脳波・脳磁図は脳の神経活動に伴って生じる信号であり、計測される信号の中には運動・判断に関する有益な情報が詰まっています。しかし、それらに含まれる脳活動の信号は極めて小さく、様々なノイズに埋もれています。この研究では、脳活動を反映した信号を取り出したり、解読する技術の開発に取り組んでいます。
作業記憶は、情報を一時的に保持する能力であり、そのような人間の認知機能は加齢とともに低下していきます。そのため、本人が知らず知らずのうちに実生活を送ることに支障を来すケースが見受けられます。本研究では、神経科学の知見やBrain-Machine Interfaceの技術を用いて、高齢者が自分自身の認知機能の状態を把握し、それらの機能を改善するための回復支援システムを開発することを目指ています。
人間がどうやって巧みな運動を行っているか、脳の仕組みを明らかにしたいと考えています。そのためには人間がどういうメカニズムで運動を行っているかを理解する必要があり、計算理論を構築するというアプローチで研究を行っています。構築した計算理論は行動実験や筋電計測、シミュレーションなどを通して検証を行っています。人間の運動制御の計算理論が構築できれば、よりよく人間の運動のシミュレーションを行うことができると同時に、より人間らしく動作するロボットを作るための基礎となると考えています。