熱の伝わりを自在に操ることができるようになれば、エネルギーの有効利用やコンピュータの高性能化につながります。一方で熱は実体を伴わないことから、その制御は容易ではありません。さらに、熱の伝わり方は虹のように、さまざまな波長からなるスペクトル性を有しており、大変複雑です。 本テーマでは、物体表面から発せられる光を題材に、熱のスペクトル性を学びます。特に、熱のスペクトルを利用した可視化と伝熱制御を体験します。
<Keyword> 伝熱,スペクトル
<研究室からひとこと> 事前の知識は全く必要ありません、気軽にお越しください。
空気の流れを操れると、風車や自動車など、様々な機械を高性能化できます。プラズマの力で流れを操る夢の装置が、プラズマアクチュエータです。プラズマは放電で作ることができ、すでに身近なところで利用されている様々な機能を持った物質です。プラズマアクチュエータは、プラズマの動きを操ることで、空気の流れを操ります。このテーマでは、プラズマアクチュエータを設計し、実際に動かしてみることで、プラズマの不思議な力を体験します。
<Keyword> プラズマ,空気の流れ
<研究室からひとこと> あなたのオリジナルなプラズマアクチュエータを設計しましょう!
熱を加えると不思議なことに「音」が発生することがあります.「音」は,物理的な視点から見ると,力学的なエネルギーを運ぶ波と考えられます.(皆さんの鼓膜が動くのは,音がエネルギーを運んでいるからです.)この音のエネルギーはスピーカーを利用することで電気(的なエネルギー)に変換することができます.つまり,熱→音→電気への変換を行うことができます.本体験研究で,この一連の変換を行う装置を試作しましょう.
<Keyword> 熱音響,発電機
<研究室からひとこと> 身近な音の意外な側面を体験しませんか?
Ni-Ti系の形状記憶合金(約1:1の金属間化合物)の市販品(直線の形を記憶したもの,形状記憶処理を加えてないもの,超弾性線の3種類)の線材を使用します。 形状記憶処理をしてない線を変形し,その形を覚えさせるにはどんな温度で熱処理を加える必要があるのか調べてみましょう。 形状記憶効果と超弾性の性質について実際に手で触れて観察してみましょう。 また,これらの材料の中味(組織,構造)がどのようになっているのかを詳しく調べる方法についても紹介します。 また市販品と同様の素材を研究室内で溶解し,自前の材料で形状記憶効果や超弾性が現れるかどうかも確認してみることにしたいと考えています。
<Keyword> 形状記憶合金,超弾性,熱弾性型マルテンサイト
<研究室からひとこと> 身近に使われているかも知れない形状記憶合金の興味深い振舞いにせまります!
ラーメンやトラスといった骨組構造は、幅広い産業分野で適用されています。大型の宇宙構造物でも骨組構造がしばしば適用されますが、軽量・高剛性が要求されるため部材として炭素繊維強化プラスチック複合材料(CFRP)が使用されることが多いです。
本テーマでは、骨組み構造の部材として割り箸を使用し、軽量・高剛性・高強度のブリッジ設計・製作にチャレンジしてみましょう。各自で設計・製作したブリッジについて、材料強度試験機による強度・剛性評価も行います。参加者によるコンテスト形式で進めます。
<Keyword> 材料力学、構造設計、強度評価
<研究室からひとこと> 事前の知識は全く必要ありません、気軽にお越しください。
摩擦は物と物が擦れる際に力が生じる現象です。筆記用具や自動車など、日常生活のあらゆる場面に摩擦は影響を与えています。摩擦を適切にコントロールすることにより、エネルギーロスの低減や安全性の向上を図ることができます。
本実験では模型自動車内部の摩擦に注目した実験を行います。ギアや潤滑剤などの条件を変更を行い、走行性能の変化を測定します。実験結果から各条件と性能の関係・性能変化が起こる仕組みを考察します。
<Keyword> トライボロジー、模型自動車
<研究室からひとこと> トライボロジー(摩擦・潤滑・摩耗)の面白さを体験しましょう!
高分子と水からなるハイドロゲルは生体軟組織に類似した組成を有しており,コンタクトレンズをはじめとした様々な医療材料として注目されています. 本テーマでは人工いくらの材料にも用いられているアルギン酸によりマイクロサイズのハイドロゲルカプセルを生成する実験を実施します. また,生成したマイクロカプセルを顕微鏡により観察することで,ミクロのものづくりを体験していただきます.
<Keyword> ハイドロゲル・生体材料・マイクロ加工
<研究室からひとこと> 医療に役立つ機械工学のものづくりに興味ある方はぜひ一緒に研究を体験してみましょう.
将来の立体映像技術である「ホログラフィ」について実験と理論の両面から学びます。レーザーを使って実際に像を投影する体験教室をおこなうほか、その背景にある光波のふるまいについて学習します。
<Keyword> 光、波動、ナノテクノロジー
<研究室からひとこと> 目に見えないくらい小さな構造が、大きな光の変化を作り出す様子を楽しんでください。
いま多くの機械が,コンピュータを利用して効率的に生み出され,設計に利用するCADソフトウェアは,あらゆる産業分野においてエンジニアの必需品となっています.本テーマでは,最先端の3次元CADソフトウェアを使って機械部品を設計し,組み立てた機械の動作をシミュレーションで確認します.また,自ら設計した部品を3Dプリンタで造形して,デジタルものづくりを体験します.
<Keyword> 3次元CAD,機械設計,ものづくり
<研究室からひとこと> 3次元CADの使い方を覚えて,様々な機械の設計にチャレンジしよう!
放電加工とは,金属間にマイクロ雷を1秒間に数万回生じさせることで加工する方法です.非常に硬い材料でも導電性があれば難無く加工できるため,ものづくりの世界で活躍しています.本テーマでは,放電加工の原理を学び,さらに,マイクロメートル単位で加工できる微細放電加工機を用いて,顕微鏡を使わなければ見ることができないほど小さな穴の加工に挑戦します.
<Keyword> 放電加工,マイクロ雷,微細穴
<研究室からひとこと> 顕微鏡を使わなければ見ることができないほど小さな穴なんて想像つきますか?百聞一見にしかずという言葉があるように,実際に見て体験して,このミクロンの世界を体験しましょう!
みなさんで協力してロボットアームの組み立てを体験していただきます.
ロボットアームは関節を動かす「サーボモータ」とそれらの間の「リンク」部材からなります.まず,サーボモータをどのくらい素早く動かすか,「比例の制御」と「累積の制御」を調整してもらいます.続いて,スタート・ゴール地点を提示しますので,ロボットアームの先端がそれらを辿るようなリンクの組合せを議論しながら組立て,最後に動かしていただきます.
<Keyword> 制御理論,リンク機構,ロボットアーム
<研究室からひとこと> 世の中の動く機械は「制御」という枠組みで動きを設計されています.その一例としてサーボモータを使ったロボットアームを製作してみましょう.
制御とは、”動き”を制する学問です。私たちの身の回りでは自動車のエンジンやエレベータの昇降動作、エアコンの温度調節など様々な機器に制御器が搭載されており、現代では欠かせない技術となっています。
本テーマでは、数学、物理を応用した制御工学について学習します。そして、クレーン模型を用いて荷揺れを抑える制御について体験します。
<Keyword> 制御工学、機械力学、運動方程式
<研究室からひとこと> 制御の面白さは対象を意のままに操ることができる点です。 少しでも興味を持たれた方はぜひご参加ください!
情報は随時更新しています。2023年度は12テーマで実施します。
お申し込みが多い場合は抽選となります。抽選は7月28日までに実施します。