◆ 里山再生学ゼミとは?
里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)は、2008年4月からスタートした研究室です。ゼミナールのメンバーは「環境ツーリズム学部」に所属する2年生~4年生(15名~20名)です。
2026年4月から、環境ツーリズム学部と企業情報学部が統合され、「地域経営学部」が開設されます。それに伴って、里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)は「地域経営学部(地域サステイナビリティコース・環境ツーリズム領域)」に移ります。研究テーマは変わることなく継続し、これまで以上に、新たな価値を創造しつつ、サステイナブルな(持続可能な)地域社会の実現を目指します。
研究テーマ:里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生態系サービスを地域に活かす
里山再生学ゼミ(高橋一秋ゼミ)では、生態学の視点から、里地里山を生息・生育地とする動植物の生態を解き明かし、生物多様性の保全や再生に寄与する研究を行っています。また、里地里山の生態系サービスを地域社会の持続的発展に役立てるためのアイデアを産み出し、それを具現化するための手法の開発と実践を目指します。これらの研究成果を活用して、環境教育学の視点から、環境問題の解決に役立つ環境教育プログラムやESD(持続可能な開発のための教育Education for Sustainable Development)プログラムの開発と実践にも取り組んでいます。
里山再生学ゼミでは、野生生物の生態学的な基礎調査から環境教育プログラムの開発と実践まで、幅広い研究テーマを対象としています。また、長野大学独自の資格「森・川・里の恵みクリエイターI種・II種」の取得を目指します。
<研究分野>
・動植物生態分野: 生態学をベースに里地里山の動植物の生態を明らかにし、保全策を提案します。また、保全策を実施し、里地里山の再生・保全に貢献します。
・環境教育分野: 里地里山の動植物の生態や特徴を学ぶプログラムや教材を開発・実施し、その学習成果を評価します。これによって、次世代を担う人材の育成に貢献します。
・エコツーリズム分野: 里地里山の動植物や生態系サービスを題材としたコンテンツを作成し、エコツーリズムの推進に貢献します。
・生態系サービス分野: 里地里山の生態系サービス(供給、調整、文化、生息・生育地サービス)を再生・保全しつつ、活用するアイデアを考え、実施します。これによって、地域社会の持続的発展に貢献します。
<ゼミ卒業生の主な進路>
・自然学校: やまぼうし自然学校(長野県上田市)、浅間山麓国際自然学校(群馬県嬬恋村)、トヨタ白川郷自然學校(岐阜県白川村)、那須高原自然学校(栃木県那須町)、新潟県立こども自然王国(新潟県柏崎市)、国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県滑川町)、板橋区エコポリスセンター(東京都板橋区)
・環境アセスメント会社: グリーンシグマ(新潟県新潟市)
・造園業: 富士植木(東京都千代田区)
・観光業: 星野リゾート(長野県軽井沢町)
・イベント企画会社: ORB(東京都渋谷区)
・公務員: 上田市役所(長野県上田市)、国家公務員Ⅱ種(林業)
独鈷山・だるま岩から望む塩田平(2025.4.29撮影)
(長野大学キャンパスは、写真の中央から2時の方向の、山林と平野部の境界に位置する)
●卒業論文のテーマ
・ツキノワグマの木登りと林冠ギャップ形成との関係
・塩田平の社寺林における巨樹の特徴と樹洞性動物の利用
・ガンコウランの冬季種子散布に及ぼす積雪の影響
・簡易ビオトープとその周辺の河川に生息する昆虫類・両生類の比較
・塩田平における鳥類のため池・水田・河川の利用特性
●2年生のテーマ
・浅間山高山帯におけるツキノワグマによるガンコウランの種子散布:散布先の標高とマイクロハビタット
・トウモロコシ鳥獣被害対策としての防除ネットの効果
・タブレットのカメラとGoogleレンズを用いた小学3年「理科」の生き物観察
・浅間山高山帯の土壌成分特性とツキノワグマの糞排泄による施肥効果
●卒業論文のテーマ
・ため池土手に自生するフデリンドウの繁殖生態(学長賞受賞)
・木育教室「丈夫で、津波に強い木は、重い木と軽い木のどっち?」の開発・実施・評価
・木育教室「重い木と軽い木で鍵盤を作った木琴は、どのように音が違うのか?」の開発・実施・評価
・標高の違いに対するガンコウランの表現型可塑性:浅間山高山帯の事例
・ツツジ科小低木3種をめぐる花粉媒介者の推定と評価:浅間山の事例
・塩田平ため池群における水鳥の繁殖
●2年生のテーマ
・ツキノワグマはガンコウランの種子を高標高へと運ぶのか
・木育教室「地域材の積み木で工作を楽しむ」の開発・実施・評価
・木育教室『地域材でつくろう』の開発・実施・評価
・鳥類によるため池・水田・河川の利用特性
●卒業論文のテーマ
・苗木ビオトープを活用した環境教育プログラムの開発・実施・評価~たねぷろじぇくとの事例~(学長賞受賞)
