2007年10月に、長野大学に着任しました。
◆学歴・職歴
・新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了(学術博士)
・山梨県森林総合研究所 短期雇用研究員
・東京大学農学生命科学研究科21世紀COEプログラム研究拠点形成特任研究員(PD)
・長野大学環境ツーリズム学部 教授(現在に至る)
◆専門: 森林生態学
キーワード: 種子散布、種子散布者(鳥類、アカネズミ・ヒメネズミ、ツキノワグマ)、エコシステムエンジニア(ツキノワグマ、イノシシ)、生物間相互作用、森林再生、森林管理、生態系サービス
◆種子散布研究から学んだこと
森林生態学の分野に飛び込んだのは、種子散布という現象に興味をもったのがきっかけです。一度根を張ってしまうと動くことができない植物が新天地に子孫を送り出すために発明したものが”種子”です。植物は、何らかの動力(風・水・動物)を巧みに利用して種子を運ばせます。
種子とは何でしょうか。それは、親と同等の植物体を形作るのに必要な遺伝情報と、発芽に必要な少しばかりの栄養分と組織と栄養分をギュッと詰め込んだ小型カプセルです。発芽や生育に適切な環境を光や温度などの情報から察知するためのセンサー(生物時計)をも内蔵しています。まさしく種子は、植物が長い進化の過程で獲得した小さな発明品といえるでしょう。
その中でも、動物に果実を積極的に食べさせて種子を運ばせる”被食散布”は、動物と植物が共に利用し合う”相利共生関係”(Give&Takeの関係)によって成り立っています。植物のTakeは種子を運んでもらうこと、動物にとってのTakeは果肉をもらえることです。
両者が利用し合えばし合うほど、両者の関係がうまく行く。これこそ森林生態学が私に教えてくれた最初の”哲学”です。多くの社会問題を抱える人間社会は、地球上に存在する多様な生物間相互作用から”生きる知恵”を学ぶことができるのではないでしょうか。
◆趣味
トレイルランニング
出場したレース
・日本山岳耐久レース(71.5km) → アドベンチャーグリーン・メダルを獲得
・富士登山競争(距離15km、高低差3,000m)
・菅平スカイライントレイルランレース(15kmの部)
・軽井沢トレイルランニングレース(20kmの部)
駅伝
出場したレース
・白馬スノーハープクロスカントリー大会
・ともしびの里駅伝大会
登山
登った日本百名山: 35座
002羅臼岳、005大雪山、006トムラウシ山、007十勝岳、009後方羊蹄山、013岩手山、014早池峰山、016月山、018蔵王山、019飯豊連峰、021安達太良山、025筑波山、026燧ケ岳、036谷川岳、039妙高山、043四阿山、044浅間山、047金峰山、049雲取山、050大菩薩嶺、051丹沢、052富士山、054白馬岳、055穂高岳(奥穂高岳)、063槍ヶ岳、067焼岳、069美ヶ原、072八ヶ岳、073御嶽山、080北岳、081間ノ岳、087白山、092大山、095九重山、100宮之浦岳
絵画
好きな画家: シャガール、ゴッホ、ピカソ、レンブラント、斉藤清(版画家)、ロダン(彫刻家)
オーディオ
お気に入り: 自作のバックロードホーン型スピーカーボックス(スピーカーユニット:フォステックスFE103E、FE168Σ)、レコードプレーヤー(KENWOOD KP-1100 )、真空管アンプ
物理学
鳥類・野ネズミ・ツキノワグマの種子散布、および野生鳥獣による種子散布を活用した森林再生の手法を研究するほか、軽井沢をフィールドにツキノワグマが森林生態系の維持に果たす役割を探求しています。
人間が森林に手を加えることによって変化する生物多様性や生態系サービス(自然の恵み)を野外におけるモニタリング調査により把握し、森林生態系を保全しながら、生態系サービスを効果的に享受する新たな森林の活用法と、そのための管理法を探求しています。
森・川・里のさまざまな恵み(生態系サービス)を持続可能な地域社会の発展のために活かす知識と技術を学ぶための環境教育プログラムの開発・実施・評価に関する研究にも取り組んでいます。