神戸大学特許技術(特願2023-44723, PCT/JP2024/010839)に基づいた 手法による微量アルファ線分析を提供します。 2026年4月から事業開始予定しており、分析装置の準備をしております。分析サービスの先行予約を開始しました。お問い合わせください。
開業初期は、分析感度10-3 alpha/cm2/hr (3σ)で実施予定です。 事業が軌道にのりましたら、分析感度10-4 alpha/cm2/hr (3σレベルを提供いたします。 サンプル面積、測定時間によって感度が異なりますのでお問い合わせください。
ガス発光を用いてアルファ線を検出します。 図1に示します通り、材料表面からアルファ線が放出すると、発光(s1)し同時に電子を電離します。 電子は電場に従って電極まで誘導し、電極に達したら発光(s2)します。 つまりアルファ線放出した事象では2回発光します。 これらの光を検出し、同時遅延計測によって、記録します。
図1. 検出原理
2回発した光の時間差は、電子の移動時間で決まります。 サンプル表面から電極までの距離は 一定なので、この時間差は一意に決まります。 図1の時間差dt分布をみても線源がある時の黒線は1500nsにピークをもち、 線源のない時の赤線は連続的に分布します。 従ってサンプル由来ではないアルファ線事象を抑制して、高感度に分析可能です。
さらに、電極には微細な孔が開いており、 最下流にカメラを搭載することで、アルファ線の飛跡を記録するイメージング手法も原理実証に成功しています(図2)。 サンプル表面全体が汚染しているのか、局所的に汚染しているのか、 このイメージ分析によって判断でき、材料品質保証を強力に裏付けします。
図2. CMOSカメラによるアルファ線飛跡観測
いくつか分析装置を立ち上げております。 特に重要視している点は、代用が効く部品で構成したシンプルな設計です。 装置外観は図1の写真をご覧ください。
以下に小型装置の仕様を示します。分析感度は、有効面積、測定時間、そしてバックグラウンド頻度で決定されます。次第に、運用する装置の有効面積はじょじょに拡大していく予定です。
ガス:四フッ化炭素(CF4), 1気圧、流量 0.5~1.0 L/min
電極:GEM
光センサー: PMT / PMT + CMOSカメラ
エネルギー:1 ~ 12 MeV、分解能 ~30%(σ) 5.3 MeV
有効面積:最大 10 cm x 10 cm
イメージ: なし / あり
検出下限 (3σ) 3x10-3 alpha/cm2/hr / 10-4 alpha/cm2/hr
@ 1-12MeV, 100 cm2, 90hr
本技術は、ガス循環型であることから、 少ないガスで連続運転が可能です。 つまり、ランニングコストを抑えて分析ができます。 エネルギー分解能は甘いですが、 信号波形から明らかにサンプル由来のアルファ線事象であることを特定できるため、 事象選別能力が良く、信頼度の高い結果が得られます。
微量アルファ線放出が確認されているサンプルを用いて、 分析事例を紹介します。
サンプルは検出器中央にセットします(図3左上)。
典型的なサンプル由来のアルファ線は、2回発光するため、図3左下のようなs1,s2パルス信号を生成します。 s1のパルスの大きさはアルファ線のエネルギーに相当します。サンプルをセットしていないデータを「Background」、 サンプルをいれているデータを「Sampleあり」として、測定時間で規格化して比較します。
エネルギー分布は、Backgroundに比べて有意な超過事象が検出されました。 ですので、「サンプルから背景事象に比べて有意なアルファ線を観測した」といえます。
このときのアルファ線放出量は、0.116±0.013 alpha/m2/hr (44.8hr測定, 有効面積25cm2, 1-12MeV) です。
図3. 分析感度 0.01 alpha/cm2/hrにおける分析例
また残差をとることで、サンプル由来の正味のエネルギー分布を見ることができます。 エネルギーは連続的に分布していることから、 表面だけでなくサンプル内部にもアルファ線放出する原子核で汚染されていることが伺えます。
時間差分布は、サンプル由来の他に空中で発したアルファ線かどうかも区別することができます。 時間差 500 ~ 1500 nsの領域は、空中で発したアルファ線であり、源はガス中の微量なラドンであると推測されます。 線源由来は、1500 ~ 2000nsの領域で、 さきほどの分布は、この事象を選択しています。 Backgroundと比べて、有意にサンプル由来のアルファ線事象の時間差領域に超過が観測されます。
このような分析手法をもとにして、微量アルファ線分析を実施いたします。
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