海洋生分解性プラスチックの開発
プラスチックごみによる海洋汚染は世界的な問題になっています。この問題の解決策として、生分解性プラスチックが注目されています。私たちの研究グループでは、来るべき持続可能な社会の構築を目指して、生分解性プラスチックの開発に取組んでいます。私たちは、この生分解性プラスチック特有の「生分解性」という性質をよく理解し、これを制御できる技術開発に取り組んでいます。生分解性を自在に設定できれば、使用中はまったく分解せず通常のプラスチック同様に丈夫で、使用後に確実に生分解する理想的な生分解性プラスチック創出につながります。このような材料による従来材料の代替が進めば、海洋プラスチックコごみ問題の解決の一助となるかもしれません。
関連論文
Enhancing marine biodegradability of poly(butylene succinate) by blending with 16-hydroxyhexadecanoic acid poly(ε-caprolactone), M. Suzuki, S. Ishii, M. Ota, K. Gonda, H. Kashima, T. Arai, Y. Tachibana, H. Takeno, K. Kasuya, Polym Degrad Stab, 228, 110912, 2024. OPEN ACCESS
Control of marine biodegradation of an aliphatic polyester using endospores, M. Suzuki, Y. Tachibana, P. Soulenthone, T. Suzuki, H. Takeno, K. Kasuya, Polym Degrad Stab, 215, 110466, 2023.Preprint
生分解性プラスチックの生分解機構の解明
生分解性プラスチックは、劣化を経て酵素分解などにより低分子量化された後、微生物により無機化(生分解)されます。我々は、この生分解過程がどのように生じているかの解明に取り組んでいます。
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バイオベースプラスチックの開発
植物などの再生可能な資源から作られるバイオベースプラスチックの開発に取り組んでいます。特に、その原料としてフルフラールに着目しています。フルフラールは、穀物の殻や木材、トウモロコシの芯などから生成される有機化合物であり、これを用いることで石油に依存しないプラスチック製造が可能となります。このアプローチにより、環境への負担を大幅に低減し、持続可能な社会の実現を目指しています。
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