・苗木ビオトープを活用したニホンアマガエル観察会
●2年生・3年生のテーマ
・林冠ギャップ創出者としてのツキノワグマの木登り~浅間山山麓の事例~
・塩田平の社寺林における巨樹の種構成
・土壌埋土種子を活用した地域性苗木の生産~たねぷろじぇくとの事例~
・ツツジ科小低木3樹種の花に訪れるハナバチ・ハナアブ類:浅間山の事例
・鳥類・哺乳類によるガンコウランの冬季果実利用:浅間山の事例
・登山者向け「開花カレンダー」パンフレットの考案 ~浅間山の事例~
・苗木ビオトープに訪れる生き物と児童~たねぷじぇくとの事例~
・ため池の土手に自生するフデリンドウの分布と種子生産~塩吹池の事例~
●卒業論文のテーマ
・ため池の水位変動が飛来する鳥類相に及ぼす影響
・シギゾウムシ類によるブナ科堅果の食害とその後の発芽
●2年生・3年生のテーマ
・苗木ビオトープを利用するニホンアマガエルを題材とした環境教育プログラムの開発・実施・評価:たねぷじぇくとの事例
・木育教材「ドングリ」の開発と教材としての特性:たねぷじぇくとの事例
・木育教材「ドングリ」の開発と教材としての特性:たねぷじぇくとの事例
・ニホンジカによるツツジ科小低木4種の枝葉・果実利用:浅間山の事例
・標高の違いに対するガンコウランの表現型可塑性:浅間山の事例
・クロマメノキを食樹として利用する昆虫相:浅間山の事例
・ツツジ科小低木3種の花に訪れるアリ類:浅間山の事例
・ため池の土手に自生するフデリンドウの分布と種子生産:塩吹池の事例
・ため池を繁殖地として利用する鳥類と環境特性:塩田平ため池群の事例
●卒業論文のテーマ
・浅間山高山帯に生息する鳥類の特徴―ツツジ科小低木4種の種子散布者の推定―
・テンナンショウ属の開花・結実花粉媒介・種子散布-浅間山の事例-
・植栽したコナラ苗木の根元周辺をハビタットとして利用する土壌動物
●2年生のテーマ
・苗木ビオトープを活用した環境教育プログラムの開発・実施・評価~たねぷろじぇくとの事例~
・浅間山に生息するツキノワグマによるガンコウランの種子散布~散布先のマイクロハビタットの特徴~
●卒業論文のテーマ
・菌根菌と海の音がコナラ苗木の生長に与える影響
●2年生のテーマ
・ため池の水量管理が及ばす鳥類相への影響およびそれを介したため池底泥中の肥料成分蓄積への影響
・シギゾウムシ類によるブナ科3種(コナラ・ミズナラ・クリ)の堅果利用
・花の形態から受粉戦略を探る~ツツジ科小低木(コケモモ・クロマメノキ・シラタマノキ)~
・海岸防災林ジオラマを用いた防災教育プログラムの開発・実施・評価~樹木の根の形状と津波に対する耐性の関係を学ぶ~
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)では、水鳥の生息環境を整えるために、ヒメガマとヨシを植え付けた浮島を手洗池(上田市・塩田平)というため池に設置しました。
上田市は年間降水量が900mm程度の少雨地域です。そのため、上田市の塩田平には、古くから多くのため池が造成され、稲作が行われてきました。
これらのため池と水田が広がる塩田平は、環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」の一つに選定されています。
これまで高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)の学生が行ってきた調査・研究から、塩田平のため池が水鳥の生息地(例えば、繁殖地・渡りの中継地・越冬地)として重要な役割を果たしていることが分かってきました。
また、ため池の岸辺にある植生帯が水鳥の繁殖場所として利用されていることも分かってきました。
これらの調査・研究の結果は、可動式看板「舌喰池で観察される鳥類」にまとめられています。
しかし、コンクリートによる護岸工事が進められることによって、植生帯が失われているのも事実です。
そこで、ゼミ生の一人が「水鳥の生息環境を整えるため浮島を設置する提案」を考えました。
この提案は、「森・川・里の恵みクリエイター養成講座」のⅡ種資格の小論文としてまとめられました。
さらに、この提案に基づいて浮島設置の計画が立てられ、今回、Ⅰ種資格の実技試験として、実際に浮島を設置しました。
今後、「森・川・里の恵みクリエイターⅡ種・Ⅰ種資格」を取得するために、審査を受ける予定です。
◆ 2018年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・海岸防災林再生地に植栽するコナラ地域性苗木の生産に適した外生菌根菌の探求(学長奨励賞受賞)
・浅間山高山帯に分布するツツジ科小低木3種とマルハナバチ類の相利共生関係の解明
●2年生のテーマ
・木育プログラム「木工クラフト~えんぴつストラップ作り~」の開発・実施・評価~たねぷろじぇくとワークショップ~
・植栽したコナラ苗木の根元周辺をハビタットとして利用する土壌動物~たねぷろじぇくと植栽地の事例~
・なぜツキノワグマは高山帯まで登るのか?~浅間山の謎を解く!~
・ノウサギは浅間山高山帯に自生するガンコウランの有効な種子散布者と言えるか?
