このシティズンシップの授業は、一橋高等学校で公民科(社会科)のオリジナルの授業としてスタートしました。教科書を使わないのが特徴で、これまでさまざまな学校外の方と協力して、ワークショップなどアクティブ・ラーニングの授業に取り組んできました。たとえば、大学生(法政大学)やミュージシャンの方、在日外国人の方と一緒に授業をつくってきました。
今年は、初めて「カタリバ」のみなさんと協力して授業づくりを試みました。授業に向けて何度もミーティングを重ね、コロナ禍という状況のなかでチャレンジしたのがこの授業です。
「カタリバ」のみなさんとの授業はとてもわくわくする内容でした。正解を求めるという授業でなく、なるべく高校生の日常の学校生活や社会生活を通して、ふと感じたこと、疑問に思ったこと、なんとかしたいと思ったことなど高校生一人ひとりの思いを大切にし、出発点としました。
このために、授業の見学をオープンにしました。これまで都立高校の授業に協力していただいた地域の方、さまざまな専門家の方々にお声をかけ、見学していただきました。
しかしただ見学していただくのではなく、授業の終了後に、ミーティングを開き、授業の反省会を毎回開きました。見学者の方から意見や提案もいただき、そして授業づくりに参加していただくことになりました。高校生一人ひとりと対話をしていただき、アドバイスをいただくことがこの授業に柱にもなりました。カタリバの外国にルーツのあるスタッフの方々には、毎回、ていねいに生徒と対話をしていただき、通訳も兼ねていただきました。
定時制高校に通う高校生たちの背景も多様です。仕事をしている高校生もいます。中学校などこれまでの学校生活でさまざまな困難に直面した高校生もいます。
こうして作品ができあがりました。ただし作品を完成させることが目的ではありません。正しい答えがない、しかも自分自身しか見えない、未知の地平へと歩んでいく学びの一歩にすぎません。「主体的で深い学び」、あるいはクリティカルな思考の世界に少しだけすすむことができたのかもしれません。
いま、世界の教育は、多様性、多文化共生、SDGs、人権、格差などさまざまなテーマと課題に直面しています。
授業にご協力いただいた「カタリバ」のみなさん、地域、専門家のみなさん、ありがとうございました。こうした市民参加型の授業が高校に広がることを願っています。
そして、なによりこの授業に参加した高校生のみなさんに感謝します。
2020年12月
角田 仁
授業を通して意見や考えをたくさん求められて、大変だったと思います。意見を出すのって意外と難しいことです。社会では周りの判断に身をゆだねて過ぎていくことも多いです。しかし時には自分で判断し意見をしたり、行動を起こす必要があります。その時にはこの授業を思い出すことがあるかもしれません。授業お疲れさまでした(^^)
みなさん、ここまで走りきりおめでとう!!私達は最初からめっちゃ話しかけて何やねん!と思ったこともあるかと思います。しかし、それはみんなの事を知りたい!一緒に楽しいワクワクとした授業にしたい気持ちからです。なのでゆるしてくださいませ。私は一人一人と沢山話し、みんな自分の考えをしっかり持っている生徒だなぁと強く思いました。それを発信するのは難しいし、怖いことかも知れません。私も自分を発信や行動にするのは嫌いです笑、でもそこで会う人々や経験はとても価値のある物です。周りが変わらいのなら、自分から変化していく。それをみなさんはできていたと思います。また会いましょう!
伝えるということは、自分が何かに困っているときに、誰かが解決の道を教えてくれることにつながる。今回のシティズンシップの授業自分の考えを自分の言葉で「伝える力」をゲットしたみなさん、向かうところ敵なしです。
きっとみんなが思っている以上に、みんなが今まで持ってきた視点はユニークで、価値があるものです。今後も、日常的に周りに考えを伝えて、周りからも刺激を受けて視点を磨く姿勢を持つことで、不安定な時代の中でも、自分らしく幸せに生きれるはず。応援しています!!