本ページにアクセスして頂き、誠にありがとうございます。
我々は現在、自閉スペクトラム症(ASD)者の方の聴覚過敏性による問題を解決するための研究を進めており、現在データ収集のために実験を行っております。
本ページの内容をお読み頂き、実験へのご参加についてご検討頂ければ幸いです。
自閉スペクトラム症(ASD)の方において、定型発達の方と比較して音の刺激に対する反応が異なるケース(特定の音に対して耐えられないほどうるさく感じたり、逆に反応しづらくなるなど)が多く見られることが知られております。
この反応の違いについて、音に対する感じ方を客観化するプログラムを皆様にお使いいただき、音のもつ要素とそれらへの反応の関係性のデータを集めることが本実験の目的となります。このプログラムはスマートフォンアプリとして配布されます。実験にご参加頂く皆様には、日常生活の中で音に過敏さを感じた場面でアプリを起動し、音にフィルタをかけて自分自身がどのように感じたかを再現して頂きます。
また、ASDの方の音への反応には音そのものの持つ要素だけでなく、心拍数や睡眠時間といった健康に関する指標や天候などが関わっている可能性もあります。そのため本研究では健康に関する指標を測定するためのデータや、天候を取得するための位置情報データも併せて収集いたします(これらについては、調査用アプリとは別なアプリを使用します)。
この実験を通じて得られたデータを集めることで「ASDの方は、どういった状況でどういう音の感じ方をするのか?」ということに関するモデルを作ることができます。
この音の感じ方モデルは、鳴っている音の大きさや高さ、見えるものの明るさや色合い、体調などのデータに応じて、どんな音の感じ方が生じるかを予測することができます。
ASDの方は一人ひとりが違う特性を持っておられます。ひとことに音に対する問題を抱えているといっても、どんな音に対してどんな問題があるのかが異なるため、取るべき対策も変わってきます。
(また、具体的にどんな風に異なっているのか? もしかして過敏性に応じていくつかのグループに分けられたりもするのではないか? ということも、まだ詳しくは分かっていません)
そこで、多くのASDの方からデータを頂き、それに基づいたモデルづくりをすることで、様々な方の音の感じ方に対応できるモデルとすることができると考えております。
さらに、このモデルを利用して音による苦しみを軽減するにはどうすればよいかを予測することもできます。
例えばある音の環境で「耳鳴りがする」と感じているとき、モデルは「耳鳴りが出ないようにするためには、音がどう変わればいいか?」を計算することもできるのです。
これを利用して、将来的には以下のような聴覚過敏対策システムが実現できると考えられます。
以下の全てに該当する方。
(※多くのご応募を頂きましたため、人数制限に関しては設けないこととなりました。)
お手持ちのiPhone/iPadに調査用のアプリをインストールして頂きます。以下の1~4の一連の流れ(タスク)を実験期間中に14回(1日2回)行って下さい。
(※iPhone/iPadをお持ちでない方につきましてはiPad miniのレンタルをいたします)
調査用アプリの詳しい使い方については、メールにてマニュアルを送付致しますのでそちらをご覧ください。
また、アプリ内からアクセスできるWebマニュアルや、上記タスクのやり方を実際に操作して試すチュートリアル機能も用意されております。
14件のデータをアップロードしていただくまで
(1日2回、1週間での完了を想定しておりますが、特に期限は設けておりません)
本研究にご協力いただくかどうかはあなたの自由意思に委ねられており、参加中に続行が難しいと感じられた場合には中断して頂いても問題ありません。研究にご協力いただけない場合や参加を中断した場合にあなたが不利益を受けることはございません。
同意を頂き調査にご参加頂いた後でも、同意を撤回することが可能です。その際は、國吉・新山研究室の市川まで撤回をしたい旨をメールにてご連絡ください。速やかに頂いたデータを破棄いたします。ただし、以下の場合には同意を撤回してもデータを破棄することができませんのでご理解ください。
本研究で得られたデータは、分析前に氏名等の個人情報を取り除き別途符号をつけ、個人を特定できなくする処理を行った上で、当研究室で厳重に保管します。
またWeb上のストレージにアップロードされる動画データについては、暗号化を施した上で研究実施者以外がダウンロードを行えないように設定されます。加えて、個人が特定できない形に変換した上で研究に使用されます。
研究の成果は、あなたの氏名などの個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表及び学術雑誌等で公表されます。
本研究を通してあなたからいただいた資料等は、原則として本研究のためにのみ使用します。しかし、もしご同意いただける場合には、今後の研究のための貴重な資源として、研究終了後も引き続き保管いたします。その際は、資料から個人を特定することをできなくする処理を施した上で保管し、将来的に資料を新たな研究に用いる際には、改めて東京大学大学院情報理工学研究科のヒトを対象とした実験研究に関する倫理審査での承認を受けた上で使用します。
本実験にご参加頂く際の交通費、ならびに調査アプリのデータ通信に必要となる通信量をご負担いただきます(通信量は内容にもよりますが動画データ1本につき約4MBになります)。
本実験にご協力いただいた方には謝礼としてQUOカード5,000円分をお送りいたします。ただし、謝礼のお支払いは実験期間中に14件(1日2回×7日間)以上のタスクを行い、かつアップロードして頂いた方に限らせていただきます。また、謝礼受け渡しに際しては東京大学 本郷キャンパスまでお越しいただく必要がございますのでご了承下さい。
この研究は、東京大学倫理審査専門委員会において審査され、情報理工学系研究科長の承認を受けた上で実施されています。
実験終了後でもご意見やご不明な点がございましたら、下記の連絡先にご連絡ください。
【研究実施者】
市川 樹 (東京大学・博士課程学生)
〒113-8656
東京都文京区本郷7-3-1
工学部2号館 82A2号室 國吉・新山研究室(知能システム情報学研究室)
研究実施者TEL: 080-4209-7723
研究実施者Email: ichikawa@isi.imi.i.u-tokyo.ac.jp
【研究責任者】
東京大学情報理工学系研究科 國吉康夫