第6回日本知的障がい者バドミントン選手権大会 大会レポート
2024年6月29日(土)・30日(日)
清水総合運動場体育館
第6回日本知的障がい者バドミントン選手権大会が2024年6月29日、30日に行われました。
第2回大会から連続となる静岡市で開催され、今大会は昨年度の約2倍となる40名の選手が参加しました。
静岡県の選手や、初出場の選手も多く参加しました。
2日間に渡り、白熱した戦いが繰り広げられました。
シングルスの試合が行われました。
男子は20人の選手が出場し、グループに分かれ予選を行いました。それぞれのグループの1位の選手が予選リーグを勝ち上がり、4名の選手による決勝トーナメントが行われました。
グループAは、第1シード、大会4連覇中の中野林太郎選手(長野県)が貫禄をみせ、全ての試合をストレート勝ち。決勝トーナメントに進みました。
グループBは、初出場の近藤翼選手(岡山県)が決勝トーナメントへ進みました。近藤選手は昨年度準優勝の髙橋元太選手(埼玉県)に対しても9-21, 11-21と健闘。
グループCは、第3シードの田中和弥選手(東京都)が、佐藤健太選手(茨城県)と対決。田中選手と佐藤選手は昨年度の大会でも予選で対決し、11-21, 21-19, 21-19で田中選手が勝利しましたが、今年度も21-18, 22-20で田中選手が勝利し、1位通過。
グループDは、小野絋汰選手(熊本県) 対 西野朝陽選手(大阪府)の試合が行われ、18-21, 21-13, 21-14 で勝利した小野選手が決勝トーナメントへと駒を進めました。
準決勝のカードは、中野選手 対 小野選手、田中選手 対 近藤選手となりました。中野選手が21-17, 21-13で、田中選手が21-10, 21-17でそれぞれ勝利し、決勝戦の組み合わせは中野選手 対 田中選手となりました。
中野選手 対 田中選手は、過去の日本知的障がい者バドミントン選手権大会(ID大会)では中野選手が4勝0敗。
決勝戦で2人が戦うのは、21-19, 21-19で田中選手が優勝した2022年の第8回 DAIHATSU日本障がい者バドミトン選手権大会以来。
結果は中野選手が21-13, 21-19で勝利。大会5連覇を果たしました。
女子は今年度10名の選手が参加。3グループに分かれ予選が行われました。それぞれのグループの上位2名の選手が決勝トーナメントへと進出しました。
グループAは、第1シードで大会2連覇中の千葉すず選手(岩手県)がストレートで全試合に勝利し、1位通過。浅見恋歌選手(千葉県)が松原さや香選手(愛知県)に勝利し2位通過となりました。
グループBは、第2シードの花澤杏奈選手(千葉県)に対し、内田典子選手(愛知県)が12-21, 14-21で勝利し、内田選手が1位通過、花澤選手が2位通過となりました。
グループCは、平野亜季選手(茨城県)が他の3選手に対しストレート勝利し、1位で予選を通過しました。また、大塚麻里菜選手(東京都)が2位通過となりました。
決勝トーナメントでは、千葉選手、内田選手がそれぞれByeで、花澤選手が大塚選手に21-16, 21-17で勝利、平野選手が浅見選手に21-7, 21-9で勝利し、4選手が準決勝の舞台へと進みました。
準決勝では、内田選手 対 平野選手、千葉選手 対 花澤選手という組み合わせになりました。
内田選手は平野選手に対し21-13, 21-19で勝利し、決勝戦へと駒を進めました。
千葉選手 対 花澤選手の試合は1ゲーム目を千葉選手が21-16でとり、2ゲーム目終盤は互いにサーブで点が入る状況が続きましたが、最後は千葉選手が26-24で2ゲーム目も取り、千葉選手が決勝戦へと駒を進めました。
内田選手 対 千葉選手の試合は、21-3, 21-19で内田選手が勝利し、ID大会初出場の内田選手が優勝をおさめました。
ダブルスの試合が行われました。
昨年度は男女混合での予選が行われましたが、今大会は男女ともに成立しました。
男子ダブルスは11組のペアがエントリーし、3グループによる予選リーグが行われました。
グループAの第1シードは、大会3連覇中の中野林太郎選手(長野県)・田中和弥選手(東京都)のペア。決勝戦で熱戦を繰り広げた2人がダブルスではペアとなります。2人は予選を勝ち上がり決勝トーナメントへと進みました。岸本和己選手・田中遥喜選手(千葉県) 対 佐野孝幸選手・神野喜大選手(静岡県)の試合は、岸本・田中ペアが21-9, 21-11で勝利し、初出場の2人が2位通過で決勝トーナメントへと進みました。
