協力隊員の鈴木です。6月の活動報告になります。
今月は自然を満喫する日々で、常に山を登っている感覚でした。
上写真は焼石岳での3枚になります。久々の登山になりましたが、豊かな自然と初夏の爽やかな風を感じることができたので心身共にリフレッシュすることができました。
8合目ではレアな気象現象『彩雲』を見ることができ、思わず手を合わせていました。吉兆の知らせとして現れてくれたことを信じ、怪我もせずに無事に下山することができましたので効果があったのかもしれません。
6月中頃は『仙北道を考える会』の皆様に誘われ、『仙北道(仙北街道)』を歩きました。
仙北道(仙北街道)とは・・・秋田県の仙北地方(横手方面)から岩手県の奥州街道水沢宿(奥州市水沢)を結ぶ街道。東成瀬村手倉と岩手県奥州市胆沢下嵐江を結んでいる古道は、約1200年の歴史を持っている。明治時代になってから交通通路としての役割を終え、古道そのものの存在が忘れ去られそうになったが、岩手県において歴史の道に指定→古道の痕跡を探して復活させ、後世に伝えようとする動きが起きた。この動きが西側起点の東成瀬村にも及び、それぞれ組織を結成し古道のルート解明のための踏査、刈り払い、要所への道標・案内板設置等を行ってきた。初踏査から30年目を迎えた令和元年10月に仙北道(仙北街道)が文化庁の『歴史の道100選』に選出された。
今回は『弘法の祠祭り』が行われ、弘法様の祠がある地点まで歩き、お供え物をしたりして弘法様を奉りました。
祠は熊によるイタズラ?を受け、傷だらけになっていました・・・(爪で引っ掻いた跡が残っていました)
古道ということもあり、遙か昔の人々が利用していた道を自らの足で移動するという歴史ロマン全開の体験をする事ができました。
戻ってきた後参加者の皆様とお昼ご飯を食べたのですが、そこで人生初の塩くじら汁をいただきました。山菜と相性抜群でとても美味しかったです!
郷土郷里教室の方々、塩くじらを差し入れしてくださった館長!本当にありがとうございました!
弘法の祠祭りから間髪入れずに、今度は仙北道『柏峠(かしわとうげ)』という古道最高標高の場所(1,018m)まで歩きました。
天候が心配でしたが、ほぼ雨が降らず無事に行うことができました。
林道最終点の『姥懷(うばふところ)』まで車で行き、そこから柏峠を目指して歩き、帰りは『首もげ地蔵』まで歩くという距離にして約12㎞のまずまずハードな内容でした。
保守活動によって設置された道標(50~80㎏の石)について、先輩会員の方々が背負って持ってきたり、ソリで運んだ等のエピソードを聞き、道を切り拓いた人達はもちろん、かなりの重さの石を持って運んだ先輩方もすごいな..という感想も持ちました。
柏峠からの眺めは素晴らしかったのですが、谷底には雪が残っていました。当時の人々は雨雪関係なく通行していたと考えると、これまた歴史ロマン全開で興味深い体験をする事ができました。
弘法様の祠について、熊によるイタズラで傷が目立っていたため新たに作り直したものを設置することになりました。
来年まで保つかどうか...熊の機嫌によるかな~と笑い合っていましたが、よく考えてみたら恐怖でしかないなと改めて思いました...
6月最終週は自然観察教室の第1回目として、秋田県を飛び出し山形県鮭川村を訪問しました。
夏らしい気温と素晴らしい天候に恵まれ、最高の自然観察日和でした。
案内ガイドの方と一緒に米太平山と米湿原トレッキングを行いました。
秋田とは違う風景を見ることができたので、貴重な経験になりました。
送迎バス内での雰囲気が修学旅行の様に賑やかで、楽しかったです笑 (帰りは全員爆睡していました)
お昼ご飯は、鮭川村地域の皆様による手作り料理を頂きました。
朴葉飯、いものこ汁、蕨のキムチ和え、漬け物...地域愛がつまった素晴らしいご馳走を提供して頂き、一同感動に包まれました。
朴葉飯は田んぼ仕事のお供で作られるとのことでしたが、今回初めて食べました。葉っぱの爽やかな香りが印象的でした。
登山、仙北道、自然観察教室にはそれぞれガイドの方々が存在していて、ガイドさん以外でも道が通れるように整備をしている人や企画・計画を担当している人、コーディネーターの方など様々な人の協力があってできている事という認識がより強くなりました。
中でも強く感じたことは、『郷土愛』の強さです。
自然環境を隅々まで調べ、四季折々での変化を楽しむ姿は、地域への愛無くしてはできない事だなと思いました。
郷土愛は現代社会に生きる私達だけのものではなく、この東成瀬村に生きてきた過去の人達からも感じることができるものだと私は思っています。
そのひとつに仙北道があり、生活などのために整備を行い、現代になってから復活を遂げました。
前回5月の記事にも書きました、記憶の大切さも改めて感じる日々でした。
来月も自然と向き合う日々が多く、今からとても楽しみです。
人生で一番自然と触れあう時間を過ごした1か月になりました。
前回5月の活動報告にてご紹介しました、猫絵の掛け軸について続報になります!
6月某日、ふる里館へ猫碑研究の第一人者である石黒伸一郎先生がご来館しました。当館で保存していた猫絵の掛け軸が目当てでは無かった様で偶然の出会いとなり急遽、写真撮影や寸法調査などが行われました。掛け軸の後ろに『鼠 除 猫』と書かれており、間違いなく鼠除けの為に作られたことが判明しました。
石黒先生曰く、秋田ではここにしか無いんじゃないかと推測しておりましたので、貴重な代物へどんどん近づく過程を目の当たりにできてものすごくうれしいです。
ふる里館と秋田県公文書館との連携展 アーカイブスのチカラ - おらだの記憶展 - が6/22をもって無事に終えることができました。4/22から開催し、本当に多くのお客様にお越し頂きました。展示物についての勉強を行い、お客様へ説明するという経験ができましたので、私自身の成長にも繋がりました。引き続き、勉強を頑張っていきます。