開催されていますが、前期展について公文書館の畑中先生による解説が行われました。
5月から6月にかけて東成瀬村で開催された連携展『文書と絵図に学ぶ ふる里の歩み』にて公開された資料の他に、公文書館にて保管されている村に関する貴重な資料やデータ、村で新たに見つかった古文書などを中心に展示を行っており、前後期に分けて東成瀬村とはいったいどんな場所なのかという疑問の答えが見つかるという構成になっています。
今回は畑中先生によるユーモラスで情熱的な解説を聞くことができ、より知識が深まりました。
国の重要文化財に登録された大型磨製石斧などを中心に展示されているコーナーでは我らが櫻田館長による特別解説も行われ、改めて秋田県25市町村の中で東成瀬村が選ばれ、秋田の中心で紹介されることの光栄さと責任の重さを感じられた時でした。
各展示物について個人的にオススメしたいものが幾つかあるのですが、来月に連携展の感想と併せてご紹介したいと思います。
最後に、後期展が9月26日よりスタートしています。前期展と雰囲気がかなり変わった内容となっていて、村出身の漫画家・高橋よしひろ氏所蔵の資料なども展示しています。是非足をお運びにいらしてください!
秋田県公文書館と東成瀬村教育委員会の連携展が8/22より開催しています。(閲覧無料)
開催日程
前期展:8/22~9/23
後期展:9/26~11/4
会場 秋田県公文書館2階特別展示室
休館日 毎週水曜日
秋田県公文書館と東成瀬村教育委員会と双方の資料を持ち寄り、「東成瀬村アーカイブズ・ギャラリー」を開催することになりました。
アーカイブズとは文書、図面、写真から現代の音声記録映像や電子記録まで記録史料全般のことを言います。この展示では、東成瀬村に焦点を当て、公文書館所蔵資料と村の資料から、豊かな人間の営みを浮かび上がらせます。どの資料をとってみても村の歴史にとっては貴重なものばかりです。展示を閲覧される皆様におかれましては、どうか一つ一つの文書と絵図から、先人の姿を感じ取って頂ければ幸いです。