協力隊の鈴木です。7月の活動報告になります。
東成瀬村に移住してから初めての本格的な夏を迎え、暑さとの闘いの日々を過ごしてきました。
今月のトピックスは下記3点になります。歴史・自然・交流イベントと盛りだくさんな1か月になりました。
7月某日、とあるお家の倉庫にて古文書が見つかったとの情報が入り、館長らと現地へ伺い調査を行いました。
こちらでは以前から村の歴史に関わる古文書が幾つか見つかっており、今回は大量に発見することができたのでかなり驚きました。数百年前の物が令和の現在になって見つかる瞬間に立ち会える事ができ、私がこの村で成し遂げる事の一つを果たせました。番所跡のお家であり、当時の仕事であった通行手形の発行などに関する文書がこれまで見つかっているので、それらに関係する文書であることを期待するばかりです。
古文書の発見と同時に、地域の神社にて奉納されていた獅子頭と太鼓と御神鏡も見つかりました。伝統的な祭事に使用される貴重な物も見つかり、これまで文面や写真・絵のみで確認していた物が自分の目の前にある素晴らしさ。これだけでも大きな収穫ですが、今後は古文書の修復と解読などが待っています。村の歴史に着実に迫れてきているので、歩みを止めずに追求していきます。
須川コース(昭和湖→展望岩頭 ※通常は立ち入り禁止ですが、今回は刈り払いも兼ねていた為、万全な対策をした上で登りました)から天馬尾根コースで頂上を目指しました。6月の登山よりお世話になっているガイドさんと、東林業の方々と一緒に登り、コースの安全確認と刈り払いのための先導を目的とした登山になりました。
序盤は硫黄のにおいがたちこめる岩が向きだしの道を進み、展望岩頭では滅多に見られない『雲海』に遭遇しました。近くに薄い雲があり景観は完璧ではなかったですが、雲の上に出るくらい高いところに居るんだなと感心しました。
天馬尾根では時折冷たい風が吹いてきて、気持ちよく登ることができました。途中、白銀湿原や岩と岩が重なってできた通称『熊のホテル』などを見ることができました。頂上は1,424mとなり、須川湖や栗駒山荘を見下ろす絶景を堪能できました。終始天気に恵まれ、無事に下山することが出来たので、また一つ村の自然を知ることができてよかったです。
先月から刈り払い作業に何度も同行させて頂いていますが、林業のやりがいと過酷さを少しばかり理解できてきました。個人的に、林業=植林・伐採などのイメージでしたが、登山道や観光用コースなどの刈り払いを行っている事を移住してから初めて知りました。そして何より、刈払機を片手に持った状態で登山をする必要がある、この要素が一番の過酷さであり、必須条件になるという事で、自分にはそこまでの体力と気力は備わってないなと痛感しました。藪は1年も経てば登山道を覆い尽くす勢いで成長する為、誰かが整備をしないと怪我人や遭難者を出すことになる-----今回の刈り払いで道の両脇が拡張され、登りやすくなったと思います。私達の知らない所で、安心安全のために動いている人達の存在を忘れずに今後も自然と触れあっていこうと思います。
水源地域(東成瀬村)と水の恩恵を受ける地域(湯沢市・横手市・大仙市)の方々と、水の大切さや水源地域との繋がりを将来にわたって深めていく取組みとして、『成瀬ダム交流会』が開催されました。内容は縄文文化体験・手作りおにぎり・成瀬ダム見学となり、各地域の小中学生と保護者併せて60名の皆様に参加していただきました。
当日はスタッフとして、会場設営や縄文文化体験(勾玉づくり、火起こし)のサポートなどに携わりました。子供達が興味津々に話を聞いていたり、一生懸命に勾玉をつくっている姿を見て、ほんの些細なことでも興味を持ってみる大切さを改めて感じることができました。同時に、子供達の無邪気な笑顔と明るい雰囲気にとても癒やされました。
こうした交流会をきっかけに、東成瀬村及び近隣地域の歴史や成瀬ダムをはじめとするインフラ設備への興味を持って欲しい事と、学びを深めていくための機会づくりを提供していく事が重要だと考えています。地域でかつて行われていたコトや住んでいたヒトや生き物、これらを最優先で知るべき対象はまぎれもなく地域住民の方々です。歴史として残すために記憶していく作業に今後も尽力していきます。
東成瀬村のビッグイベント第37回『仙人修行』が開催されました。3日間を通して、断食・座禅・写経・滝行などを行い心身を鍛えるという内容になり、参加者の皆様と一緒に泊まりながらスタッフとして帯同させて頂きました。昨年度はコロナ禍もあり短縮版だったとの事でしたが、今年は全日程を通して行えることができました。
移住する前から秋田県内のニュースなどで知っていたイベントでしたが、運営側の立場ですら中々に過酷な内容でした・・・。3日間共に天気に恵まれましたが、高気温のため熱中症対策が大変でした。そんな酷暑のなか、参加者の皆様はそれぞれの思いを胸に修行に励んでいて、全力で取り組む姿勢に感動を覚えました。ご協力頂いた永伝寺の武藤住職、龍泉寺の佐藤住職には講話以外でも様々なお話を聞かせて頂き、個人的にも貴重な経験になりました。また、今回は仙人山散策~天神社と下田水神社の案内を任命され、神社の縁記や力士像について説明をさせて頂きました。神社仏閣へ興味を持っている方が多くいらっしゃり、こうした機会のために自分はこの村に来たんだなと実感できる時間になりました。
参加者の皆様は、今回が初めての方とリピーターの方の半々となり、中には今回の参加で20回目となり『白龍仙人』という称号を付与された方もいらっしゃいました。この方は仙人伝説について論文を発表しており、興味深いお話をたくさん聞くことができました。もうお一人、白龍仙人の方が参加しており、その方は私達と同じスタッフとして帯同してくれました。これまでの仙人修行について、スケジュールを通しての動き方などについて親身に教えて下さり、3日間で様々な事を吸収できました。その他、世界各国を渡り歩いている方、20代最後の思い出のため、就活前に心身を鍛えるため、海外へ留学する前の最後の挑戦のため、などなど様々な理由を持った方々がいらっしゃり、それぞれお話を聞く事ができ、自分の知識見解がどんどん広がる機会となりました。
今回スタッフを経験して、村内の魅力の感じ方が少し変わりました。参加者の方々が常に『自然が素晴らしい、風景がいい、ご飯がおいしい、水がおいしい、優しい人がたくさんいる』などと声を掛けて下さり、ごくごく当たり前だと思っていた感じ方や考え方が外の世界では魅力に繋がるということ事が学べたので、ほんの些細な気づきを大切にして活動していこうと思いました。
8月も行事がたくさん控えているので、まずは健康第一に取り組んでいこうと思います。