2015年5月より立入禁止になっていた大涌谷噴気地帯の散策路(約700m)が2022年3月28日よりヘルメットを着用し2名の監視員同行のもと団体行動で入場出来るようになりました。
※監視員は観光ガイドではなく、安全確保のための誘導員です。
インフォメーションセンター横の坂道を80m程上り左手にある店舗「極楽茶屋」脇の階段を登った所が集合場所となります。
出発の5分前までに集合場所へお集まり下さい。
チケットに記載されている番号を監視員に伝えヘルメットをお受取り下さい。
大涌谷自然研究路は火山活動が活発な場所であり、普段は一般の方が立ち入ることが出来ません。火山活動や火山ガスは常時観測していますが、それでも予期せぬ事態が突然起こることもありますので、皆様の命を守るために監視員の指示に従い、列から離れず団体行動をお願いします。
監視員がサイレンを実演します。この音を聞いたら緊急事態発生なので監視員の指示に従い、落ち着いてシェルターに避難してください。
大涌谷は国立公園の特別地域に指定されておりますので、植物の採取や石の持ち帰りはご遠慮ください。
研究路の上の方に茶色い小さな建物がありますが、あちらが大涌谷名物の黒たまごを作っている玉子蒸場です。今日は玉子蒸場まで行きます。
火山性ガスによる濃度基準
シェルターは、突然の噴火が起きた時に噴石から一時的に避難する場所で、この自然研究路には7か所の噴石シェルターがあり、この2号シェルターの定員は120人となります。
シェルターの内側には強度、耐久性に優れ、消防服や防弾チョッキに使われる「アラミド繊維」が貼られており、直径30㎝程度の噴石が飛んできても貫通しないよう設計され、各シェルター内にはガスマスク、水タオルなどを常備し、万が一の事態に備えています。
2号シェルターは上が展望台になっており、天気が良ければ富士山が綺麗に望めますので、お楽しみください。
2002年10月の台風21号の大雨により、冠ヶ岳直下と向かって左側から発生した土石流の跡を3号シェルター手前で間近に見ることが出来ます。
2019年10月の台風19号が日本各地で猛威を振るい、箱根では降り始めからの総雨量が1,000mmを超え、12日の総雨量は日本の観測史上1位となる922.5mmを記録しました。箱根町では芦ノ湖、早川の氾濫による建物の浸水、山々から流れ出た土砂により建物・道路・鉄道など大きな被害を受けました。
自然研究路内では玉子蒸場のすぐ裏手から土石流が発生し、玉子蒸場の広場などに被害がありました。
大涌谷では2015年に小規模な噴火が発生し、一時的に立ち入りが制限されました。この時に噴出された火山ガスの影響で、周辺の木々のほとんどが枯死してしまいました。
あちこちから噴煙が上がっていますが、この白煙の大部分は水蒸気で、鼻をつく臭いは硫化水素によるものです。
画像は以前の大涌谷と2021年5月に撮影した大涌谷との比較となります。
箱根には国内外より毎年約2,000万人の観光客が訪れます。
箱根温泉の源泉の数は345箇所、温泉の量は毎分約19,500リットルで源泉数と総湧出量は全国7位となっています。
箱根温泉の歴史は古く、奈良時代の738年に開湯されたと伝えられています。江戸時代に「箱根七湯」として湯治客を集め発展しました。戦後は箱根各地で温泉開発が進み、現在は「箱根十七湯」と呼ばれています。
大涌谷温泉は地下から噴出する高温の蒸気に、温泉用水を混合し造成した温泉と大涌谷で自然に湧き出る自噴温泉を混合し、各方面の宿泊施設等へ供給しています。
大涌谷には温泉入浴施設はありませんのでご注意ください。
「黒たまご」は地熱と火山ガスの化学反応を利用して出来ます。玉子を約80度の温泉池で60分ほど茹でると、気孔の多い殻に温泉の成分の鉄分が付着します。温泉池の中では化学反応が起き、黒い殻のゆで玉子になります。黒くなった玉子を蒸し釜に移動して、約100度の蒸気で15分ほど蒸せば出来上がりです。
「黒たまご」一つ食べると7年長生きすると言われていますが、 「7」の数字の由来は七福神など縁起の良い数から来たと言われています。また、黒たまごは、お湯で作った茹で玉子と比較すると「うまみ成分」が20%程度高いことが分かっています。
「黒たまご」の輸送はケーブル(荷物運搬用のロープウェイ)で行っています。自然研究路とケーブルが交差する場所には、玉子の落下防止のためのネットフェンスが設置されています。
箱根火山は数十万年前から繰り返される噴火で形づくられてきました。今から約40万年前から23万年前にかけて、金時山や明神ヶ岳など外輪山ができました。また、約6万5千年前に発生した大規模な火砕流の噴出物は東京軽石と呼ばれ、南関東一円の広い地域に堆積しています。
そして、約3千年前の噴火によって、現在の箱根の風景が形成されました。噴火によって神山(標高1,438m。箱根で一番高い山)の一部斜面が崩れ、その土砂が早川をせき止めてできたのが「芦ノ湖」で、崩れた斜面が大涌谷になりました。その後地下からマグマが上昇し溶岩ドームができました。これが冠ヶ岳です。
現在は硫化水素を含んだ独特の匂いが立ち込め、緑豊かな箱根の中で他とはまるで様相が違う大涌谷は、自然の力強さを間近に感じられる景勝地として人気を博しています。
大涌谷では火山性ガス(主に二酸化硫黄)の影響で多くの草木が枯れてしまっていますが、このオオシマザクラの木は枯れずに残っており、毎年花を咲かせます。玉子落下防止用のネットフェンスが火山性ガスからサクラを守ってくれているのではないかと言われています。
岩にコケのようなものが付着していますが、これは「イオウゴケ」という植物で、地衣類に属します。温泉地や火山地帯など、硫黄分の多いところでたくさん分布するところから、硫黄苔という名前が付いたそうです。このイオウゴケを拡大して見てみると、マリリンモンローの真っ赤な唇のようにも見えることから、別名「モンローリップ」とも呼ばれています。
硫気荒原と呼ばれる噴煙地の周辺には、高い地温や酸性土壌に強い植物が生息しています。噴煙地に近いほど酸性に強い植物(ノリウツギ、アセビ、イタドリ、ススキ、ウラハグサ)が見られるのも大涌谷の特徴です。
お疲れ様でした。おかげさまで火山が噴火することもなく、無事に帰ってくることができました。これで引率入場は終わりですが、よろしければチケット裏面のQRコードからアンケート回答にご協力ください。
また、お時間に余裕がありましたら箱根火山のことがよく分かる箱根ジオミュージアムの入館(お一人様100円)がおすすめです。
それでは、最後にヘルメットを回収させていただきますので、最初の集合場所までお戻りください。ヘルメットをお返しいただいた方から解散になります。団体行動にご協力いただき誠にありがとうございました。