interview
調味料で郷土の食文化と
飲食店を支える
interview
調味料で郷土の食文化と
飲食店を支える
須山醤油株式会社
米子市淀江町佐陀1291-6
1887(明治20)年創業。戦時中に出征した当主に代わり妻が醤油を作るなど、140年にわたって家族で暖簾を守ってきました。地元ではカタカナの「ス」を円で囲んだ「マルス」の商号で親しまれています。
長らく濃口・淡口などの醤油が主な商品でしたが、先代である須山さんの父がタレやつゆ、ポン酢などの調味料製造に着手しました。飲食店が店で提供する調味料を、小ロットからオーダーメードで開発・製造。現在は業務の6割を占めるほどに成長しました。その評判は県境を越えて広がり、顧客の半数以上が県外の飲食店です。
小学生のころから家族が働くのを見たり、手伝ったりして、いずれは継ぐのだろうと思っていました。
中学生、高校生になるとさまざまな経験をしたくなり、高校卒業後、進学を機に大阪へ。
しかし、飲食関係のアルバイトをするなかで、鳥取の食材がいかに素晴らしいか、いかに恵まれた環境だったかに気づかされました。
自然、食べ物、そして人。都会で、鳥取の良さを再認識できました。
22歳で「須山醤油」に就職し、まずは配達から現場の仕事を学びました。
48歳で社長に就任するときは、その重圧ゆえに随分と悩みました。
社長という立場は、すべて自分で判断・決断し、責任を負います。それまで父の影に守られていたのだと痛感し、改めてその偉大さを知りました。
就任以来、多くの方に助けていただいて今日まで来られました。
この仕事の醍醐味は、顧客と二人三脚でそのお店の味を作り上げていけること。試行錯誤を重ねて提案した調味料を、「これはいい」と喜んでいいただけた瞬間は、思わず小さくガッツポーズしてしまいます。この仕事をしていて良かったと思う瞬間です。
新商品の多くは、お客さんの「こういうものができないか」という相談から始まります。
お客さんが納得するまで何度もサンプルを出して調整し、他社にはまねできない、当社にしか作れない商品が完成します。
味やコスト、製造量まで細やかに対応し、「かゆい所に手が届く」醤油屋、タレメーカーを目指しています。
醤油はとても地域性が高い調味料です。その土地の食材や気候に応じて生まれる醤油は、「郷土料理」の根底を支える存在だと思っています。
「醤油はどれも同じ」と思うかも知れませんが、全国の醤油を比べると全く違います。ぜひいろいろな醤油を試して、お気に入りを見つけてください。
当社の看板商品のひとつが「大山むらさき」。醤油で醤油を仕込む「再仕込醤油」は強いうま味が特徴で、山陰の脂の乗った刺身に最適です。
今までと変わらず、守るべき伝統はしっかり守りたい。
その一方で、人々の食生活は次々と移り変わります。時代のニーズに臨機応変に対応できる柔軟性を備えて、未来に臨みたいと考えています。
「地元に帰る」というと、夢破れて帰るようなイメージがあるかもしれませんが、そうではなく、私はぜひ「夢を持って」鳥取に帰ってきてほしい、と思います。
私たちが日ごろお付き合いする飲食業界の方々は、ここ鳥取で自分の夢を持ってハツラツと働いていらっしゃいます。
そんな彼らと志を共にして仕事ができることに、鳥取に帰って来て本当に良かったと思います。
一度外の世界を見ることは選択肢を広げ、良い経験になります。その上で、鳥取の素晴らしさを再発見し、ここを舞台に描く夢を考えてみてほしいと思います。
須山醤油株式会社の詳しい情報