スキー場には利用者の安全を守り、円滑に楽しんで頂けるように、それを導く番人がいる。
村のスキー場は現在、シーズン中は第一ペアリフト、第二クワッドリフト、第三ペアリフトと基本三つのリフトが稼働している。それぞれのリフトの場所には山麓と山頂に小屋がある。そこにはリフト索動員という方々がいて、多くの方が長くやり続けいるベテランのおっちゃん達だ。今年は僕もそこに混ぜてもらった。
リフトの運転から停止、減速などをコントロールしながら、適切なタイミングでリフトへと誘導し、利用者の方が安全に円滑に楽しんで頂けるように導く。それがリフト索道員の仕事だ。
まずはその日、雪の積雪の状態で、雪よせをしたり、雪が足らない場合は少し離れた所から雪を持って来たりする。利用者の方がリフトに乗るステージ上を整備したり、リフトが問題なく運転や停止、減速するかを点検する。営業開始となれば、30分交代で時に吹雪く中、リフト乗車のタイミングに合わせて、お客様を誘導していく。
僕は第一リフトに入ることが多かった。第一ペアリフトはまず初心者の方が多く利用するところで、小さな子どもが転んでしまったり、うまく前に出れずに乗車位置まで進むのが遅れたりするお客様がいる。その時は停止ボタンを押したり、減速したりして危険が及ばないように細心の注意をはらう。思っていた以上に現場には緊張感があった。
リフトの小屋の中でも常に外の状況を見ていて、安全を確認する。
ただずっと緊張状態ではもたないので、リフトの小屋の中で時におっちゃん達が軽妙なトークで笑わせてくれる。一癖二癖もある実に面白いおっちゃんばかりだった。皆根が優しい感じがあって、小屋の中で数人で話したりする時は心地良かった。困ったりしててもなぜかすぐに察してくれて何度も声をかけてくれた。
初めてのスキー場のリフト索道員の仕事は、ベテランのおっちゃん達に助けられ、腹から笑わせてもらい、仕事を教えてもらった。おっちゃん達様様だった。
ありがとうおっちゃん達、また会いましょうおっちゃん達、おっちゃんおっちゃん言ってますけど、私もおっちゃんの一人です。
※シーズン中、スキー場の従業員として働けば、リフトが無料で乗車し放題、隣接した質の高い温泉にも無料で入り放題という福利厚生が最高でした。