TOMOYA YOSHIMIZU / 吉水 智哉
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追憶
[ Brooch ]Silver私の故郷、新潟県では米作りが盛んですが、近年、日本人の「コメばなれ」や農業人口の減少により水田が次第に姿を消しています。私は高校で３年間農業を学び、農作のデジタル化や米の消費拡大に取り組みました。私の心の中に残る美しい田園風景を変わらず胸に残していきたいという思いから心の上に重なるブローチで表現しました。
３年前、故郷から東京に来る際、飲み込まれるように圧倒されたビル群が今では当たり前の光景になり、今では故郷に帰る際、何とも思っていなかった田園風景に圧倒されることがあります。気づかぬ内に変化している自分と故郷を繋ぐ作品を制作したいと思いました。
私の故郷、新潟県長岡市の稲穂です。寸法を測りスケッチをしながら実際のサイズを把握し、作品の大まかなサイズ感や雰囲気を決めていきました。
制作する上で自然が作る稲穂の一粒一粒が同じではないことを表現するため専用の打ち抜き鏨を制作し、一粒ずつに違いを出しています。
ふとした瞬間、昔の記憶がフラッシュバックのように戻ることがあります。その鍵となるのは言葉や風景、匂いや音楽などほんの些細なきっかけだったりします。私にとっての昔の記憶はほとんどが故郷にいた時のもので、川や田園風景、稲の香りが１番馴染み深いものです。そういった追憶のきっかけをそっと胸に飾れるようにしました。
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