一に命
二に生き方
~ 校長のつぶやき ~
~ 校長のつぶやき ~
2022.3.11
みやぎ鎮魂の日
「黙祷」
皆さん,静かに黙祷を捧げてくれてありがとうございました。先日,菅原瞭先生の防災講話を行いましたが,これには,校長先生の強い思いがありました。瞭先生は,震災当時,二中の3年生,つまり,皆さんの先輩だったからです。今,スクリーンに映っているのは,瞭先生の卒業式の日の写真です。一番上に映っている卒業証書は,偶然にも瞭先生のものです。あの日から10年経ち,昨年の4月,二中に先生として戻ってきました。こんな偶然があるのか。校長先生は,キセキだと思いました。だから,瞭先生に,当時中学生だった時の思いを生徒に伝えてほしい,そう思いました。瞭先生の話を聴いて,皆さんはどう感じましたか。瞭先生は,先輩として,皆さんに伝えたいことがある,と2つ話してくれましたね。
1つは,命を守るために備えること。
物理的な面だけでなく,どんな時も揺るがない心の準備をしてほしい。
2つ目は,日常を大切にする生き方。
目的を持って一日一日を大切にする生き方をしてほしい。
そう皆さんに訴えましたね。校長先生も1年2組の教室で一緒に聴いていましたが,当時の写真は,今の二中だとは思えないほど,残酷な光景で,胸が詰まりました。
今,映し出されている写真は,実は,校長室に残されていた写真です。校長先生は初めて二中に来たときに,この写真を見て,絶句しました。そして,この文字を思いをしっかり受け止めて,校長としてみんなを守らねば。そう誓った写真でもありました。そうしたら,何ということでしょう。これは,中3だった瞭先生が,仲間と一緒に素手で泥をすくい,手で書いたというではありませんか。校長先生は鳥肌が立ちました。
震災の時,皆さんは1歳か2歳でしたね。記憶として残っているでしょうか。あの時は幼かったけれど,今だったら何かできるかもしれない。あの時,自分のために力を尽くしてくれた人たちへの感謝の気持ちとともに,今度は自分が何かできるかもしれない。
どうか,ここで起きたことを忘れないでほしい。皆さんが,記憶にある生の震災を伝えられる,最後の世代となります。「伝えなければ」と思うその時が来たら,ぜひ,次の世代に,あなたから,しっかりと伝えてほしい。校長先生は,皆さんに託したいと思います。
これからも「一に命」「二に生き方」。
一日一日を大切に生活していきましょう。
byワカコ校長