慶應 × ライフサイエンス
第1回慶應ライフサイエンスシンポジウム
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
システムデザイン工学は、様々なシステムを対象として工学の概念や技術を駆使することによって新たな価値を創造することを目指している。対象とするシステムには機械・電気・建築などの人工システムのみならず、我々の体のような生命システムも含まれる。生命システムは、1つ 1 つ の細胞をシステムの構成要素(部品)として捉えることができ、これらの要素が多数集まることによって細胞集団(組織や臓器)を形成している。我々は、このような生命システムにおいて多細胞 が集団としての新たな振る舞いや機能を獲得する点に着目して研究を進めてきた。特に、多細胞か らなる生命システムを生体外で構築する手法の開発や機能解析は組織工学ともよばれている。本講演では、我々が取り組んでいる 3 次元組織工学の研究について紹介する。具体的には、微細加工技術によって作製したマイクロ流体デバイスと呼ばれる培養装置を用いて細胞周囲の力学的・化学的 環境因子を調節し、肝臓・血管・がん・脳組織などの細胞から、肝組織・毛細血管網・がん浸潤モ デル・神経血管組織などの多細胞システムを構築することで 3 次元組織の構築手法、機能発現、制御因子などの解明に取り組んでいる。これらの研究を通して将来の再生医療や創薬研究へ貢献することが目標である。