6月15日。この日の2時間目のはじめに5年教室の前を通りかかると、机の上に札が並べて置いてありました。百人一首の札です。
競技かるた(源平合戦)は対戦する者が自陣と相手陣に50枚ずつ札を並べ、勝ち負けは「自陣の札をどちらが先に(早く)なくすことができるか」で決めます。でも、50枚×2(自陣と相手陣)=100枚の札を取り合うとなると時間がかかるので、考え出されたのが「五色百人一首」。これは100枚ある札を5色に分け(1色が20枚)、20枚を自陣と相手陣に10枚ずつ置けるようにしてあります。そうすることで、1試合あたりの所要時間が短くて済みます。5年は国語科の授業のはじめに取り組んでいるということでした。
チャイムとともに教師が札を読み始めると、下の句を読む前に取る子が結構います。暗記しているのです。
わたしも担任時代に「五色百人一首」を一年間、朝の会でやり続けた(←関連記事)ことがあります。意味は分からなくとも、言葉の響きや和歌のリズムは知らず知らずのうちに覚えていきます。先ほど「暗記している」と書きましたが、正確には「覚えてしまっている」のです。
終盤に差し掛かると、対戦も白熱してきました。
と、そこで教師から「はい、ここまで。」と声がかかりました。どうやら源平合戦ではなく、時間内にどれだけ取ったかで勝敗を決めていました。こういうローカルルールもアリです。
実は、あまり知られていませんが、毎年11月1日は法律で決められた「古典の日」となっていて、この日は国民に広く古典についての関心と理解を深めるとされています。今年、11月1日の「古典の日」には、全校朝礼でわたし(校長)が講話をすることが決まっています。何かしら古典に関わること(「古典の日」では、文学に限らず演劇や伝統芸能、音楽なども対象とされています)を取り上げてみたいと思います。