10月4日。ちょうど1ヶ月前(9月4日)、文部科学省は「学制」が150年を迎えたことを記念し、天皇皇后両陛下の御臨席の下、内閣総理大臣、衆・参両議院議長、最高裁判所長官、内閣官房長官を来賓に招いて「学制150年記念式典」を執り行いました。
天皇陛下は御祝いの言葉の中で、
近年は、ICTを積極的に活用することにより、一人一人に最も適した学びの環境を整える取組も行われていると聞いています。このように、時代や社会の変化に対応しつつ、誰一人取り残されず、誰もが自分らしさを大切にしながら学ぶことができ、一人一人の可能性が最大限に引き出される教育の実現に向けた動きが着実に進むことを期待いたします。
とおことばを述べられました。ICTというのは、「パソコン端末やインターネットなどの情報通信技術」のこと。それらを利活用した教育を「ICT教育」と呼んでいます。
さて、先月、奈良市教育委員会でICT教育を担当しておられる指導主事から、
「一度、都祁小学校で行われているICT教育の様子を見せていただきたい。」との申し入れがありました。
本校の教員は必要に応じて使っているだけなので、
「おいでいただいて見てもらえるかどうかは分かりませんが、いつでも構いませんのでどうぞ。」と返答したところ、この日(10月4日)の訪問となりました。最近のICT教育の中心になっているのは、まぎれもなく一人1台のパソコン端末(奈良市はchromebook)ですから、おいでになった指導主事もその辺りの様子を中心に見られました。
先ほど、「必要に応じて」と書きました。chromebookを含め、全ての教育機器に共通している使用基準は「必要なら使う・不必要なら使わない」ということです。必要か不必要かの分かれ目は、所期の力(この力を身に付けてやろうと思い定めておく力)が、その機器を使うことで最も効果的に得られるか否かということ。「機器ありき」「使わにゃ損(だめよ)」ではないのです。放課後にはこのようなことも交えながら、本校の情報担当教員3名とわたし(校長)も加わって座談会を行い、指導主事はその様子も見られました。
情報通信技術は、今後、ますます発展していくと思われます。「学制」が公布されてから日本の教育界が積み上げてきた「不易」の部分と、今起きている情報通信技術の進歩による「流行」とをどのように融合させ、「一人一人に適した学び」「誰一人取り残さずに、一人一人の可能性を最大限に引き出す教育」を実現させるか…それは教育現場に身を置くわたしたち一人一人が考えなかればならないことです。
【追記】
冒頭の式典に出席された奈良県の小学校長会長は、「厳かな雰囲気だった。」と話されていました。式典の様子は文科省のホームページにも載っています。