・浅間山高山帯に生息する鳥類の特徴~ツツジ科小低木4種の種子散布者の推定~
・浅間山高山帯に自生するツツジ科小低木3種の花の構造と受粉様式の解明~マルハナバチによる花粉媒介の謎に迫る!~
・軽井沢におけるテンナンショウ属の垂直分布の特徴と種子散布戦略
◆ 2017年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・ネイチャーゲームを利用した環境教育プログラムの開発と実践: 五感を使ったアクティビティによる学習効果と記憶の定着の分析(学長奨励賞受賞)
・シジュウカラを題材とした生態学教育のためのコンテンツ(巣箱環境・教材)作り
●2年生のテーマ
・海岸防災林再生地に植栽した苗木の生長に与える要因:防風ネットとマルチング材の効果
・海の音がコナラ苗木の生長に与える影響~「たねぷろじぇくと」がめざす苗木生産~
・ツキノワグマは高山帯に分布するガンコウランの果実をなぜ好むのか?~ツツジ科小低木(ガンコウラン・クロマメノキ・コケモモ・シラタマノキ)の栄養成分分析から謎を探る!~
・ツキノワグマは高標高への種子散布に貢献しているのか?~ツキノワグマが地球温暖化から植物を救う!~
◆ 2016年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・オオムラサキを用いた環境教育プログラムの開発・実施・評価(学長奨励賞受賞)
●2年生のテーマ
・たねぷろコナラ苗木と共生関係を結ぶ菌根菌の同定~たねぷろじぇくと苗木生産にふさわしい菌根菌を探る!~
・全国植樹祭で植栽した苗木のモニタリング~二ホンジカによる食害~
・ツキノワグマによるツツジ科・小低木の果実利用と種子散布
・「恵みの森」の巣箱を利用するシジュウカラの巣材分析
・塩田平のため池を繁殖地として利用する水鳥
・花をめぐるトラマルハナバチの選好性~主選好から副選好へのシフトはいつ起こるのか?~
・ニホンミツバチの最適採餌戦略~百花蜜生成の謎に迫る!~
◆ 2015年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・光環境が土壌埋土種子の発芽とその後の成長に与える影響 ~海岸防災林再生のための予備実験~(学長賞受賞)
●2年生のテーマ
・塩田平ため池群に生息する水鳥の種構成と環境選好性
・北山林業とその地域の魅力を知る~北山杉エコツーリズム~
・下之郷・東山におけるマツ枯れの進行状況
・下之郷・東山におけるアカマツ林の広葉樹林化
・アカマツ林に自生する野生果樹と山菜(木本)
・都市近郊の低山で活用されうる観光資源の特徴
・楽しみながら学ぶNALアクティビティ「葉っぱでつくろう」の提案と実践
◆ 2014年度 研究テーマ
●2年生のテーマ
・堆肥場におけるカブトムシの生活史の解明
・オオムラサキの生活史の解明
・ムラサキの保全と草木染め教室
・ペットボトル植木鉢を活用したコナラ苗木生産技術の開発
・浅間山に自生するガンコウラン・クロマメノキのツキノワグマによる種子散布の解明
・外来種ニセアカシアの利用形態と里山保全上の課題
・木質バイオマスの活用による社会システムの変容の分析
◆ 2013年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・魅力的なバードウォッチング・プログラムの開発と評価(学長賞受賞)
●2年生のテーマ
・どんぐりキーホルダー作りの提案~たねぷろじぇくとワークショップでの実践~
・光環境が土壌埋土種子とその後の生長に与える影響~たねぷろじぇくとの予備実験~
・カブトムシの生活史を学ぶ紙芝居教材の作成~森博士教室(児童対象)での実践~
・恵みの森に自生する薬草の種類と利用方法の実践
◆ 2012年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・国立公園の指定が周辺地域に与えるインパクトの評価
・キーストーン種がエコツーリズム推進に果たす役割~キツツキから地域づくりの道を探る~
●2年生・3年生のテーマ
・ヤマグワの葉を利用したお茶づくり
・野生果樹の食品化
・オオムラサキを守ることから始まる里山再生
・恵みの森パンフレット制作
・野生果樹の普及による地域づくり
