1 学校課題
祝地区は、自然豊かで葡萄栽培、ワイン造りを中心とした地域である。学校と地域との結びつきが強く、学校教育に地域の方は理解を示し、とても協力的である。温かく優しい地域の方に見守られながら、児童は明るく元気に生活している。
昨年度の本校の全国学力学習状況調査では、「主題や構成、詳細な内容を読み取ること」「自分の解き方や考えが相手に伝わるように話したり書いたりすること」「文章を的確に押さえ、書いたり伝えたりすること」が、課題として挙げられている。また、学力検査結果から課題を把握し、課題解決のために取り組みを行ったが、「人の話をしっかり聞くこと」「話し合い、互いに考えを深めていくこと」「文章を正確に読み取り立式すること」「与えられた情報の中から必要な情報を読みとること」「式の意味を理解すること」が、課題として挙げられている。
GIGAスクール構想によりICT端末が一人一台配付され、今年度で5年目を迎える。昨年度までに授業の中や家庭で活用し、利活用が日常化してきた。様々な場面で利用することができているが、どのような場面で活用するか等の有効な活用方法について検討していく必要がある。児童は、ICT端末を学習基盤として毎日活用することができているが、ドリルの取り組み方やタイピング速度に個人差が見られるようになった。
2 研究主題
3 主題設定の理由
現行の学習指導要領では、変化の激しい社会において自ら課題を見つけて、考え、判断して行動できる力(知)、思いやりや感動する心など豊かな人間性(徳)、たくましく生きるための健康や体力(体)を身に付けることが挙げられている。そのため、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、児童の主体的・対話的で 深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと、デジタルとリアルな体験を組み合わせて、子供たちが、自ら選択し・決定し、行動することを大切にした「子ども主体の学び」つくりに取り組むことが求められている。
中央教育審議会諮問においては、主体的に学びに向かうことができてない子供が増加しているという現状があり、多様性を包摂し、可能性を開花させる教育の実現が喫緊の課題であると明記されている。習得した知識を現実の事象と関連付けて理解したり、概念としての知識の習得や深い意味理解をしたりするために、自律的に学び続け、夢をかなえる学びへとつなげる必要がある。
本校では、ICT端末を学習基盤として、子供の可能性を広げる「個別最適な学び」や「協働的な学び」が実現できるよう積極的に活用し、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業づくり・授業改善を進めてきた。様々な教科や場面で、子どもたちの学びを深めるための手段としてICT端末を活用し、実践での活用方法を研究することができた。特に、話し合い活動や考えの共有の場面でのICT活用の授業実践を通して、協働的な学びにおけるICT端末の効果的な活用方法について、共有することができた。一方で個々に合わせた教材や課題設定の方法、また情報収集における必要な情報選択の仕方については、研究が必要であった。
そこで、今年度は、昨年度までの研究を継承しながら、問題解決的な学習の探究のプロセスの質の向上を目指す中で、教師も児童も考える技法を働かせ、主題に迫る。ICT端末の日常的な活用を推進し、常に教科の特質に合わせた活用場面、方法について追求していく。甲州市の「夢をかなえる学び」やティーチャーズノートには、子ども主体の「学び続ける力」を育てる重要性が述べられている。それらを柱としながら学び続ける力を育成していきたい。そのために学びを支援する手立てとして、子どもたちがわくわくする学習課題の設定ができるよう、資料の提示の仕方を工夫する。つまり、追究しがいのある情報を提供し、児童は情報収集する中で「どのように?」「えっどうして?」となるような動機づけを行っていく。子ども自ら課題設定を行い、探究的な学びを通して、没入していく。また、授業の中で、「児童が学びやすい環境づくり」にも取り組み、児童が自分で選択・決定する場面を増やし、各教科等で身に付けさせたい資質・能力につなげていく。さらに、思考スキルや思考ツールの学習方略も活用していく。教師に求められるのは、子どもが没入し、学び続け、深い学びへと誘う単元構成である。そのために一斉授業と個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実をどのように織り交ぜていくのか祝小スケールを活用しながら単元設計していく。学び続けることが持続していくためには、概念理解等、深い学びへとつなげていくことが必要である。最も重要なのが単元を通して「見方・考え方」を意識し、働かせ、身に付けさせることである。協働的な学びは個別最適な学びを支え、議論を通して深い学びへ誘う。クラウド環境を前向きに活かし「今の学び状況をリアルタイムに」教師も子どもたちも進捗を共有することにより、対話・議論などの協働的な学びも加速する。このように「主体的・対話的で深い学び」の授業改善をすることにより、子ども主体の「自ら学び続ける祝っ子」へとつなげていきたいと考え、本主題を設定した。