2026年度IPPOメンバーの伊藤さん(情報システム学科1年生)
【造血のエンタメ化】プロジェクト
1 プロジェクトの概要
熊本で年間2500人分の血液が不足する中、来場者の約10%が鉄分不足等の「準備不足」で不合格となる課題に着目。献血制限期間を、楽しく体を整える「食事管理×キャラ育成ゲーム」に変えるアプリです。スマホで食事を記録すると、AIが造血に必要な栄養素を判定してキャラが成長。現場での不合格者を減らして効率的な血液確保を支援します。また、献血情報も提供します。ソフトウェアの力で献血を身近にし、献血の少ない若者を中心に誰もが誇りを持って社会貢献できる未来を実現します。
2 プロジェクトについて
プロジェクト名は?
【造血のエンタメ化】で若者の献血を促進する~食事管理×キャラ育成ゲームで空白時間を準備期間へ~です。
Q.これまでの活動を教えて下さい。
A.献血は、行こうと思った人が必ずできるものではありません。当日の血液検査で鉄分が足りず、受付まで進んだのに帰ることになる方がいます。私は、この「気持ちはあるのに体の準備が間に合わなかった」時間こそ、技術で変えられる場所だと考えて活動を始めました。
まずは現場を知ることから始めました。今年の7月に熊本県赤十字血液センターの下通り献血ルームを訪ね、血液事業の現状をうかがいました。全血献血は目標量を確保できている一方で成分献血が不足していること、12月は特に必要量が多いこと、献血者の年齢構成は50代・60代を合わせて47.4%と約半分を占めていること、そして一度献血をして終わってしまう方が約6割いること。数字で聞くと、若い世代が「もう一度行く」流れをつくることの重さがよく分かりました。
同じ時期に、開発の進め方についても学校の関係者の方々などにヒアリングを行いました。
スマートフォンのWebアプリとして開発する方針と、生成AIを開発の相棒として使う進め方を教えていただいたり、「栄養素を決まった量とらせる管理アプリではなく、食そのものに関心が向くアプリにするべきだ」という助言をいただくことができました。
現在は、これらを踏まえた試作版を制作し、実際に動く状態まで作っています。キャラクターが暮らす「まち」を歩いて栄養を集め、食べたものを記録すると、とった栄養素に応じてキャラクターの姿が大げさに変化します。記録と献血当日の検査結果を並べて見くらべる画面もあり、8月に行われたブースト会議以降は、エンタメという点を重視するというメンタリングでいただいた意見をもとに画面を作り直しながら開発を続けています。
Q.IPPOへの応募理由を教えて下さい。
A.私は情報システム学科の1年生で、応募したきっかけは先生からIPPOのお話を聞いたからです。現在、開発はひとりで進めています。作りたいものははっきりしているのに、「この作り方で合っているのか」「この機能は本当に人の役に立つのか」を確かめる相手が身近にいませんでした。調べることはできても、自分の判断が正しいかどうかが分からないまま進めることに不安がありました。また、このアプリは、私が面白いと思うだけでは意味がありません。献血の現場で本当に必要とされ、若い人が続けたくなるものでなければ、課題は解決しません。
その為、IPPOにはたくさんの専門の方々がいて私にとって未知な世界だからこと感謝しきれない環境です。
Q.IPPOで実現したいこと、成し遂げたいことは何ですか?
A.実現したいのは、献血と献血の間にある数か月の「空白の時間」を、次に向けたワクワクする準備期間に変えることです。献血は一度の行動で終わりがちですが、その間に食事を整える楽しみがあれば、次に行く理由が生まれます。
そのために、1月末の最終報告会までに次の3つを形にしたいと思っています。1つ目は、食事を記録するだけで造血に必要な栄養素が分かる、健康管理ができる仕組みです。2つ目は、とった栄養素でキャラクターが育ち、変化していく育成(ゲーム)要素です。3つ目は、自分の食事の記録と献血当日の検査結果を並べて見られる画面です。自分の選んだ食事が体に表れることが分かれば、食への関心そのものが変わっていくと考えています。
さらに、若い世代だけでなく、健康診断の結果が気になる世代の方にも使っていただけるよう、「健康管理モード」の用意も検討中です。世代によって必要な見せ方は違っても、「食べたものが血をつくる」という中身は同じだからです。
最終的に目指すのは、1番は献血に行った若者が、断られて落ち込むのではなく、自信を持って腕を出せる状態をつくることです。そして幅広く使ってもらい誰もが誇りを持って社会に貢献できる、その入口をアプリでつくりたいと考えています。
過去年度の取り組み