・草木染め
・プランター家庭菜園による新・エコライフの提案
・野生果樹の食品化
・野生植物を利用したアロマオイル作り
・堆肥作りと堆肥場を利用する中型哺乳類
・野性鳥類のエコツアー開発
・林内に造成した水辺環境が哺乳類の活動に与える影響
・恵みの森フィールドミュージアム構想
・土壌シードバンクを活用した森林再生の可能性
◆ 2011年度 研究テーマ
●卒業論文のテーマ
・里山再生活動の事前学習としてのアイスブレイキング型環境教育プログラムに関する研究
●2年生・3年生のテーマ
・ヤマグワの葉を利用したお茶づくり
・アイスブレイキング型環境教育プログラムの開発
・野生果樹の食品化
・オオムラサキを守ることから始まる里山再生
・恵みの森パンフレット制作
・野生果樹の普及による地域づくり
・草木染め&ミミズコンポスト
・プランター家庭菜園による新・エコライフの提案
・野生果樹の食品化
・野生植物を利用したアロマオイル作り
・堆肥作りと堆肥場を利用する中型哺乳類
・野性鳥類のエコツアー開発
・森林の持続的管理と利用
・ニホンミツバチを呼ぶ森林整備~実践一年目の軌跡~
・林内に造成した水辺環境が哺乳類の活動に与える影響
・恵みの森が持つ 癒し効果の可能性
・恵みの森フィールドミュージアム構想
・土壌シードバンクを活用した森林再生の可能性
◆ 2010年度 研究テーマ
●2年生・3年生・4年生のテーマ
・樹皮剥ぎによる昆虫採集の手法開発
・ため池の土手をハビタットとする種多様性
・野生果樹による森林・地域の再生
・キツツキの開ける樹洞の特性
・AUN長野大学恵みの森のパンフレット制作
・ヤマグワ茶の開発
・松葉の堆肥づくり
・アイスブレイキング型環境教育プログラムの開発
・恵みの森の木材を使ったクラフト作り
・巣箱を利用したシジュウカラの繁殖の観察
・ミミズコンポストの手法開発
・AUN長野大学恵みの森の木を使ったクラフト
・アカネズミの観察会
・人工巣を利用したフクロウウォッチング
◆ 2009年度 研究テーマ
●2年生・3年生のテーマ
・クヌギとコナラの樹皮剥ぎによる昆虫誘引効果
・鳥類によるシードレイン(種子散布の分布)と森林構造の関係
・巣箱におけるシジュウカラの繁殖生態研究とその教材化
・野ネズミの繁殖スケジュールとハビタット利用性
・花の形態的特徴とポリネーターとの関係
・AUN長野大学恵みの森における生態系サービスの変遷
・上田地域のため池における植生の特徴
◆ 2008年度 研究テーマ
●2年生のテーマ
・植栽した野生果樹の成長および開花・結実と植栽環境
・鳥類を介した結実木の誘引効果
・巣箱におけるシジュウカラの繁殖生態研究とその教材化
・クヌギとコナラの樹皮剥ぎによる昆虫誘引効果
・ドングリの食品化:素材を生かしたスイーツを求めて
森・川・里の恵みクリエイター養成講座の受講生9名が日本シェアリングネイチャー協会が主催する「ネイチャーゲームリーダー養成講座」に参加しました。
上田市市民の森公園で開催されました。実際にネイチャーゲームを体験し、楽しみながら、リーダーとして必要なことを学びました。
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)では、水鳥の生息環境を整えるために、ヒメガマとヨシを植え付けた浮島を手洗池(上田市・塩田平)というため池に設置しました。
上田市は年間降水量が900mm程度の少雨地域です。そのため、上田市の塩田平には、古くから多くのため池が造成され、稲作が行われてきました。
これらのため池と水田が広がる塩田平は、環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」の一つに選定されています。
これまで高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)の学生が行ってきた調査・研究から、塩田平のため池が水鳥の生息地(例えば、繁殖地・渡りの中継地・越冬地)として重要な役割を果たしていることが分かってきました。
また、ため池の岸辺にある植生帯が水鳥の繁殖場所として利用されていることも分かってきました。
これらの調査・研究の結果は、可動式看板「舌喰池で観察される鳥類」にまとめられています。
