2024年度(第31回)整数論サマースクール

「超越数論」


日程:2024年9月9日(月)~2024年9月13日(金)

会場:山形大学小白川キャンパス 理学部棟4階S401 ふすまホール 

実施形式:現地開催による対面形式

対象:原則として数学系の大学院に属する学生および大学・高専等の数学教員

支援:本研究集会はJSPS 科研費JP20K03528, JP22K03263, JP23K03144, JP24K06641より一部助成を受けております

世話人:立谷 洋平 (弘前大学)、金子 元(筑波大学)、西岡 斉治(山形大学)


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参加登録の締め切り日時:  2024年7月31日(水)23時59分(日本時間). 

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概要            

 J. Liouville(1844)による超越数の発見から今日に至るまで、様々な数や関数の特殊値に対する数論的性質(無理数性・超越性・代数的独立性、および無理測度をはじめとする独立性に関する測度)が明らかにされてきました。また、種々の数論的性質を導出するための研究手法は、20世紀に入り改良が進められ、新たなクラスの無理数・超越数の発見のみならず、幅広い整数論の分野において応用が見出されています。

 本サマースクールでは、はじめに整数論の分野において重要な研究対象であるリーマン・ゼータ関数や多重対数関数に焦点を当て、特殊値の無理数性線形独立性に関する結果やその証明のアイデアについて詳しく説明します。また、近年、急速に進展している正標数多重ゼータ値に関する研究については、代数的関係式存在性・非存在性を中心として解説する予定です。

 次に、超越数論における重要な二つの理論「SiegelのE関数の理論」と「Mahler関数の理論」を取り上げます。いずれの理論も関数方程式の観点から独自に発展を遂げたものであり、その応用は非常に豊富であり多岐にわたります。関連する講演は、理論の基礎的な部分から、最新の応用研究までを幅広く包括する内容になっています。また、関数値の数論的な性質を導く過程では、多くの場合、関数自身の超越性や代数的独立性が重要な鍵となりますが、この見地に立って進められている研究についても紹介します。

 最終日は、ミルズの定数に代表される素数表現定数の数論的性質に関する講演を用意しております。本結果は、非常にごく最近得られた研究成果であり、証明の鍵となるアイデアや関連する未解決問題も含めて詳しく解説します。

 本サマースクールは、初日(9/9)と二日目(9/10)に無理数性・超越性・代数的独立性に関するプレレクチャーを予定しております。また、講演においては歴史的な背景や具体的な例を織り交ぜながら中心テーマに迫る内容となっており、本分野に初めて触れる参加者の方々にも、超越数論における基本的な手法から最近の研究成果までを幅広く感じられるような構成となっております。本サマースクールが参加者の皆様にとって、有意義な議論や交流の場になれば誠に幸いです。

皆様のご参加を心よりお待ちしています。


講演者リスト (敬称略、講演順):

金子 元 (筑波大学)

関 真一朗 (青山学院大学)

立谷 洋平 (弘前大学)

三柴 善範 (東北大学)

川島 誠 (明治学院大学)

天羽 雅昭 (群馬大学)

田中 孝明 (慶應義塾大学)

田沼 優佑 (慶應義塾大学)

黒沢 健 (東京理科大学)

小川原 弘士 (城西大学)

武田 渉 (東邦大学)

齋藤 耕太 (筑波大学)

更新情報

・2024年6月21日、web pageを公開しました。