2020年度

生徒スタッフ育成のための天文講座

小学生や地域の方々へ天文を通じた科学教育普及の活動へ向けた取り組みとして、生徒のスタッフ養成のための天文講座を、地元の天文を広める活動を行っている団体「こうのとり桑名」の方に講師をお願いし3月17日に本校にて開催しました。以前はオンラインで実施していましたが、状況を見ながら今回は本校にお越し頂きました。

今回は身近なもので制作するケプラー望遠鏡の工作教室、天体観測講座など、実際に今までに取り組まれてきた普及活動の詳しいお話などを聞かせていただきました。特に「今日も含めて、このように天文の魅力や楽しさを広めること自体が自分自身もとても面白いし勉強になる」「興味を持つのに年齢は関係ない」とのお話が印象的でした。また屋外にて、自動導入式赤道儀・天体望遠鏡を使っての星空観測、レーザーポインターを使用した生の星空や星座の解説など、普段の自分たちでの活動では得られない、大変興味深くまた今後の本校の活動の参考になる実演をしていただきました。参加生徒もとても熱心に取り組み、刺激を受けモチベーションも高まった様子でした。

中谷医工計測技術振興財団のご助成を活用させていただいて、本年度、本校でとても長きにわたり活動が途絶えていた天文分野の活動を再び始めることが出来ました。厚く御礼申し上げます。今後も現在のメンバーを中心に新入生など校内での広がりを目指し、また「こうのとり桑名」の方々のご協力のもと、校外での近隣の小学校や地域での天体観測講座へと取り組んでいきます。

桑名から持続可能な世界へ向けた提言集会

3月16日に、理数科・普通科・看護科合同の校内研究発表会を開催しました。

前半の全体会では、理数科と普通科からは本年度取り組んだ課題研究の口頭発表、看護科からは隣地実習の成果の発表を行いました。また、理数科生徒が大学と連携して研究を行った内容を英語でプレゼンする発表も行いました。新型コロナウイルス流行対策のため、全体会は2年生のみ体育館で、1年生は教室にてオンラインにて視聴を行いました。後半は課題研究のポスター発表を体育館で行い、それを中継する形で各教室にて視聴しました。

残念ながら大学や他校の先生方、保護者の方の来校は中止となりましたが、本年度様々な取り組みの中でシステムが作られてきたオンラインを利用した中継を併用する工夫を取り入れて実施することが出来ました。

本校全日制は3つの科を有しているという特徴を生かし、連携してお互いの成果を学び合う場を設けることにより、生徒も多くの気づきや学びを得て、視野を広げることができました。

理数科 課題研究発表会

理数科2年生の生徒が8つの研究室に分かれ行ってきた課題研究について、2月1日の校内研究発表会にて発表を行いました。発表会に向けて、特に1月に入ってからはどのグループも熱心に研究やプレゼンテーションの準備に取り組む姿が見られました。

本年度は新型コロナウイルス流行の影響により、残念ながら大学や他校の先生方、保護者の方の来校は中止となりましたが、どの研究室も緊張しながらも限られた時間の中でしっかりその成果を発表し、質問にも堂々と答えていました。1年生も先輩の発表を熱心に聴講していました。感想を見ると、多くの生徒がこれからの自分たちの研究活動へ想いを馳せていたようです。

全体として仮説から考察を繰り返して研究を深めるプロセスや研究内容など、年々科学的な素養が高まりその成果が発揮されてきており、各研究室ともに大きな学びと達成感を得ることが出来ました。

オンラインを利用しての天文講座

1月29日に本校にて、地元の天文を広める活動を行っている団体「こうのとり桑名」の方に講師をお願いし、天文講座を開催しました。新型コロナウイルス流行の状況の中、本来ですと直接来校いただき講演や実演をお願いしたいところでしたが、お願いしてパワーポイントを作成していただきオンラインにて実施しました。

天文学の魅力や実際に取り組みをされている小学校や地域での普及活動についてのお話、県内のさまざまな場所にて天の川を撮影することによる「光害」についての研究など、多くの大変興味深いお話を聞かせていただきました。また、昔校内にて使用していた望遠鏡の確認と整備にも以前よりご協力いただいており、その望遠鏡にて調整の方法、ポイントなどをWebカメラにて様子を映しながらご指導いただきました。

今回参加した生徒が中心スタッフとなり、今後「こうのとり桑名」の方々のご協力のもと、校内でもさらに活動を広めながら、近隣の小学校や地域での天文、天体観測講座のスタッフとして取り組んでいきます。

2年生 理数科課題研究 大学・地域連携

6月1日に休校明けから遅れてスタートした本年度の課題研究ですが、各研究室・グループが、各テーマについて実験や調査方法など創意工夫を重ね、結果からまた新たな課題などをメンバーで検討し、様々な制限もある中積極的に取り組んでいます。

そのような中、グループによって大学や地域の方々にアドバイスを頂いたりお話を聞かせていただくなどの活動を行う班も出て来ました。以下に、その一部を紹介させていただきます。

新型コロナ流行の状況の中、本校でもオンラインを活用したシステムを取り入れ始めました。例えば理数科の数学研究室では、三重大学の露峰先生とネット会議で繋ぎ、研究で生じた疑問についてオンラインのホワイトボード等も使用してご指導・アドバイスを頂いています。