しかし、コンクリートによる護岸工事が進められることによって、植生帯が失われているのも事実です。
そこで、ゼミ生の一人が「水鳥の生息環境を整えるため浮島を設置する提案」を考えました。
この提案は、「森・川・里の恵みクリエイター養成講座」のⅡ種資格の小論文としてまとめられました。
さらに、この提案に基づいて浮島設置の計画が立てられ、今回、Ⅰ種資格の実技試験として、実際に浮島を設置しました。
今後、「森・川・里の恵みクリエイターⅡ種・Ⅰ種資格」を取得するために、審査を受ける予定です。
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)では、この4月に2年生5名を新メンバーとして迎え入れました。
この新メンバー5名にとっては、初めてのたねぷろじぇく宮城遠征(山元町)。ベテランの4年生2名・3年生2名を合わせた9名が「たねぷろじぇく」に関する活動・調査を行いました。
「たねぷろじぇくと」は、被災地の復興のために貢献したいと考える長野県民と、被災地の里山を再生させたいと願う宮城県民の力を束ねて、被災地で採取した種子から地域性苗木を長野県と宮城県で生産し、その苗木を被災地に植栽するまでの過程を支える「被災地里山救済・地域性苗木生産ネットワーク」を構築するとともに、長野県と被災地の未来を担う世代(小学生・中学生・高校生・大学生)の協働による環境教育プログラムの開発と実践を通じて、地域性苗木の生産と植栽を行うことを目的としています。
①開花状況の確認、残存海岸防災林の調査、植栽苗木の保育管理、植樹祭会場の下見
<活動内容>
深山山麓少年の森で、コナラ・ミズナラ・クヌギ・クリの開花状況を確認しました。また、11/10(日)開催予定の第10回たねぷろじぇくと植樹祭(午前の部)の会場を下見しました。
東日本大震災の津波の被害を受けつつも、流されなかった残存海岸防災林で、広葉樹の生残や開花・結実の状況を調査しました。
たねぷろじぇくと植栽地で、これまで植栽した苗木の生残・枯死の状況を確認しました。アブラムシの駆除(オルトランの投与)と下草刈りを行いました。また、第10回たねぷろじぇくと植樹祭(午後の部)の会場を下見しました。
震災遺構・中浜小学校を見学しました。
②苗木ビオトープのモニタリング
<調査内容>
2020年7月に、坂元小学校の苗木生産施設に、水を溜めることができるトロ舟(大型2個、小型2個)を設置し、苗木と組み合わせてビオトープを創出しました。また2021年の7月には、生物が生息しやすい環境を整備するために、トロ舟(超大型2個)を増設しました。今回は、ビオトープを利用する水生生物や昆虫などを調査しました。また、ビオトープに訪れる鳥類や哺乳類を撮影するために設置した自動撮影カメラの電池・SDカードを交換しました。
③苗木のモニタリング
<調査内容>
7月に開催する「ワークショップ③芽生え観察会」「ワークショップ⑥苗木の植え替え」で、観察対象や植え替え対象となる苗木の生残・枯死の状況を確認しました。
④たねぷろ教室①(坂元小)の開催
<活動内容>
「たねぷろじぇくと」の目的や活動内容をゼミ生が坂元小学校の5年生にレクチャーしました。
ピッキオのガイドツアー「野鳥の森ネイチャーウォッチング」に学生21名が参加し、国設「野鳥の森」に暮らす動植物を利用したエコツーリズムについて学びました。また、ガイドツアーやツキノワグマの保護管理など、ピッキオが取り組んでいる業務について、解説していただきました。
軽井沢の国設「野鳥の森」を拠点にガイドツアーを展開しているピッキオは、第1回エコツーリズム大賞(一般社団法人 日本エコツーリズム協会)を受賞しています。学生達は、自然環境を活かしたエコツーリズムの最新事例を学ぶことができました。
★詳しくは ⇒ 【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ)、森・川・里の恵みクリエイター養成講座 合同企画 ピッキオ・ガイドツアー「野鳥の森 ネイチャーウォッチング」に参加しました
長野県上田地域振興局などが主催する「UE森2024~上田地域にぎやかな森づくり植樹の集い~」(青木村にて開催)に、学生32名が参加しました。