グループBは、2024年1月に開催された第9回DAIHATSU日本障がい者バドミントン選手権大会(第9回日本選手権)で準優勝の武藤知真選手(三重県)・西野朝陽選手(大阪府)のペアが1位通過。2位通過は、望月玲勇選手・遠藤聖也選手(静岡県)のペアとの試合で、21-16, 14-21, 11-21の接戦を制した前田泰成選手・前田隆成選手(千葉県)のペアとなりました。
グループCは、佐藤健太選手(茨城県)・小野絋汰選手(熊本県)のペアが1位通過、今大会初出場の小田煌大選手(三重県)と昨年度シングルス準優勝の髙橋元太選手(埼玉県)のペアが2位通過となりました。
勝ち上がった6ペアによる決勝トーナメント。準決勝は準々決勝を勝ち上がった中野・田中ペア 対 小田・髙橋ペア、佐藤・小野ペア 対 武藤・西野ペアという組み合わせになりました。
中野・田中ペア 対 小田・髙橋ペアの試合は21-13, 21-13で中野・田中ペアが勝利し、今年度も決勝戦へと駒を進めました。
佐藤・小野ペア 対 武藤・西野ペアの試合は、21-17, 13-21, 18-21で武藤・西野ペアが勝利し、決勝戦は中野・田中ペア 対 武藤・西野ペアという戦いとなりました。
第9回日本選手権の決勝戦と同じカードとなった決勝戦。先に1ゲームを取ったのは、武藤・西野ペア。2ゲーム目21-12で中野・田中ペアが取り返し、迎えた3ゲーム目。21-12で中野・田中ペアが取り、大会4連覇を果たしました。
女子は5ペアによる総当たり戦となりました。
フルセットとなる試合もありましたが、千葉すず選手(岩手県)・花澤杏奈選手(千葉県)のペアが全ての試合にストレート勝利し、第9回日本選手権に引き続き優勝をおさめました。
2位は1位の千葉・花澤ペアと21-18, 22-20という接戦を繰り広げた内田典子選手(愛知県)・大村悠佳選手(大阪府)のペア。
3位は、平野亜季選手(茨城県)・浅見恋歌選手(千葉県)のペアとの22-20, 15-21, 20-22というフルセットにも及ぶ試合を制した下浦優希選手(福岡県)・大塚麻里菜選手(東京都)のペアとなりました。
優勝 中野林太郎(長野県)
今回の大会は、今年の1月にあった東京の町田での大会(第9回日本選手権)で田中くんと準決勝であたったんですけど、今回再び決勝で再戦できたので楽しかったです。いつも全国大会で戦っているライバルと、いつものごとく楽しい戦いができました。
準優勝 田中和弥(東京都)
2年ぶりに中野さんと決勝に出させてもらって、まず、ここまで最近自分が決勝に行けなくて、僕と中野さんの決勝を楽しみにされている方には私がなかなか結果を出せなくて申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、今日は決勝に行って、久々にこの舞台でやらせてもらいましたが、ちょっと前に実業団のリーグ戦でシングルスでなかなか思うように結果が出なくで、それが終わった時に、自分でこのまま本番を迎えていいのかと思ったんですけど、父もできればダブルスはさせない、したくないということを言った瞬間に、僕の中でスイッチが入って、この大会の3週間前からずっと、ダブルスの練習は一切しないで、シングルスの練習に臨んで、どこがダメだったのかや自分がもっと武器を生かせるにはどうしたらいいのかっていうのを考えながら練習してきたので、今日当日迎えられて、決勝まで自分の中では、いつも気持ちの面でちょっと焦ってしまうことがあったんですけど、今日に関しては焦らずに終始落ち着いてプレーできたのかなと思ってますので、2位っていう結果にはなりましたけど、今日のこの3週間は決して無駄じゃないっていうことは自分の中では分かりました。明日はまた中野さんとダブルスでパートナーとして試合望みますので、応援してくれる方々のためにも、明日も精一杯頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
3位 小野絋汰(熊本県)
これまで、フットワークやノックの練習をたくさん頑張ったので、銅メダルを獲得することができました。練習はきついけど、これからも頑張ります。
3位 近藤翼(岡山県)
初めての大会でしたが、すごい上手い人がいて勉強になりました。
優勝 内田典子(愛知県)
優勝できてよかったです。
