11月14日。教科書会社にとって、教科書が採択されるかされないかは会社の命運にかかることです。教育関係者に「袖の下」を渡した…などの不祥事が起きるのも、このような現実があるからです。もっとも、やってはいけないことに手を染める者に責任があるのは言うまでもないことですが。
さて、公正な土俵の上で採択してもらおうとすれば、必然的に教科書の「中身」を充実せねばなりません。これは使う側からすればいいことです。子どもの理解に結びつくように編集しようとする「競争」は、教科書の質を高めてくれるからです。
その一つの現れが国語教科書の漢字に関係するところ。各社とも知恵を絞っていて、今、奈良市の公立小学校で使われている国語教科書には「カンジー博士」がイラストとともに登場して、子どもの興味・関心を引きつつ、理解を促すようになっています。この日、6年2組の教室に行くと、「カンジー博士が漢字を学習する秘伝を授ける」という構成になっていました。
たびたびHPに書いているように、漢字の習得は一筋縄ではいきません。秘伝を授かっても、カンジんなの、子どもたち自身の地道な努力なのです。