いま日本は、2025年までに木材自給率を50%以上に上げる目標を掲げ、主伐・再造林を推進しています。今後、林業を推進しながら、森林の多面的機能が発揮される森づくりを行っていく計画です。そのことを、最先端の現場で植樹活動を体験しながら学ぶことが、今回の目的です。
このイベントには、総勢200名(にぎやかな森プロジェクト実施協定締結企業の方々、地元みどりの少年団の児童、地元大学の学生、地域住民や一般公募の方々など)が参加し、カラマツの苗木4000本を植樹しました。
植樹後には、長野大学の学生を対象に森林教室を開いていただき、長野県上田地域振興局と信州上小森林組合の方々から、長野県の林業の現状と課題(主伐・再造林の意義など)、人工林の持つ多面的な機能(森林の二酸化炭素吸収機能、自然災害の防止機能など)について解説していただくとともに、学生達からの質問にもお答えいただきました。
※にぎやかな森プロジェクトとは…
森林所有者だけでは解決が難しい持続的な森林経営に向けて、市町村などの地方自治体、民間団体、企業、NPO、研究機関など様々な主体が連携して、森林整備や調査研究活動に取り組むことを目的に令和3年度にスタートしたプロジェクトです。
(事務局…上小森林認証協議会)
★詳しくは ⇒ 【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ・里山再生学ゼミ)、森・川・里の恵みクリエイター養成講座 合同企画 「UE森2024~上田地域にぎやかな森づくり植樹の集い~」に参加しました
2013年度に開始した「たねぷろじぇくと」(正式名:被災地里山救済・地域性苗木生産・植栽プロジェクト)は、12年目を迎えました。
⇒ たねぷろじぇくとWEBサイト
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)の学生14名は、今年度初の活動として、ワークショップ⑥苗木の植え替えを行いました。
プランターで2年間育てたミヤマガマズミとアオハダの苗木を、ペットボトル(2リットル)で作製した植木鉢に植え替えました。
長野大学のキャンパス内にある「恵みの森」では、2008年から「昆虫採集が楽しめる森づくり」に取り組んできました。
高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)の学生14名は、落ち葉を集めて堆肥づくりを行いました。
カブトムシの成虫は、落ち葉からできた腐葉土に産卵します。卵から孵化したカブトムシの幼虫は、その腐葉土を餌として利用し、成長します。
つまり、堆肥場はカブトムシの産卵場所となり、幼虫の棲み処となるのです。
夏には、堆肥場からカブトムシの成虫が出てきて、カブトムシの採集を楽しむことができます。
高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ)・満尾ゼミ(専門ゼミ)では、千曲川の河川敷に店舗を設ける「鯉西つけば」を見学し、千曲川に生息するウグイの伝統漁法、豊富な漁業資源、それらを活用した郷土料理について学びました。
★詳しくは ⇒ 【環境ツーリズム学部】高橋一秋ゼミ(課題探求ゼミ)・満尾ゼミ(専門ゼミ) 千曲川・鯉西つけば漁を見学しました
今年度、高橋一秋ゼミ(里山再生学ゼミ)は、2年生の新メンバー(5名)を迎え入れ、計14名で活動を開始しました。
ゼミ合宿の1日目は、北軽井沢スウィートグラスに宿泊し、新メンバーの歓迎会を行いました。炭火焼の焼肉、薪ストーブで焼いたピザ、カレーライスを作って食し、親睦を深めました。
2日目は、北軽井沢スウィートグラス、浅間山北麓ビジターセンター、ピッキオ・ビジターセンターの施設を見学し、浅間山山麓の自然の特徴や動植物の特徴について学びました。
これらの見学を通じて、自然環境を活かしたエコツーリズムの在り方、観光客にとって魅力的なエコツーリズムコンテンツ(展示やパンフレット)、環境教育のための教材の在り方について考えました。
ダウンロード ⇒ エコツーリズム可動式看板「塩田平・ため池の生き物がたり」
ダウンロード ⇒ 可動式看板「舌喰池で観察される鳥類」
ダウンロード ⇒ 立て看板「清水池の成り立ちと利用と生き物」
ダウンロード ⇒ 立て看板「手洗池の四季と暮らし」