もとみや青年会議所は、先輩諸氏の努力と熱意によって受け継がれ、今年で40周年を迎えます。地域を想い、理想を掲げ、未来を創ろうと築かれてきたこの組織は、今もなおOB会の皆様から温かいご指導をいただきながら活動しています。この場を借りて感謝申し上げます。
2026年度理事長として、私の心に最初に浮かんだ言葉は「笑顔」でした。
私は静岡県富士市(旧富士川町)で育ち、子どものころ帰宅後には毎日外で友達と鬼ごっこやサッカーを楽しんでいました。当時は温暖化による異常気象や新型コロナウイルスによるパンデミック、ゲームやSNSといったスマートフォンをはじめとするデジタルなコミュニケーションツールなどはなく、友人との外遊びには素朴な楽しさがありました。
2011年、東日本大震災によって福島県は大きな被害を受けました。私はその翌年、仕事の都合で福島に移住しました。移り住んだまちは、笑顔が失われ、放射能の影響により子供達も遊ぶ場所を制限され、海沿いには壊れた橋が流れ着いていました。テレビやインターネット上でのニュースでは伝わらない現実に、胸が痛みました。
「何か自分にできることはないか」──そう思い、私は仕事で海岸や川の堤防づくりなどの復興に携わってきました。しかし、壊れたものは直せても、人の心の傷を癒すのは簡単ではないと感じました。
そんな中、2018年に先輩から声をかけていただき、青年会議所に入会しました。そこでは、仲間たちが同じように現状に向き合い、失われた笑顔を取り戻すために力を合わせて活動していました。その姿を見て、私は「笑顔」を生み出すことの大切さと、笑顔が持つ力の大きさを知りました。笑顔は小さな一歩ですが、その力は大きく、人々を元気づけ繋がりが広がり、地域に活力をもたらします。だからこそ笑顔を生み出すことが重要なのです。
2026年度のスローガンは、 「Smile for tomorrow ~笑顔の積み重ねが未来を切り拓く~」です。
誰かの笑顔をつくるために、未来に希望をつなぐために、メンバー一人ひとりの個性が輝き、調和する組織をつくることで、地域にとって唯一無二の存在になれると信じています。40年間で築かれた信念と誇りがあれば、きっと実現できるはずです。ともに笑顔あふれる未来を目指しましょう。
安達太良の光が阿武隈の清き流れにすすがれ、心なごむ我が「もとみや」の郷土を愛し、理想に燃え、未来の創造を志して、若き英知と力がここに結集しました。
我ら21世紀の担い手として、事を成し遂げようとするならば、まず願いを起こし、目標を掲げ、過ぎゆく今を反省と感謝をもって送り、希望に輝く未来を、善願成就の祈りをもって迎えよう。友情と信頼を基盤に、勇気をもって困難に立ち向かい、常に自己を磨き、新時代にふさわしい地域社会の旗手たらんことを誓い、ここに「もとみや青年会議所」の創立を宣言する。
この宣言文を掲げ、昭和62年3月30日、我々もとみや青年会議所は創立されました。以来、諸先輩方は宣言文に込められた志のままに、常に自己を磨き、新時代にふさわしい地域社会の旗手として、明日の笑顔と地域の未来を切り拓く運動を推し進め、その伝統と理念は脈々と今日に受け継がれております。
本年度、もとみや青年会議所は40周年という大きな節目を迎えます。時代は日を追うごとに進歩し、技術や文化、そして価値観は大きく変化を遂げています。しかしながら、先達より継承された理念は決して色あせるものではなく、むしろ時代に即した柔軟性を保ちながらも、「地域の旗手たらん」とする誇りを、私たちは確かに引き継いでいかねばなりません。
明日の笑顔を創り、その積み重ねによって未来を切り拓くこと。この確信を次世代へと継承する起点として、我々は40周年記念式典をはじめ、理念への共感を広げる記念事業を展開してまいります。
我々は、自己を磨きながら、青年会議所として地域に何をもって貢献できるかを常に問い続けています。生まれや育ち、職業が異なっても、青年会議所の仲間がその個性を輝かせ、互いに共感し合うことで大きな力となり、地域に笑顔をもたらす存在になれると信じています。
そのためには、一人ひとりの特性を活かすことのできる柔軟な組織が必要です。しかし同時に、「柔軟な組織とは何か」を改めて問い直すこともまた不可欠であります。多様性、すなわちダイバーシティとは、単に異なる属性を持つ人々が集うことではなく、その違いを尊重し、活かすことを意味します。今日、社会は多様性を是とし、さまざまな改革が進められていますが、その一方で、違いを尊重しすぎるがゆえに組織が疲弊してしまう例も少なくありません。
例えば、多様な意見を取り入れようとするあまり意思決定が遅くなる場合や、個々人の事情に過度に応じようとすることで管理が煩雑化し、組織全体の力が削がれてしまうことがあります。ゆえに私が考える組織の再定義とは、「共通のゴール」を明確に掲げることです。互いの違いを尊重する姿勢と、組織として共有すべき軸とを両立させることこそが、持続的な成長を可能にし、結果として地域にさらなる笑顔を広げる力となります。
この四十周年の節目にあたり、我々は改めて「共通のゴール」を胸に刻み、共に創り、共に笑顔を育み、未来を切り拓く持続可能な組織の在り方を確立してまいります。
