独特な肩折れ屋根の正面玄関は校舎建築にあたり,北海道視察行ったことによると思われる。
校舎は,藤沢町の気仙大工を棟梁に地元の大工,地元産の木材で作られた。校舎建築には根白石村の2年半の予算が投入されたという。当時も今も町のシンボルである。
根白石の「根」を中心に置き,児童会「松葉会」の名称の由来となった,旧講堂前にそびえる名木の松の葉を線対称に配している。
それを囲む円は,児童が手を取り合って仲良く一つの輪になり,5枚の桜の花びらは,子供たちの力と学校の伝統が光り輝き,発展していくようにとの願いを込めてデザインされたものである。
現在,大木となっている桜の木は,3度目の現校舎が完成した昭和6年ごろ,当時の子供たちによって植えられたとのことである。
戦国末期から長い間生き抜いてきた人々の自信・誇りと秀麗雄大な泉ヶ岳と冠川(七北田川)が人々の心をやさしく育んだ。豊かな自然に抱かれたこの地で,共に助け合い,誇りと自信を持って歩んでほしいという永遠の願いが込められている。伸びやかに勉学に励む子供たちの姿が目に浮かぶ。
現在の校歌と地元の先輩の方々が口ずさむ格調高い昔の校歌(根白石尋常高等小学校校歌)も木造校舎と同様に故郷の大切なシンボルの一つとして愛されている。