慶應 × ライフサイエンス
第1回慶應ライフサイエンスシンポジウム
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
2017年8月28日(月)日吉キャンパス 協生館 藤原洋記念ホール
Poly(ethylene terephthalate) (以下 PET) は、透明性、加工性や強度などに優れており、ボト ルや繊維などの様々な用途で大量生産、大量消費されている。しかし、PET はその高い安定性から、環境への蓄積が大きな問題となっている。そこで、京都工芸繊維大学の小田名誉教授のグループは、使用済み PET のバイオリサイクルを目的として PET 分解菌のスクリーニングを実施した。 そして、PET を単一炭素限として生育可能な微生物 Ideonella sakaiensis の単離に成功した。本菌は PET を本来の基質とする分解酵素を持つと推測された。そこで、我々のグループでは、次世 代シークエンサーを用いたゲノム解析とトランスクリプトーム解析を行い、PET 分解酵素の同定を試みた。そして、PET 分解に関与する 2 種類の新奇酵素(PETase と MEHETase)を発見した(Science, 351 , 1196 (2016))。本講演では、PET 分解菌および PET 分解酵素の特徴などについて紹介する。