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キャリア教育と課題研究の2本柱を軸とした活動を通して、自己の在り方生き方と一体的で不可分な、課題を自ら発見し解決する力を養う。
1学年「地域課題研究」「課題研究」
本校は仙台市の副都心エリアと旧奥州街道沿いの商店街エリアという新旧の歴史が混在する地域に位置し、市内には東北大学をはじめ高等教育機関や文化施設も充実している。1学年では、本校の位置する長町地域の課題に目を向けた「地域課題研究」を行う。ここでは、長町地域に属する企業、行政機関、一般社団法人等の協力を得て、各団体から提示された課題の解決方法について、生徒たちがグループを組み、文献調査やフィールドワーク等を協働的に行い、収集した情報を整理・統合・分析し、その成果をポスターやスライドのまとめ発表をするという研究活動を展開する。昨年度は、長町商店街、khb東日本放送、太白区役所等の協力を得ることができた。身近な場所に存在する様々な課題に気付き、高校生の視点からその解決方法を考察し、成果を共有する。そして、自分たちの考えた解決策を実際に地域に還元し、アイディアの社会実装を試みる。
今年度は本校の新たな取り組みとして、「探究バスツアー」を設定した。大型バスで県内の研究施設や社会施設等を訪問し、施設を見学したり、関係者の講話を聴いたり、体験的な活動を行ったりしながら興味・関心を深め、研究のテーマ設定に生かすことが目的である。ストーリー性を持たせた複数の訪問先を設定し、様々な視点から研究の切り口を模索させる。
2学年「課題研究」
2学年では、自分で設定した社会課題および学術課題の解決を目指す「課題研究」を行う。「教育」「医療」「情報」等の研究分野を設定し、個人研究またはグループ研究を展開する。また、研究の過程では、企業、官公庁、大学等の学術機関等とも連携し、主に発表会を節目として指導・助言を仰ぐ機会を設ける。さらに、学術機関を訪問したり、フィールドワークを行ったりしながら、専門的な知見に触れ、研究の深化を図る。
3学年「進路と探究」「情報と探究」
3学年では、1・2学年での学びを自分の進路につなげる「進路と探究」、情報の収集、整理、統合、分析、発信の方法についての知識・技能を高める「情報と探究」を実践する。「進路と探究」では、これまでの研究を自分の進路に結び付け志望理由を整理し、自分の理想とする生き方や社会への貢献の仕方等について伝え合う活動を行うとともに、社会課題をテーマとしたディスカッションを実践し、論理的思考力と表現力の錬磨を図る。思考の過程はレポート用紙に記述させ、自身のポートフォリオとして活用させる。「情報と探究」では、これからの社会を生きるうえで様々な場面で求められるデータサイエンスの考え方について、外部講師の協力も得ながら理解を深める。また、情報セキュリティ、プログラミング、コンテンツ制作、情報発言の手法等について、本校情報科と連携しながら、知識や技術の習得を図る。
1学年:実社会とつながりながら手法を学ぶ
1学年では、地域の課題に目を向け、地域団体の協力を得ながら、テーマ設定や情報収集の仕方、フィールドワークの方法など、研究の初歩的な知識・技能を身につけるとともに、地域や社会の特徴やよさに気づき、それらが人々の関りや協働によって支えられていることを理解することも目標とする。
2学年:挑戦と試行錯誤を繰り返しながら実践する
2学年では、1年時に学んだ研究の手法を生かしながら、より広い視野に立ち、地域の問題だけではなく、社会全体の問題や地球規模的な課題にも目を向け、課題解決型の探究活動を展開する。自己と社会との関わりや社会における自己の役割、地球市民としての自己の在り方などについて確かな自覚と使命感を持つことを目標とする。
3学年:発信、深化し、自分のキャリアに結び付ける
3学年では、1・2学年での研究活動を踏まえ、自分の志を進路に結び付け、他者と協働しながら、よりよい自己の在り方や生き方、社会との関わり方について深く考え言語化すること、また、様々な方法を用いて情報を利活用し適切に発信する能力を養うことを目標とする。
■ 探究の過程において、先行研究の調査やアンケートおよびインタビュー調査といった課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け、地域や社会の特徴やよさに気付くことを通して、探究の意義や価値を理解するようにする(知識・技能)。
■ 地域社会や日常生活と自己との関わりから問いを見いだし、自分で課題を立て、外部機関を訪問するなどして客観的な情報を集め、整理・分析して、説得力が高い形でまとめ・表現することができるようにする(思考・判断・表現)。
■ 探究に主体的・協働的に取り組むとともに、互いの多様な価値観を尊重しながら、社会を構成する一員としての自覚と、よりよい社会を実現しようとする態度を養う(主体的に学習に向かう態度)。