05 野下 智則さん(京都大学YMCA 地塩寮)

会館貸し出しによる地域との密着度日本一

 地塩寮と同じ敷地にある、京都大学YMCA会館を、地域の人々や、他の学Yの人々に貸し出しています。会館は1913年竣工で登録文化財でもあります。2階建ての会館の1階には会議用のスペースがあり、2階にはホールがあります。2階のホールは、寮生と地域の人とが一緒に企画・開催する年二回のコンサートの他、各種のイベントが催されています。



日本一であるポイントは?

年間の利用件数は延べ約200件、利用人数は延べ約2,000人。地域の人々と寮生とが一緒に開く年二回のコンサートには、100人ほどが訪れます。地域に開かれた会館・建物という点では、京都市内に限っても、京都大学吉田寮と地塩寮の会館のみだと思われます。会館という自治寮だからこそ持っている資源を活用し、地域の人との関りを持とうと心がけています。

今、改めて「みつかる。つながる。よくなっていく。」にフォーカスをあてると?

【みつかる。】

年に2回行われる地域の人々と寮生とが参加するコンサートの会場になったり、学生団体や日曜に主日礼拝を行う団体にも貸し出しています。また、複数の学Yが参加して、交流会が催されることもあります。更には、地塩寮祭の会場となるなど、寮生の利用も活発です。戦前・戦後の京都におけるキリスト教の動静に関する文献資料も所蔵しており、時折研究者の方々も尋ねて来られます。

【つながる。】

日常の大学生活では関われないような地域の人々やキリスト教系の団体の人々と知り合い、食事を共にし、一緒にコンサートの企画を練り、ビラを配るなどの共同作業ができます。またコンサートの場を共にし、お互いが得意としている楽器や音楽の好みについて知り合うことができます。学Yの交流会では、お互いのYの特色について知り合うこともできます。

【よくなっていく。】

食事や演奏、音楽鑑賞を共にすることで、地域の人々との信頼関係ができます。そうした信頼関係をもとに、地域への不審者出現など、具体的な地域の問題に対して連携して対処し、解決できるようになります。更に学Y同士の交流から、自らとキリスト教との関わり、YMCAの一員としての自らの立ち位置の捉え直しの場ともなっています。

他のYMCAにも真似してもらうとすれば?

会館やホールを持っている他のYには、学生に新たな体験を与えられるよう、地域に開かれた運営を心がけてもらいたいと思います。そうした建物は、地域の人同士の集いの場や地域とY、地域と学生、あるいはY同士の交流の懸け橋となる可能性を秘めています。最初の一歩を踏み出すのは難しいかもしれません。しかし最初の一歩が踏み出せれば、次は人づてに輪が広がっていく、というのも地域の縁だと思います。最初は、地域の人も参加できるようなイベントを各Y主催でやってみてもいいかもしれません。

YMCAアワード 〜全国Yの「日本一」自慢〜

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