研究内容・研究紹介

小形研では物性物理学を理論的に研究しています。


研究対象となるのは、電子相関の強い系、ディラック電子系、トポロジカル絶縁体、スピン系など多岐にわたります。メンバーは各々自分の興味のある対象を突き詰めて研究します。研究手法も対象に合わせてさまざまですが、解析的な手法や数値計算を組み合わせて、物質中の物理現象の本質に迫ります。


研究室では「これをやらなければならない」というものは基本的に無い。各人が自分のやりたいテーマを研究するスタイルである。ただ全体として固体中の電子論を研究している。もちろんスピン系や2次元ヘリウムなど他の分野の研究をすることもある。

各人の具体的な研究テーマはバラバラだが、お互いにどのようなことを研究しているのかは、研究室セミナーや日常会話を通してもちろんよく知っている。ちょっと違った分野のアイデアや研究手法は、必ず自分の研究にも役立つ。

研究テーマは自分で探してくるのがベストである。研究のネタは、教科書やレビューを読んだり、論文を読んだり、学会や研究会に行って仕入れてくる。もちろん、難しすぎて手に負えない問題もあるし、二番煎じ・銅鉄主義(?)などのつまらない問題もある。これらは避けた方がよい。この辺の判断は研究室セミナーとか議論を通して軌道修正していく。修士・博士を通してだんだんと問題の良し悪しを見る目が鍛えられていくだろう。ただし修士課程の最初の内は、いろいろと相談しながら自分のやりたい研究の方向性を探っていく。修士論文でオリジナルな投稿論文になるのが通常である。

自分の興味と、自分のテクニックの得意不得意にしたがってテーマを選ぶ。最初はがむしゃらに計算してみるというのもいいかもしれない。


最近数年間の研究室のテーマは以下のようなものがある。それぞれ一つ一つに思いが込められている。


  • トポロジカル物質でのスピン流および軸性カレントの理論

  • ディラック電子系超伝導のマイスナー効果

  • ハイパーかごめ格子上のスピン系の磁気相図

  • 熱電輸送に関する基礎学理の構築

  • ノーダルライン半金属の分類理論

  • パイロクロア格子上のスピン液体相の検出理論

  • スキルミオン結晶におけるマグノン励起