10月6日。6年の国語科の教科書に、記事のタイトルに書いた
『鳥獣戯画』を読む
という教材が載っています。『鳥獣戯画』は国宝にもなっている絵巻物。蛙と兎が戯れる(相撲をとっている)様子を描いた漫画です。この戯画を題材にして先の作品を書いたのが、アニメーション映画監督の故・高畑 勲さんです。
『鳥獣戯画』は絵です。ふつうなら「~を見る」とするところを高畑さんは「~を読む」としています。高畑さんは読者に「読み味わい方」を解説しているのです。
この日、6年2組の授業でも、高畑さんが絵に描かれた場面を今まさに起きているように書いたり、自分なりの評価を盛り込んだり、読み手の共感を誘うような書きぶりをしたりしていることをたしかめていました。
高畑さんは作品の最後を、
描いた人はきっと、何物にもとらわれない、自由な心をもっていたにちがいない。世界を見渡しても、そのころの絵で、これほど自由闊達なものはどこにも見つかっていない。描かれてから八百五十年、祖先たちは、幾多の変転や火災のたびに救い出し、そのせいで一部が失われたり破れたりしたにせよ、この絵巻物を大切に保存し、私たちに伝えてくれた。『鳥獣戯画』は、だから、国宝であるだけでなく、人類の宝なのだ。
と締めくくっています。本当にその通りだと思います。