香取 勇一 先生 (はこだて未来大学 教授)
題目:リザバー計算と脳型情報処理 ESNから物理リザバー、産業応用まで
概要:リザバー計算は、非線形ダイナミクスを計算資源として利用する時系列処理手法であり、学習の容易さと高い表現能力を兼ね備えている。本講演では、ESNを起点に、物理リザバーやセンサー処理、産業分野への応用までを取り上げ、脳型情報処理としての位置づけと全体像を紹介する。
浅井 哲也 先生 (北海道大学 教授)
題目:アナログCMOS回路でつくるリザーバコンピュータ
概要:アナログCMOS回路技術を基盤としたリザバーコンピュータの構築法と性能向上のポイントを解説します。具体的には、非線形抵抗やサイクル型ネットワーク、サンプル&ホールド回路の導入により、精度と線形記憶容量を両立する離散時間型のリザバーの構築法を説明します。400ノードのディスクリート実装リザバーおよび180nm 集積リザバーチップによる、NARMA10などの時系列予測、世界の気温やCOVID-19予測などで有効性を示します。
山本 英明 先生 (東北大学 准教授)
題目:培養ニューロンを用いた物理リザバーコンピューティング
概要:脳神経回路の数理モデルである人工ニューラルネットワーク(ANN)は現在のAI技術の中核を担っており、またスパイキングニューラルネットワーク(SNN)も、脳型計算を少ない電力でハードウェアに実装する方法として注目されている。一方、生物のニューラルネットワーク(BNN)は、化学エネルギーを用いて極めて効率的に情報処理や学習を実現している。本講演では、BNNの特徴の理解を目指した培養ニューロンやリザバーコンピューティングの応用研究について紹介する。
田中 啓文 先生 (九州工業大学 教授)
題目:マテリアルの物性を利用した物理リザバーによる触覚センサ技術
概要:ナノ材料ベースAIデバイス開発の最新成果について、ナノ材料のネットワーク構造の作製と物理リザバー演算素子化、性能評価、および知的システムへの実装技術の観点から報告する。さらに、実験結果により素子特性と演算能力を比較する。また、ロボット応用にとどまらず、同一材料プラットフォームを用いた人間活動検出などの拡張可能性についても議論する。
北野 勝則 先生 (立命館大学 教授)
題目:教師なしLiquid State Machineによる触覚情報の連続的な表現の獲得
概要:触覚情報は、物理的物体を操作するロボットに不可欠である。現実世界の知覚システムにおいて教師あり学習は非現実的であり、触覚知覚における教師なし学習の役割を理解することが極めて重要である。本研究では、触覚知覚のための教師なし学習Liquid State Machineを提案し、異なる材質からの信号を識別するメカニズムを検証した。本モデルは、触覚情報をテクスチャの滑らかさに基づいて出力ニューロン集団の時空間ダイナミクスに符号化した。この特性は、現実世界のシステムが未知の情報や環境に遭遇する際に不可欠である。