10月4日。この日の朝、いじめの防止に向けたオンライン集会を開きました。
担当教員が市立図書館から借りてきたのは『わたしのせいじゃない -せきにんについて-』(レイフ・クリスチャンソン 文/にもんじ まさあき 訳/ディック・ステンベリ 絵)という絵本。いじめの状況と、その責任のなすりつけ合いが描かれています。それを「ふれあいホール」から紹介。
下のほうで顔を両手で覆っているのが被害者。
学校の休み時間に上に描かれている大勢の子から「いじめ」られていたという設定です。大勢の子は、一人一人、
● わたしのせいじゃないわ。
● どうしてそうなったのか、ぼくは知らない。
● ぼくは見ていただけだった。
● ぼくもたたいたけど、ほんのすこしだけだよ。
● はじめたのは、わたしじゃない。
● 考えることがちがうんだ。あの子のせいだよ。
● 一言もしゃべらなかった。さけべばよいかったのに。
といったことを主張する…というのが絵本の中身です。
紹介のあとでは、それぞれの学級の担任が子どもたちと絵本の内容を振り返ったり、対話を重ねたりしながら事後指導に取り組みました。
作者のクリスチャンソンはスウェーデン生まれ。この本ができた背景には、スウェーデンの学校で行われている「オリエンテーリング科」という教科の存在があります。この教科では、人間の生き方を模索しながら社会の様々な問題にも目を向け、友情、孤独、幸福といった人間関係の大切なテーマを扱うようです。
絵本のあとがきに、訳者のにもんじ まさあきさんは、次のような言葉を寄せています。
日本でも「いじめ」は深刻な社会問題となっています。事態を改善するために話し合うきっかけとして、教室で、家庭で、この本が生かされることを心から願っています。
この本はスウェーデンで15冊以上がロングセラーとなって刊行されているようです。集会の趣旨にあったいい本を借りてきてくれました。