準優勝 千葉すず(岩手県)
自分のミスもあったし、1日目の課題も見つけたので、明日ダブルスの試合にも活かしたいです。
3位 花澤杏奈(千葉県)
準決勝が千葉すずちゃんとで、今まで3, 4回目やったんですけど、今回体力負けしちゃったんで、来年は駿河牛狙って、優勝目指して頑張りたいと思います。
3位 平野亜季(茨城県)
去年も3位でしたが、今年も3位を取れてよかったです。
優勝 中野林太郎(長野県) / 田中和弥(東京都)
毎年いつもやっているパートナーの田中くんと一緒に今回も優勝を勝ち取ることができてよかったです。最後のダブルスでは1セット取られてしまったけど、その後何とか無事取り返すことができたのでよかったです。自分たちももっと修行して頑張りたいと思います。(中野選手)
今回また(第9回日本選手権と)同じ相手で、ちょっと緊張感もあり、初めて1セット取られましたが、自分の中で、パートナーの林太郎さんもいつもと違う雰囲気だなと思ったので、僕の方から積極的に声をかけたりして、そこから自分たちのリズムが掴めるようになって、ちょっとずつ落ち着いて2セット目取ることができ、そこから自分たちでまた調子を取り戻して、最終的にはいつもの勢いでプレーすることができました。ただ、1セット取られたってことは、自分たちもやっぱりうかうかしてられないとは思ってますので、環境もあると思うんですけど、これからも自分たちで、練習、実践練習を積み重ねていって、大きな大会でもいつも通りの力を出せるように頑張りたいと思います。今日はありがとうございました。(田中選手)
準優勝 武藤和真(三重県) / 西野朝陽(大阪府)
去年(第9回日本選手権)はストレート負けでしたけど、今年は第1ゲームを取れて、去年よりは進歩したかなと思うので、今年の12月にある日本選手権では優勝したいです。(武藤選手)
去年はストレートでやられて、今年は1セット取ってそれからやられて、12月にリベンジしたいです。(西野選手)
3位 佐藤健太(茨城県) / 小野絋汰(熊本県)
正直決勝戦まで行きたかったんですけど、まだまだちょっと自分のミスもあったので、次の大会ではミスをせずに正確に打つっていうのを意識して頑張ります。(佐藤選手)
ダブルスは、ミスが多かったけど、スマッシュをたくさん打ちました。佐藤くんとダブルスを組んで試合ができたので、嬉しかったです。12月の試合も頑張ります。(小野選手)
3位 小田煌大(三重県) / 髙橋元太(埼玉県)
三重県から、初めて参加しましたが、メダルが取れて嬉しかったです。中学生同士のペアでしたが、元太くんがすごく頑張ってくれて、感謝しています。元太くん、ありがとう!(小田選手)
今年もメダルが取れてよかったです。(髙橋選手)
女子ダブルス優勝 千葉すず(岩手県) / 花澤杏奈(千葉県)
杏奈ちゃんとダブルス組んで、優勝して、とても嬉しいです。(千葉選手)
今年初めてダブルスをID7で千葉すずちゃんと組んだんですけど、ローテーションとかすずちゃんのお父様に指示を受けて、指示通りできてよかったなと思うので、全国大会でも、できたらすずちゃんとさらに上を目指したいなって思います。(花澤選手)
準優勝 内田典子(愛知県) / 大村悠佳(大阪府)
良い試合ができたから良かったです。(内田選手)
楽しかったです!(大村選手)
3位 下浦優希(福岡県) / 大塚麻里菜(東京都)
初めての大会でシングルスはあまり自信がなかったんですけど、ダブルスは一生懸命練習してたので、プレッシャーに打ち勝つことができて嬉しかったです。聴覚過敏を持ってるんですけど、そのプレッシャーにも勝ててよかったです。(下浦選手)
今回3位っていう結果ですごい悔しくて、しかも、平野選手と浅見選手から第1セット取られたのが本当に悔しくて、練習もっとたくさんしないとなと思ったので、3位という結果ですが、良い結果だと思うので、次に結果を残せるようにもっと頑張りたいと思います。(大塚選手)
プレゼンターの皆様より、各種目の1位から3位の選手にメダルが授与されました。
また、1位の選手・ペアには、副賞の駿河牛が静岡市より贈られました。
この大会を開催するにあたり、ご協力くださいました全ての皆様に感謝申し上げます。
メダリストの選手たちのコメントにもありましたように、今年の12月14日、15日に日本選手権が開催されます。
開催地は、静岡県静岡市!
情報は連盟公式HPやSNS等で発信していきますので、ご確認ください。