9月12日。新型コロナウイルスが現れて休校になったり、一人に一台ずつ端末が配られて家からオンラインで学習に参加できるようになったりしてくると、時々、「学校って何だろう?」「学校に来る(行く)意味って何だろう?」と考えることが増えました。
この日、6年2組の教室に行くと、3,4人のグループで「分数を分数で割る計算」の仕方を考えていました。
小さなホワイトボードを囲んでの話し合い。
このように皆の知恵を出し合いながら問題の解決に取り組むことが、学校に集う意味の一つだと思います。もちろん、オンラインでも「同じような」活動はできますが、「同じ」活動にはなりません。東北大学で脳科学を研究している川島隆太教授も、
「よいコミュニケーションが取れているときはお互いの脳活動がシンクロし、揺らぎが同期するという現象が起きる。対面で顔を見ながら会話しているときは、5人の脳反応の周波数は同期していたが、オンラインではそれが一切見られなかった。」(2022.2.3 朝日新聞)と書いていました。
もちろん、オンライン授業はコロナ禍にあって、「子どもの学びを止めない」という役割を担っています。学校に足が向きにくい子どもたちが、オンライン授業によって登校できるようになってきたという話も聞きました。そう考えていくと(あくまでもわたしの考えですが)、学校というのは「子どもが様々なことを学びながら成長していく上で必要な学びや経験をする場」、オンライン授業はそれを補う場ではないでしょうか。
先ほどの「様々なこと」というのは、勉強はもちろんのこと、対人関係や善悪の判断など、人が人として生きていく上で身に付けるべき全てのことです。日本の学校で学ぶ子どもたちが、そういった「様々なこと」を学んで成長していくことを願っています。