バイオナノマテリアルシンポジウム2026
ーアカデミアからの発信ー
第579回生存圏シンポジウム
ーアカデミアからの発信ー
第579回生存圏シンポジウム
持続的に生産可能なバイオマス資源、バイオマテリアルは、自動車産業、家電産業、化学産業を始めとする様々な分野から高い関心が集まっています。
樹木やタケの細胞、カニやエビの外殻、カイコが紡ぐ蚕糸は、人類の知恵をはるかに越えて作り出されている精緻なナノ構造とそれに由来する機能を有していますが、そのことは限られたコミュニティで知られているだけです。ナノ構造を有するバイオ素材、バイオナノマテリアルの最前線で活躍している大学や公的研究機関の研究者の活動が産業界や異なる材料分野において広く知られているとはいえません。バイオナノマテリアルに関する研究が、今、どのような方向に向かい、展開しているのか、昨年に引き続き、時代を先導する研究グループや研究者が最もホットな話題を発表する機会を作りました。是非ともご参加いただき、最近の情報を共有いただき、一緒になってバイオマス資源の先進的利用に取り組んでいただければ幸いです。
主催:京都大学生存圏研究所、京都大学バイオナノマテリアル共同研究拠点(経済産業省Jイノベ拠点)
https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/
共催:近畿経済産業局、地方独立行政法人京都市産業技術研究所、
環境省ナノセルロースプロモーション事業、セルロース学会関西支部
日時:令和8年11月25日(水)14:00-17:00
場所:京都大学生存圏研究所木質ホール3階およびオンライン配信(Zoom)
https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/access/
申込方法:下記リンクにアクセスして必要事項をご入力のうえ、送信ボタンを押してください。申込み受付済みのE-mailが送付されますのでご確認ください。その後、視聴に必要なURLとパスワードをE-mailにて会期前日までにお送りいたします。申込期限:11月20日(金)
https://forms.gle/atZv6NRyh4YjSwT49
定員:500名(会場参加50名まで。申込先着順)
参加費:無料
講演要旨:要旨集は下記URLにて公開予定です。
https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/research/
プログラム
開会あいさつと趣旨説明
京都大学 生存圏研究所・伊福 伸介
14:00 - 14:20
1.リグニン由来のバイオベースポリマー ~長寿命・分解・循環への挑戦~
京都大学・榎本 有希子 (Yukiko ENOMOTO)
石油由来樹脂に代わるバイオマス資源の活用が注目される一方で、高性能樹脂のバイオマス化やそのリサイクル、循環利用には多くの課題が残されている。本発表では、木質由来のリグニン分解物を基本骨格とする高性能化とともに、長寿命、分解、循環を目指したバイオベースポリマーの分子設計と合成に関する最近の研究成果を紹介する。
14:20 - 14:40
2.セルロースの個性を彩るイオンの力:伝熱性と加工性の同時向上
東京理科大学・上谷 幸治郎先生 (Kojiro UETANI)
バイオマス初・発の伝熱部材の形成に向けて、セルロースナノフィブリル(CNF)フィルムの高伝熱化や加工の高精度化が重要となる。本発表では、TEMPO酸化CNFフィルムにおける伝熱性とレーザー加工性を金属イオン添加により制御する試みについて紹介する。
14:40 - 15:00
3.アバカから生まれるセルロースナノファイバー(CNF)フィルムとその非破壊品質検査技術の開発
名古屋大学・馬 特 (Te MA)
本発表では、天然繊維資源であるアバカを原料としたセルロースナノファイバー(CNF)フィルムの製造に関する、フィリピン科学技術省(Department of Science and Technology:DOST)生物システム工学研究室との共同研究成果を紹介する。まず、作製したCNFフィルムの微細構造、機械的特性および光学特性について解説する。さらに、近赤外ハイパースペクトラルイメージング(NIR-HSI)と機械学習を組み合わせた非破壊品質評価技術を紹介し、含水率、欠陥などを評価する手法について説明する。
15:00 - 15:20
4.生体分子の多様性に着想した次世代イオン液体の創出
信州大学・村井 一喜(Kazuki MURAI)
既存のイオン液体は、限られた種類の合成分子をイオン種として設計・開発されてきた。本講演では、生体分子のみをイオン種とする新たなイオン液体に着目し、従来の分子設計指針に捉われない広大な分子設計空間とその可能性について紹介する。
休憩
15:35 - 15:55
5.水・有機溶媒系反応場を活用したセルロース系素材の高付加価値化戦略
産業技術総合研究所・石丸 裕也 (Hiroya ISHIMARU)
木質バイオマスや使用済み繊維の高付加価値化は、資源の有効活用と循環利用の観点から重要な課題である。本発表では、水・有機溶媒系反応場の溶解・抽出機能と化学反応性に注目し、①リグノナノセルロース(LCNF)の高効率製造、②リグニンのベンジル位置換反応に基づくリグノセルロースの機能材料化、③コットンの脱染料による繊維リサイクル、について述べる。
15:55- 16:15
6.酵素を用いたPETリサイクル技術の展望
京都大学・田所 大輔(Daisuke TADOKORO)
好熱菌由来のPET加水分解酵素の発見を皮切りに、リサイクルの実用化に向けた酵素の探査および改変・開発が急速に進展しています。本講演では、数あるPET分解酵素の中から代表的なものをピックアップし、それぞれの機能や性質を解説します。あわせて、実用化の加速に貢献する基礎研究の今後の展望について論じます。
16:15 - 16:35
7.ナノセルロースから創る接着材とセンシング応用
大阪大学・黄 茵彤(Yintong HUANG)
ナノセルロースの構造と界面特性を活かし、異なる表面に適応する接着材料を開発している。本発表では、ナノセルロースのみで構成された皮膚接着性シートと、ナノセルロースを骨格としたコンクリート接着性ゲル、ならびにこれらを用いたセンシング応用について紹介する。
16:35 - 16:55
8.オール多糖コンポジットの構築と応用展開
鹿児島大学・戸谷 匡康 (Masayasu TOTANI)
自然界に豊富に存在する天然多糖は、バイオマスとしての有効利用が期待されている。本研究では、多糖由来の低結晶性ナノ粒子と高結晶性ナノファイバーの複合化によるナノコンポジットの構築と、材料界面の制御による機能発現について検討した。
閉会のあいさつ
大阪大学・能木 雅也
後援:紙パルプ技術協会、日本製紙連合会、セルロース学会、一般社団法人繊維学会、公益社団法人日本化学会、公益社団法人日本材料学会関西支部、公益社団法人日本材料学会木質材料部門委員会、一般社団法人日本接着学会、一般社団法人日本木材学会、一般社団法人プラスチック成形加工学会、京都大学産官学連携本部、一般社団法人西日本プラスチック製品工業協会、SPE日本支部、関西イノベーションイニシアティブ(代表幹事機関公益財団法人都市活力研究所)、一般社団法人京都知恵産業創造の森、四国CNFプラットフォーム、ふじのくにセルロース循環経済フォーラム、薩摩川内市竹バイオマス産業都市協議会、晴れの国CNF連絡会、みやぎCNFプロジェクトチーム (順不同、予定)