それぞれの“経験”
【男子部 ~経験から得たもの~】
夏休み終盤、課題に追われながらも生徒たちは話し合いを重ね、
限られた時間の中でも何とか形にして、全校生徒に届ける準備が整いました。
生徒が用意したプログラム「オンライン授業が不安な生徒向けのピアサポート」。
オンライン授業になったことで、分からないことをすぐに聞くということが難しくなる。
きっと、課題の取り組み方、提出の仕方、モチベーションの保ち方、様々な面で不安を抱える生徒が多いはず。
本格的に授業が始まる前に、その不安をなるべく払拭してあげたい。
そんな思いから立ち上げた企画でした。
9月2日 午後。
準備をしてきた有志の生徒たちは、どきどきしながらZOOMの個室で待ちます。
自由参加のプログラムですが、事前に各クラスにはアナウンスがされていました。
…。
時間が過ぎても、大きな動きがありません。
終わってみると、相談に訪れた生徒はほんの数名のみでした。
「せっかく準備したのに...」
「みんな意外と不安がないんだね」
「もう知らないよ?」
来てくれた生徒が想像よりも少なく、ショックを受ける生徒たち。
終わった直後には、心が折れかける様子もありました。
しかし、これで終わる自由学園の生徒ではありません。
「まだ授業が始まっていないから、分からないことが分からないのかも」
「時間帯が悪かったのかな?」
「アンケートを取ってみようか」
すぐに気持ちを切り替えて、課題を探していました。
実際にやってみてわかったこと、気付いたこと。
結果よりも、この経験こそが大きな成長を生むのです。
すでに生徒たちは前を向いています。
今回の経験を活かし、次に向かって走り始めました。
【女子部 ~個性いっぱいの企画~】
自分たちに与えられた時間をどう使うか。
女子部の生徒たちも特別プログラムを企画していました。
①未来の不安を吹っ飛ばそう
ある生徒の考案した企画。講師を招いて行ったこの企画は、
「未来への漠然とした不安を少しでもなくしたい」
「みんなの気持ちが楽になるといいな」
そんな思いから、生徒自身の経験を踏まえて企画されたプログラム。
一人ひとりが未来をデザインし、自分の未来をイメージして文字に起こし、思い思いに自分の未来を描く生徒たち。
企画が終わり生徒が退出していく中、画面に残る生徒が一人。
彼女は企画した生徒に「ありがとうございました」と。
「ストレスを抱えた気持ちをどうすればいいのか分からなくなっていた。でも今日参加して本当に良かったです、心が軽くなりました」
涙を流しながらこう話していました。
大きな不安がすべて消えたわけではない。今でも未来は見えないし、この先のことなんて分からない。
でも、自分は一人ではない。
未来は自分で創造することができる。
これは生徒で創る4日間。
だからこそ、気付くことができたことです。
②『断捨離』
こちらもある生徒の考案した企画。オンラインの今だからこそ是非ともやってほしい。そんな想いがつまっていました。
「いまだからこそできることってなんだろう?」
その生徒が考え、たどり着いたのが“断捨離”をすること。
掃除検定の資格を持つ生徒が断捨離のコツを伝え、各々が自分の部屋の掃除を開始しました。
「これってどうやって収納したらいいかな?」
「捨てられないものはどうしたらいいの?!」
一人のひとりの収納、掃除への疑問に的確に答えていく。
「なるほど~」
「すごーい!(笑)」
「私の部屋はこんな感じです」
自分の部屋の収納も丁寧に紹介していきました。
オンラインがなければ、生徒みんなで部屋の掃除をするなんてなかったかもしれません。
今の状況をどう受け止めるべきか。
「どうしていけばいいんだろう」
「なにができるんだろう」
自ら考え、仲間と協働し、そして実践していくこと。
この一日で、生徒たちはまた一歩成長することができました。
高3の女子部生が企画した「断捨離」。
自分の経験を生かして資料を用意し、生徒たちに共有していました。内容はこちらから。