会長挨拶

日本医療マネジメント学会宮崎県支部学術集会は今回第13回目です。平成19年(2007年)に第1回が開催され、潤和会記念病院が担当させていただくのは第5回(2011年)を当時の病院長である呉屋朝和先生が担当されてから今回2度目となります。

今回の主テーマは“医療における働き方改革”です。昨年(2019年)4月より働き方改革関連法案が施行されました。われわれ昭和生まれの世代は、ある意味では時間外労働という言葉さえ知らず、一生懸命働くことが美徳と教育され、日本人は働き過ぎだと外国から揶揄されながらも一時期は世界第二位の国内総生産を誇っていました。しかし時代は変わり医療業界においても働き方改革は避けて通れない問題です。とくに時間外労働の上限は月45時間、かつ、年360時間が原則で、これを越えると罰則規定も適応されることになりました。病院が機能するために患者さんにより直接的に関与している医師、看護師以外にも看護助手、薬剤師、セラピスト、放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士、調理師、ケースワーカー、医事職員など多くの職種が関わり合いながら運営が成り立っています。入院患者さんにおいては疾病が良くなるまでの一時的であるとはいえ生活の場である病院において、提供される医療の質を低下させないように、かつ職員の時間外労働を減らすように今までもそれぞれの施設で努力されていることと思いますが、より一層の工夫をしながら法令遵守をしなければなりません。この難題について特定社会保険労務士でいらっしゃる福島通子先生をお招きして“安全・安心な医療と「働き方改革」の両立を目指して”と題する特別講演をいただき、またランチョンセミナーにおいても株式会社デンサンと株式会社カクイックスのご協賛で働き方改革に関連する演題を講演いただくことになりました。会員の皆様におかれましてはいかに対処すべきかの今後の参考にしていただけたらと考えています。

また一般演題40題、ポスター9題の発表がありいずれも日常業務の中で生じた問題をどのようにとらえどのように改善・解決していくか詳細に検討を加えた力作です。発表それ自体も大事なことですが、活発な議論はさらにその発表の意義を深めると考えています。

実務担当者一丸となり準備を進め、会場も病院隣のリハビリテーション学院で行う手作り感のある学術集会です。ぜひとも多くの会員の皆様に参加いただきそれぞれの職域での今後の働き方の改革につながることを祈念しています。

日本医療マネジメント学会 第13回宮崎県支部学術集会

会長 岩村 威志

(一般財団法人潤和リハビリテーション振興財団 潤和会記念病院 病院長)