自らの利益にとどまるものではなく、周囲の人々の笑顔を生み、その笑顔の積み重ねこそが、幸せな未来を切り拓く力になると信じています。そして、その学びや成長の機会を、青年会議所メンバーのみならず、広く地域の方々へも届けたいと考えております。
一人ひとりの成長は、地域社会にとって、そして未来にとってかけがえのない財産です。とりわけ青少年にとっての体験や学びは、将来の人生を支える大切な礎となります。現代社会の課題の一つに「体験機会の格差」があります。家庭環境や教育環境の違いにより、子どもたちが得られる体験に差が生じ、その格差が将来にまで影響を及ぼすことが指摘されています。
だからこそ、子どもたちに笑顔があふれる体験の機会を平等に提供することは、未来を創造し、新たな時代を切り拓く原動力となるのです。子どもたちは未来を担う大切な「人財」であり、その芽吹きを支え、育んでいくことは我々の使命です。
本年度は、青少年に向けた学びの機会の一環として、国際交流を通じた体験にも取り組んでまいります。異なる文化や価値観に触れることは、視野を広げるだけでなく、自らの地域や日本への理解と誇りを深める契機となります。こうした経験が、次代を担う青少年にとって大きな成長の糧となると確信しております。
国内外の多様な学びと体験を積み重ねながら、未来を託す人財の育成を力強く推進してまいります。
我々もとみや青年会議所は、40年の長きにわたり地域の皆様に支えられ、活動を続けてまいりました。地域は我々の根幹であり、生きる場そのものであります。我々は地域の恩恵によって活動を推進できていることに感謝しつつ、その成果を地域に還元しなければならないと考えております。地域のオピニオンリーダーとして、そして地域社会の旗手として、未来を切り拓いていかねばなりません。
我々の地域は福島県の中央に位置し、古くから交通の要衝であったことから、「福島のへそのまち」として県内外に発信してまいりました。その立地的特性は、現在もなお県内流通網のハブとしての大きな可能性を秘めております。本年度開催される福島県ブロック大会を起点とし、この特性を大いに活用しながら、県内各地の魅力を集めて発信することで、多くの方々に本宮市・大玉村の魅力を知っていただき、交流人口の増加を促し、持続可能な地域発展に寄与できるものと確信しております。
人口減少社会の現代において、明確に人口を増加させる方策は未だ見出されておりません。しかし、『この地に来れば自然と笑顔になれる』、そう感じられる地域の魅力を発信し続けることこそが交流人口の拡大につながり、やがては地域に住まう人々自身の笑顔をも育むものと考えます。笑顔あふれる未来を見据え、共に歩みを進めるまちづくりこそ、我々に課せられた使命であります。
青年会議所は、自らを磨き、その力をもって地域や社会に貢献し、同じ志を抱く仲間と友情を育む団体であります。ゆえに、会員一人ひとりの成長と新たな仲間の拡大は、我々の活動の根幹をなす極めて重要な要素であります。
入会を検討する方々の多くは「どのようなメリットがあるのか」と疑問を抱くでしょう。しかしながら、青年会議所の真の魅力は、目に見える利益ではなく「つながり」と「機会の提供」にあります。地域社会に変化をもたらす事業を通じて、地域住民との信頼ある関係が築かれ、また多様な業種の仲間が集うことで、互いの個性を尊重し合う環境が広がります。その中で、20歳から40歳という限られた時間を存分に活かし、若さゆえの果敢な挑戦を通じて、リーダーシップや課題解決力が養われていくのです。
この魅力を伝えるためには、まず現役メンバー自身が青年会議所の理念と意義を深く理解し、強く共感していることが不可欠です。それぞれの個性を活かしながらも、同じ理念を共有できる組織であればこそ、自信をもって青年会議所の価値を地域に発信することができます。
本年度は、こうした基盤を整え、信頼に根ざした共感を力に、果敢な挑戦を重ねながら、会員拡大を推進してまいります。
40年という歩みは、先輩諸氏のたゆまぬ努力と、地域の皆様のご理解とご支援の積み重ねによって築かれた、かけがえのない歴史であります。その志と伝統を受け継ぐ我々は、いま新たな時代の扉を開き、未来を見据えて進んでいかねばなりません。
笑顔は人と人とをつなぎ、困難を乗り越える力を与え、地域の明日を照らす光であります。我々が創り出す一つひとつの笑顔は、やがて連鎖となり、次代を担う人々へと受け継がれていくことでしょう。だからこそ、自己を磨き、仲間と共に学び合い、地域と共に成長しながら、その笑顔を未来に紡いでいくことが我々の使命であり、存在意義であると確信いたします。
40周年の節目にあたり、我々はこれまでの伝統を礎に、挑戦を恐れず、変化を受け入れ、未来を切り拓く旗手としての責務を果たしてまいります。そして、地域社会に信頼され、必要とされる青年会議所であり続けるために、仲間と共に新たな一歩を力強く踏み出してまいります。
笑顔にあふれる明日を共に築き上げるために。私たちもとみや青年会議所は、誇りと責任を胸に、未来への挑戦を続けてまいります。