2年生 理数科特別講義「医療・医学を支える解剖生理学」

11月5日(木)、2年生理数科の生徒が『医療・医学を支える解剖生理学 -高校の学習と大学の学術研究-』という演題にて、三重大学医学部 太城 康良先生より特別講義を受講しました。元々は6月に予定されていましたが、新型コロナウイルス流行の影響により順延となり、11月に入ってようやく実施することが出来ました。

「心臓、血管、血圧」という身近な題材を主に取り扱い基礎から深い知識を学ぶとともに、研究や実習を行うにあたって重要な姿勢や倫理観についても学ぶ貴重な機会となりました。また、理科や数学に加えて国語、英語、社会など現在高等学校で学んでいる学習内容がどのように大学以降の学術研究で生かされているかお話いただき、学問のつながりを理解し日々の学習のモチベーションを高める機会ともなりました。

感染対策に留意しながらグループワークで意見を交換し解答を導き出すなど、自分たちが取り組んでいる課題研究にも生かす方法なども学ぶことができ、とても充実した講義となりました。

三重県高等学校科学オリンピック

10月18日(日)に実施された三重県高等学校科学オリンピックに2年生7名が参加しました。三重県内の高校生が集まり、物理・科学・生物・地学・数学・情報の分野で、筆記と実技について学校別でチームで相談しながら競い合う団体戦です。本年度は新型コロナ流行の影響で開催が危ぶまれた時期もありましたが、感染対策に留意しながら無事開催することが出来ました。

その影響で準備期間が例年より短くなってしまいましたが、事前に学校にて各分野の実験や、総合競技の事前課題(上からの重さに耐えうる紙の筒作成)に取り組みチームワークを高め、当日は皆で協力して日頃培った科学的な思考力・判断力・表現力を発揮すべく奮闘しました。総合で8位という結果でしたが、他校の生徒と競いまた交流する中で沢山の学びや刺激を受けることが出来ました。そして皆がチームで協力して問題を解決する楽しさや重要性を学び、科学への興味関心がますます高まりとても有意義な経験となりました。

中学生対象 サイエンスワークショップ

10月18日(日)に本校の学校説明会との同時開催で、中学生対象のサイエンスワークショップを開催しました。10月11日(土)の予定が台風の影響で延期となりましたが、予備日に無事開催することが出来ました。新型コロナウイルス流行の影響で、密を避けるために午前と午後に分かれ感染対策に努めながらの開催となりました。

中学生60名を対象に、本校理数科の1年生が指導や補助を行いながら銀鏡反応の実験を行いました。高校生は初めての実験の指導でしたが、事前に予備実験を行い器具の扱い方や反応についての概要などを皆でしっかり把握しておきました。当日は慣れない手つきの中学生に、積極的に声をかけながら丁寧に指導をしていました。実験後には中学生に実験の内容などについての質問に答える姿もあり、お互いに興味関心を高め刺激を受けるとても良い機会となりました。

参加した中学生の皆さんには、銀鏡反応で出来上がった小瓶のストラップをお土産に持って帰っていただきました。

理数科 1,2年生合同実験 「科学問題にチャレンジ」

本年度は新型コロナウイルス流行の影響により7月に予定されていた理数科合宿、また秋の校外研修などが中止を余儀なくされました。その代替の校内行事として、理数科1・2年生合同の交流会を9月23日(水)に、また「科学問題にチャレンジ」を10月12日(月)に実施し、学年を超えた取り組みを行うことが出来ました

交流会ではすべて2年生が企画・司会進行を務め、1・2年生が混ざっての班別対抗で、桑名高校に関する問題や科学・数学の問題など、生徒が作成したクイズの大会を開催しました。「科学問題にチャレンジ」では、3階から落としても割れないよう卵を守る紙製のプロテクターを工夫して作成し落下速度の速さと正確性などを競う「エッグドロップ」に挑戦しました。先輩がリーダーシップをとるグループ、また1年生が率先してアイデアを出し作成したプロテクターについてのプレゼンテーションを行うグループなど、それぞれ学年を超えて協力・連携して取り組んでいました。お互いに教え合い刺激を受けながら、非常に楽しく積極的に取り組む様子が見られました。

なおエッグドロップの結果は3階からという高さもありで中々難しかったですが、14班中 1つの班がヒビのみ、もう1つの班が無事に割れずに卵を守り通すことが出来ました。割れてしまった班も多かったですがその原因を後で話し合うなど、皆で様々な学びを得ることが出来ました。


2年生 理数科課題研究中間発表会

8月31日(月)に、2年生理数科課題研究の中間発表会を開催しました。

理数科の課題研究については、本年度2年生よりグループ分けの改編が行われ、40人が物理、化学、生物、地学、数学、情報、医療保健、人文社会の8つの研究室に分かれました。新型コロナウイルス流行の影響による休校で開始が大幅に遅れ、また流行対策等による研究活動の制限などがある中、今まで取り組んで来た課題研究について内容をパワーポイントにまとめ、三重県博物館からも職員の方に来賓としてお越しいただきながら、1・2年生の前で発表を行いました。

コロナウイルス流行の影響で中々研究が思うように進められていないグループもありましたが、各研究室が協力して力の入ったプレゼンテーションとなりました。1年生からも鋭い質問も多く出て来年自分たちが行う研究についての意識や関心が大いに高まり、また2年生は発表に対する質問や来賓の方からの指摘やアドバイスによりさらに多くの学びや気づきを得ることができた様子でした。これらを生かし還元して、今後の課題研究をより深めてほしいと考えています。