秋田県公文書館より、古文書班 畑中 康博先生と梅田 浩彰先生をお招きし、東成瀬中学校の生徒さんを対象に展示物(公文書館蔵)の解説が行われました。好奇心旺盛な中学生の皆さんと、それに負けない畑中先生の解説力がせめぎ合う、非常に濃厚な教育現場を垣間見ることができました。それにしても学力トップクラスというだけある意欲の高さで驚きました・・・。
東成瀬村は山間地に立地し、水田稲作のみに依存することは困難であり、地域性を生かした養蚕と葉たばこ栽培がさかんに行われ、二大副業と言われていました。江戸時代後期(1,800年代前半頃)に養蚕技術が普及すると、雄勝郡内で一番となるくらいに発展していきました。
写真の掛け軸は、蚕の天敵である「ねずみ」から守るためのおまじないの意味を込めた「ねこ」の掛け軸です。※ねずみの天敵はねこ
協力隊員の鈴木です。5月の活動報告になります。
タイトル写真は岩井川にて行われた春の例大祭に参加した際のものになります。御神輿などの奉納は残念ながら行われませんでしたが、地域の神事に参加することができ、改めて東成瀬村の一員になったんだなと感慨深い気持ちになりました。
今月のタイトルは「記憶の残し方」と題しました。今月は、私が東成瀬村に来た目的と今後の目標やビジョンを再認識する機会が多くあったため、このようなタイトルにしました。
秋田県公文書館の畑中先生より聞かれた質問で、正解がないような、多くの選択肢が生まれる質問でした。
集中力?忍耐力?想像力?環境づくり?・・・
その答えは私が理想としている考え方と同じでした。
この言葉を受けて、私が東成瀬村を選択し、この地で生活をしていこうと決めた目的について、改めて深掘りしてみることにしました。
歴史や伝統、文化財などを発見・継承するための取組【発見】
それらを保存している施設の管理運営に携わり、魅力の創出を行う【創出】
外部へ発信し他地域との交流を行い、また新たな発見をしていく【交流・活用】
上記3点を常に循環させていくこと。
協力隊員になって2か月が経過しましたが、この意識を持ち続ける難しさを早速感じています。
史料の調査、収集活動、ふる里館とまるごと自然館の管理・運営、企画展の告知・宣伝と集客活動などに当てはめて活動してきましたが、毎日勉強の日々であり、循環させていくまでの道のりは遠いなと思い始めていました。
そんな中、畑中先生からの思いがけない質問とその考えを聞けて、はっと気づきました。
この地域から見つかった土器や昔の民具・農具、古文書などの貴重な史料たちは、私達の先輩方が東成瀬村を活性化させたい!幸せにしたい!と考えた軌跡として残っている!
この村で何が起きたのか、どうして起きたのか、その起源や現在までの道のりについて考えることが面白い!
今日まで起きたことを私達が記憶していくことで、未来の人々へ歴史として伝えられる!
その中でも記憶して残していく作業(=勉強など)は最も大切な事!
その道を究めていらっしゃる人の言葉には一つも曇りが無く、すべて私の胸に突き刺さりました。
勿論、記憶していくだけでは何もできませんので、活用していく面でも考えなければいけません。
ですが、しばらくは史料を読み漁り、実際に確認する日々が続きそうです。
なぜなら、櫻田館長を始め偉大な先輩方から毎日貴重なお話を聞くことができるので、記憶を司る海馬も大喜びの状態となっているからです。
最後に、今月から本格的に古文書読解(くずし字の読み方から)の勉強も始めました。
内容とその時代背景を読み解くことで、当時の人々の考え方が伝わってくる感覚をようやく掴めそうです。
まずは物事を記憶する作業に重きをおきながら、それらの魅力を村内外に向けて少しずつ発信していきます。
東成瀬村地域おこし協力隊 鈴木慎平