慶應 × ライフサイエンス
第1回慶應ライフサイエンスシンポジウム
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
研究というものは新しいテーマを常に追い続けて、流行に乗れば良いというわけではないと思い ます。むしろ、流行など気にせずに、「何を研究するべきか」ということを、正確に考えられるよ うになれば、研究の半分以上は終わったものくらいな印象を持っています。我々は、生命情報科学と分子生物学を併用する形で、10 年前は、「十分にわかっている」と考えられていた tRNA 遺伝子の研究に参入し、様々な新規の tRNA 遺伝子形態を見つけることができました。今回の発表では、大腸菌の熱ショック応答や超好熱性アーキアの熱ショック応答から見えてきた、新しいRNA 制御系の具体例に関してお話してみたいと思います。特に、前者の大腸菌の熱ショック応答制御系はこれまでに良く研究されてきた分野であり、何をいまさらと言われるかもしれません。一方で、非常 に、確立した系であることから、現在の生命科学における主要な手法である、RNA-seq 解析やプ ロテオーム解析など網羅的な解析に耐え、真実の断片を提示してくれるものと信じています。