協力隊の鈴木です。2024年6月の活動報告になります。
1年で最も昼の時間が長い「夏至」を迎えた今月、夏本番まであと少しという天気の日々の連続でした。下旬には昨年よりも少し遅い梅雨入りが宣言され、湿気との闘いが続いています。
さて、今月のトピックスは下記2件になります。
5月より開催されたふる里の歩み展が閉幕、今年初の仙北道を歩きました。
秋田県公文書館との2ヶ月間に及ぶ連携展が終わり、県内外からたくさんのお客様にお越し頂きました。また、去年に引き続き仙北道を歩くことができました。
病気治療により思うようにできなかった先月と比べて活発に行動できた1ヶ月で、完全復活へ近づいていると思います。何よりも、村の歴史や自然にしっかりと関われた事が心身の回復に繋がったと思うので、今後も好奇心を忘れずに取り組んでいきます。
5月1日よりスタートした秋田県公文書館と東成瀬村教育委員会との連携展『文書と絵図に学ぶ ふる里の歩み』ですが、今月をもって終了となりました。最終的に579名様にご来場いただき、本当に嬉しく思います。
昨年度の連携展に比べ開催場所が村の中心地から遠く、正直なところ不安はありましたが、県内外からたくさんのお客様が足を運んで下さったおかげで今までの行動全てが自信に繋がりました。
6月は解説担当日を増やしてもらい、より多くの時間を企画展に割きました。展示資料の知識は勿論のこと、時系列で説明できるように関連した出来事や人物を調べ、伝わりやすいように話すことを心掛けました。昨年度の企画展では自分が話したいことが優先する場面が多く出てしまっていましたが、今回は客観的な説明をすることでお客様のペースに合わせながらお話することができたと感じています。
また、いつもお世話になっている県公文書館の畑中先生による資料説明と古文書教室が行われました。村の中学1年生の生徒達や村民を対象にした説明会で、全世代の方々が東成瀬村の歴史に触れた素晴らしい時間でした。生徒達の捉え方はある程度知識を得た大人が思いつかない方法であり、直感的に歴史を考えるのも面白いなと学ばされました。反対に村民の方々は古文書の読解や地図の読み取りに長けているため、懐かしさと新たな情報が入り交じる世界を堪能していました。
今回の連携展では、秋田県公文書館から29点、東成瀬村から26点の展示物で構成され、どれも貴重で村の歴史を垣間見られる大切な資料になります。村で用意した資料達はふる里館にて常時展示および解読で使用しているため、閲覧は引き続き可能になります。また、8月からは秋田県公文書館にて開催される企画展も決定しています。地域の歴史を学ぶことは誰のため?何のため?という質問が若い年代の方からよくありますが、一貫して答えている内容として「幸せになるため」としています。古文書や絵図などが存在する理由の一つに、当時の人間達が自分たちが生きていくために必要な事だと判断して作成しています。この必要なことの中に、「幸せになるため」が含まれていると私は考えていて、領地争いの文書や絵図などには幸せになるためなどの文言はどこにも書いてありませんが、これまで争い事をしてきたが境界線を定めてお互い暮らしませんか?という平和的解決の意味が込められています。領地争いは現代社会でも繰り広げられていることですが、解決するための動機はやはり、幸せになるためだと思います。
地域の歴史は地域住民で学び、守り、伝えていく。畑中先生や櫻田館長の教えをまずは私が受け止め、未来の子供達へ伝えていけるように今後も活動していきたいです。
念願の山歩きシーズンがスタートしました。
今年度も仙北道を歩き、自然と歴史にあふれた古路を感じることができました。
直前に行われた弘法の祠祭りについては体調不良のため欠席となりましたが、この日に合わせて万全な準備を行い臨みました。
天候は終始雨でしたが、木々達のお陰で全身ずぶ濡れになるほどではありませんでした。丈の倉からの眺めはあいにくの曇り空で抜群の風景とは言えませんでしたが、生活路だった当時の人々は天候など関係無しに歩んでいたと考えると土砂降りでも足を止めずに歩いてやろうという気持ちになれました。
雨のおかげでブナの木からの「樹幹流」(ブナの木に降った雨が木の幹を伝って地面へ流れ落ちる現象)を見ることができ、白神宿泊体験時に学んだ知識が役に立った瞬間でもありました。
昨年は全てが初めてだった仙北道でしたが、今年は2回目となり自前装備も充実し、前回と違う要素を探したりなど楽しみ方も変わりました。晴れた日に鳥たちの鳴き声を聞きながら歩く山道も素晴らしいですが、霧に囲まれた山林はさながら別世界のようで冒険の気分を味わえる1日でした。
去年に引き続き東成瀬村へわらび座がやってきました。
今年は「青春(アオハル)するべ!~由利高校民謡部ストーリー~」というミュージカルで、秋田県立由利高校民謡部の方々からの取材を基にしていることもあり、地元感溢れる馴染みやすい物語でした。
村内の小中学生達も観劇しており、「青春」をテーマにした物語をどう受け止めたのか気になる所ですが、私からの感想を少しだけ。とりあえずやってみるの精神は一生持ち続けていたいなと強く思いました。ヒロインのさくらさんはこれまでやったことのない民謡に挑戦したことで、かけがえのない経験と友人を得ることになるわけですが、民謡に挑戦するまでの葛藤の描写に「アオハル」を感じました。ミュージカルはおおよそハッピーエンドですが、自分の人生は結末までまったく分かりません。人生が終演するその日まで青春の日々を過ごしていきたいものですね。